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機嫌のいい犬 の商品レビュー

3.8

29件のお客様レビュー

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2010/12/19

俳句が云々というよりも、 あとがきが面白かったです。 そうか、 こうして人は俳句に囚われていくのか。

Posted byブクログ

2019/01/16

小説を書きはじめると同時に句を書いていたのかーという川上弘美さんの一面を発見。小説は長い、仕上がらない、俳句はすぐに完成するではありませんか!の一文になるほど。創作活動にもバランスが必要なようです。

Posted byブクログ

2011/02/06

17文字に凝縮された純度の高い言葉。その中に、めぐりゆく季節が感じられる句集だった。目の前に風景が浮かんでくるもの、感情が私の中に流れ込んでくるもの…。今まで、すすんで俳句を読むことが無かったけれど、俳句というのもいいものだな、と感じられた。あとがきに、俳句は小説よりも早く書きあ...

17文字に凝縮された純度の高い言葉。その中に、めぐりゆく季節が感じられる句集だった。目の前に風景が浮かんでくるもの、感情が私の中に流れ込んでくるもの…。今まで、すすんで俳句を読むことが無かったけれど、俳句というのもいいものだな、と感じられた。あとがきに、俳句は小説よりも早く書きあがる、ということが書いてあったけれど、日常の小さな感情の揺れをすぐさま書き留めておきたい時に、本当に俳句はちょうどいい形式だと思う。しかし、まずは日々の生活のこまごまとした事に敏感になれる感性が必要だ。そして、川上弘美はそんな感性を持っている人だからこそ、俳句であっても小説であっても、心に響く言葉が書けるのだろうと思う。

Posted byブクログ

2012/11/02

(2010.12.06読了)(2010.11.30借入) 川上弘美さんの俳句集です。僕は、俳句に興味があるわけではないのですが、川上さんの作品だと言うので、眼を通しておくことにしました。 17年前に「俳句を、つくってみませんか。」と誘われたそうです。「神様」を「パスカル短篇文学新...

(2010.12.06読了)(2010.11.30借入) 川上弘美さんの俳句集です。僕は、俳句に興味があるわけではないのですが、川上さんの作品だと言うので、眼を通しておくことにしました。 17年前に「俳句を、つくってみませんか。」と誘われたそうです。「神様」を「パスカル短篇文学新人賞」に応募して、結果を待っていた頃のことです。 最初は、「俳句ねえ。でも俳句って、なんだか古くさい、昔のもんじゃないの。蛙がどうしたとか枯野がどうしたとか。」と遠慮したけど、ネット上で開かれている「闇汁句会」を試しに読んでみてください、というので、覗いてみました。 「俳句って、今のものなんだ。過去のもじゃないんだ。」そう感じた川上さんは、俳句のとりこになったのだそうです。 俳句を作ってわかったことは、「読者というのものは、こちらが思っているよりも、ずっと深く言葉を読みとってくれる」ということです。(153頁) 「俳句は、日本語で作るものです。「ふらここ」「帰り花」「権妻」などという言葉があることを、私は俳句を作ってみて初めて知りました。それぞれ、「ぶらんこ」「狂い咲きの花」「愛人」という意味です。」(154頁) 読んですぐ意味の取れるもの。意味がよくわからないもの。ドキッとさせられるもの。いろんな句に出会えます。俳句の決まりごとがわかったらもっと楽しめるのでしょうが、いまはまだその気はありません。 とはいえ、「もしもこの句集を読んで、少しでも「俳句、つくってみようかな」とお思いになった方がいらしたら、それはこの句集にとって、何よりの褒美となるでしょう。」と川上さんは書いてます。 夜店にて 彗星の尾を 見つけたり (川上さんらしい) ぼうたんの 静かに閉ぢて 夜来たる (ぼうたんは、牡丹のこと) ワルツ鳴り 晩春の水 沸騰す (わかったようなわからないような) 片耳に ピアス八個や 神の旅 (意味不明) 小さき虫 あまた浮かべて 春の水 (なんとなく情景が浮かびます) 音高く 包丁つかふ 立夏かな (晴々した感じ) 流星を 待ちてをるなり 草の上 (いいです) 朝顔の 鉢さげ友の 来たりけり (似たような句がどこかにありそう) 草分けて おとうと探す 春の暮 (おとうとが行方不明?) 花冷や 義眼はづしし 眼のくぼみ (ちょっとシュール) 爪切って 耳さうぢして 六日けふ (いいです) はるうれひ 乳房はすこし お湯に浮く (ちょっとドッキリ) 春日の 循環バスを 降りられず (なんとなくわかる) ☆川上弘美さんの本(既読) 「ざらざら」川上弘美著、マガジンハウス、2006.07.20 「ハヅキさんのこと」川上弘美著、講談社、2006.09.29 「真鶴」川上弘美著、文芸春秋、2006.10.30 「東京日記(2) ほかに踊りを知らない。」川上弘美著・門間則雄絵、平凡社、2007.11.20 「風花」川上弘美著、集英社、2008.04.10 「どこから行っても遠い町」川上弘美著、新潮社、2008.11.20 「これでよろしくて?」川上弘美著、中央公論新社、2009.09.25 「パスタマシーンの幽霊」川上弘美著、マガジンハウス、2010.04.22 (2010年12月6日・記)

Posted byブクログ

2019/01/16

わずか十七文字のなかにあらわれる川上ワールド。ちょっとした日常、摩訶不思議な世界、恋のはかなさ、全部がことばであふれている。ことばって面白い。俳句って面白い。

Posted byブクログ

2010/11/26

小説と同じように派手さはないけどそこはかとなく色っぽい、空気。するする入ってくる気持ちの良い言葉たち。俳句ってこんなに自由でいいんだ、と思った。 ちょっとお値段高めな気はするけど、装丁も素敵だし、十分満足できました。

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2010/11/23

図書館で見つけて何気なく手にした。 句集なので1時間もかからず読めてしまう。 川上さんの俳句もいいが、あとがきがいい。俳句を始めて初めて知った言葉があるそう。「ふらここ」とか「帰り花」とか、なんて素敵な響きなんでしょう。 俳句のリズムとあとがきの心地よさに誘われて、ちょっと挑戦し...

図書館で見つけて何気なく手にした。 句集なので1時間もかからず読めてしまう。 川上さんの俳句もいいが、あとがきがいい。俳句を始めて初めて知った言葉があるそう。「ふらここ」とか「帰り花」とか、なんて素敵な響きなんでしょう。 俳句のリズムとあとがきの心地よさに誘われて、ちょっと挑戦してみたくなったかも。

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2011/07/16

1994年以来、すでに15年の俳句歴があるという人気作家・川上弘美さんの第一句集。いかにも呑気な題名と福島金一郎さんのとぼけた絵が実に良い感じ。 集められた俳句は、1994年から2009年までの220句。実に自由な作法で日本語の語感の面白さや、川上さんらしい意表を突く表現で遊んで...

1994年以来、すでに15年の俳句歴があるという人気作家・川上弘美さんの第一句集。いかにも呑気な題名と福島金一郎さんのとぼけた絵が実に良い感じ。 集められた俳句は、1994年から2009年までの220句。実に自由な作法で日本語の語感の面白さや、川上さんらしい意表を突く表現で遊んでいる様子がうかがえる。どうも春の句に秀句がそろっている気がするのは気のせいだろうか。それらしい句を読んで、きっとやるせない恋に悶えているのだろうと解釈するもありだが、実は他愛のない事実なんだそうだ。本当かどうかは本人のみぞ知るだが、、、川上ファンはぜひ、あとがきの「俳句を、作ってみませんか。」を読むべし。

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2010/10/28

   『はっきりしない人ね茄子投げるわよ』 言葉とは、多くあれば伝わるというものではない。むしろ、たった十七文字の中に、川上弘美の川上弘美たるゆえんは、満ち満ちている。川上弘美の俳句は、無記名でも、川上弘美のそれと解る、諧謔性が備わっているように聞こえる。 川上弘美の俳句に初...

   『はっきりしない人ね茄子投げるわよ』 言葉とは、多くあれば伝わるというものではない。むしろ、たった十七文字の中に、川上弘美の川上弘美たるゆえんは、満ち満ちている。川上弘美の俳句は、無記名でも、川上弘美のそれと解る、諧謔性が備わっているように聞こえる。 川上弘美の俳句に初めて出会ったのは、文藝の川上弘美特集の中でだった。その一句目に配置されていた句が「茄子投げるわよ」だ。この句集では、それが一頁目ではあるけれど、二句目に置かれている。同じように、続く俳句たちの先頭に置かれながら、この少しばかり奥ゆかしい配置の違いに、その間に横たわる七年の月日の重さを、ぼんやりと感じる。 川上弘美の立ち位置の変化なのか。やんちゃさを窘められてしまうような思いに駆られたのか。そんなことを思いながらも、やはりこの句に川上弘美の残忍さも柔和さも全て詰っている、と改めて思う。    『不機嫌やプールの水の満々と』    『なみなみと茶碗に酒や桜鯛』(未収録) その、何かがみっしりと詰っている感じ、それこそが川上弘美のサガ。そして当然のことながら性的な香りの元。それが不機嫌であっても、ほろ酔いのうれし気分であっても、何かを人に伝搬せずにはおけない、その満ちた気分。言葉は不思議。そして川上弘美の言葉が、好き。    『夕立に少年濡れて匂ふなり』

Posted byブクログ