機嫌のいい犬 の商品レビュー
川上弘美の小説やエッセイに流れているシュールな世界観は、この短い17音の中にも濃密に現れている。 ・はつきりしない人ね茄子投げるわよ ・春の夜人体模型歩きさう の2句は特に気に入っている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
俳句の本。1994年から2009年までに川上さんが作った俳句の数々。 大田垣晴子さんのような奔放さある句が意外だったし、他もいい感じに楽しい句ばかり。俳句をつくってみませんかのお誘いの文章があとがきにあったので読んでみた。そして納得、俳句作りで経験したことが、その後の作品作りの基礎になっているのでしょう。 「読み手というものは、注意深く言葉を読んでくれる。 作者が思って みなかったところまで、読みとってくれ 無意識の奥までさぐってくれる。」 なるほど。『神様』はそんな本でした。 ( ・_ゝ・)< 指数えあらたに頭使う秋
Posted by
川上弘美さんの俳句集も手にとってみました。 情景浮かぶなぁと思ったのはこれ。 【恋う人を 忘るるつもりで 夜濯ぐ】 【湯を沸かす 間のものおもひ 鉄線花】 語呂というか、言葉のセンスで好きだなぁと思ったのはこれ。 【聖夜なり ミナミトリシマ 風力10】 【十四ポ 岩田明朝 冴...
川上弘美さんの俳句集も手にとってみました。 情景浮かぶなぁと思ったのはこれ。 【恋う人を 忘るるつもりで 夜濯ぐ】 【湯を沸かす 間のものおもひ 鉄線花】 語呂というか、言葉のセンスで好きだなぁと思ったのはこれ。 【聖夜なり ミナミトリシマ 風力10】 【十四ポ 岩田明朝 冴えかえる】 俳句ってあんまり縁がないですけど、 たまにはいいものですね。
Posted by
ある季節、ある一日、ある瞬間。十七文字のゆたかに広がる物語。言葉の不思議なコレクション220句。第一句集。
Posted by
あとがきを読んで、 僕なんかでも、 俳句を作って良いのかな、 と思い、 作ってみたら、 とことこできた。 季語もあってもなくても良かったり、 切れ字という、 俳句っぽいものも、 自由みたいだし、 現代でも歴史的仮名遣いでも、 オーケーみたいだし。 俳句を自作するきっかけになりそう...
あとがきを読んで、 僕なんかでも、 俳句を作って良いのかな、 と思い、 作ってみたら、 とことこできた。 季語もあってもなくても良かったり、 切れ字という、 俳句っぽいものも、 自由みたいだし、 現代でも歴史的仮名遣いでも、 オーケーみたいだし。 俳句を自作するきっかけになりそうな、 極めて受動な意味合いで、 良い本なのかもしれないです。
Posted by
中身を見ず、タイトルに惹かれ読んでみたら俳句でした。言葉の組み合わせが面白いですねぇ。俳句、久しぶりに読みました。 ええと。事務員2年目の頃、仕事や出向の事でツラく、お世話になった先輩に仕事のグチ俳句を送っていました。何を書いたかは忘れましたが、89点と良い評価を受け、その時の...
中身を見ず、タイトルに惹かれ読んでみたら俳句でした。言葉の組み合わせが面白いですねぇ。俳句、久しぶりに読みました。 ええと。事務員2年目の頃、仕事や出向の事でツラく、お世話になった先輩に仕事のグチ俳句を送っていました。何を書いたかは忘れましたが、89点と良い評価を受け、その時の俳句は先輩の机に飾ってありました。感想より自分の話が長くなってしまい、どうもすみません。
Posted by
川上氏の1994年から2009年までの15年間の句作をまとめた俳句集。 凡作から秀作まであり。印象に残った句をいくつかまとめてみた。 捨てかねし片手袋のありにけり 赤蟻に好かれしぶしぶ這はせたる たくさんの犬埋めて山眠るなり 秋風や惣菜買へる警備員 青ぬたや婚家の味は廃...
川上氏の1994年から2009年までの15年間の句作をまとめた俳句集。 凡作から秀作まであり。印象に残った句をいくつかまとめてみた。 捨てかねし片手袋のありにけり 赤蟻に好かれしぶしぶ這はせたる たくさんの犬埋めて山眠るなり 秋風や惣菜買へる警備員 青ぬたや婚家の味は廃れさす 俳句がまとまって本になることは難しい。この作品が大手出版社から出ているということは、ひとえに川上氏が現代作家として力を持っていることを証明している。 彼女の作品はエッセイとこの句集しか読んだことはないが、早く本流の仕事を読まなければと思う。
Posted by
川上さんが俳句をたしなまれるのは知っていたが、これほどのキャリアをお持ちだとは・・・句は、というと川上さんの小説そのものといった感じのユニークな形式にとらわれないものが多くて、たとえばこの小説を俳句にすると?と言われて「こんなふうでどうかしら」という感じ。はつきりしない人ね茄子な...
川上さんが俳句をたしなまれるのは知っていたが、これほどのキャリアをお持ちだとは・・・句は、というと川上さんの小説そのものといった感じのユニークな形式にとらわれないものが多くて、たとえばこの小説を俳句にすると?と言われて「こんなふうでどうかしら」という感じ。はつきりしない人ね茄子なげるわよ闘いにゆく香水をつけ替へてこの2句気に入りました。俳句って楽しそう、と思える一冊です。
Posted by
つやつやのさらさら。髪の毛かと思った。白髪だって混じってるし、部位によっては生え癖だってある、時にはまだ乾いていなかったりもするのだけれど、枝毛なんてないやい一本が太いしっかりした色っぽい毛。髪の毛というと孫悟空の分身の術みたいのを思い出す(ん?体毛?)。それと同じように一本の毛...
つやつやのさらさら。髪の毛かと思った。白髪だって混じってるし、部位によっては生え癖だってある、時にはまだ乾いていなかったりもするのだけれど、枝毛なんてないやい一本が太いしっかりした色っぽい毛。髪の毛というと孫悟空の分身の術みたいのを思い出す(ん?体毛?)。それと同じように一本の毛からぼわんもくもくっと出る生活や感情や季節。短歌よりも短いたった17文字の世界だけれど、川上さんの髪の毛には川上さんの素敵たんぱく質がたっぷりでした。よいプロテイン。
Posted by
小説家の句集。 「十六夜や川底の人浮かびくる」はホラ―な感じで恐い。 「ポケットに去年の半券冬の雲」は、わかるわその感じ。 しかし一番好きな句は、「十四ポ岩田明朝冴返る」です。 冴えてます。
Posted by