竜のはなし の商品レビュー
もし、こちらの絵本を読むなら最後の児童文学者の花岡大学さんの文を読んでほしい。 令和になってから更に加速しているが、純粋に人のために身を捨てると言う人がいない。(昔は多かったというのもまた違うが) 毎日スマホを使い自ら発信できるようになった現代だだが、花岡さんが言うような「やさし...
もし、こちらの絵本を読むなら最後の児童文学者の花岡大学さんの文を読んでほしい。 令和になってから更に加速しているが、純粋に人のために身を捨てると言う人がいない。(昔は多かったというのもまた違うが) 毎日スマホを使い自ら発信できるようになった現代だだが、花岡さんが言うような「やさしさ」の心で発信している人はいるだろうか。 承認欲求、マネタイズ。ネット上でも自分のことしか考えていない人がウヨウヨいる。これを読むと現代人の廃れた気持ちが分かる。 「このはなしはおとぎばなしではありません」から始める絵本に「えっ」と漏らした長男。 竜の行いに「やさしいね。」と言っていたが、一度で「もう。よみたくない。」と言っていた。それくらいの破壊力はある。絵本だからか絵も子どもに媚びていない。
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オスカー・ワイルドの『幸福な王子』と同じ自己犠牲の物語。しかし、この竜はだれかを助けているわけではない。それどころか数多の欲望の犠牲になっている。 強さとはやさしさである。 このやさしさというものは無償の愛とも言える。 あとがきにあるように、小さな子供に何度も読み聞かせ、語り...
オスカー・ワイルドの『幸福な王子』と同じ自己犠牲の物語。しかし、この竜はだれかを助けているわけではない。それどころか数多の欲望の犠牲になっている。 強さとはやさしさである。 このやさしさというものは無償の愛とも言える。 あとがきにあるように、小さな子供に何度も読み聞かせ、語り合い、語り継ぐお話である。
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改心した竜が捨身の心でおしゃかさまになる。 優しさとは捨身というわけではないと思う。自らの体を差し出してまで悪い心を捨てる必要はあったのか。
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本を開くと、 このはなしはおとぎばなしではありません 賢治 とあります。 あるとき、毒竜が、これからはもう悪いことはしない、全てのものを悩ませない、と誓います。 そして、その言葉の通...
本を開くと、 このはなしはおとぎばなしではありません 賢治 とあります。 あるとき、毒竜が、これからはもう悪いことはしない、全てのものを悩ませない、と誓います。 そして、その言葉の通りに、その身を漁師や虫たちに与えるのでした。そして、死後天上に上りお釈迦さまになったといいます。 子どもの頃に、 お釈迦さまが飢えたとらにわが身を与えた、というお話を読んだ時、衝撃を受けるとともに「私には無理だなぁ」と思ったことがあります。それから何十年も生きてきましたが、「捨身」はやはり難しいですね。
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とても大きく、毒を持っている竜が今までの行いを振り返り、もう殺生はしないと誓った 大人しく寝ていた竜はヘビと間違われきれいな皮を剥がれてしまう そして小さな虫に食べられて死んでしまいました 竜は天上に生まれ、後にお釈迦様になりました ちょっと宗教色がつよいかも 読み聞かせ時間は...
とても大きく、毒を持っている竜が今までの行いを振り返り、もう殺生はしないと誓った 大人しく寝ていた竜はヘビと間違われきれいな皮を剥がれてしまう そして小さな虫に食べられて死んでしまいました 竜は天上に生まれ、後にお釈迦様になりました ちょっと宗教色がつよいかも 読み聞かせ時間は4分位です
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あとがきを花岡大学さんが書いている。それを読むだけでも非常に価値がある。なよなよした優美なやさしさではなく、強靭なやさしさ。自を他に投入していさぎよく死に、いささかもはね返ってくるものを求めないといったすさまじい精神のことだ。そうした教育の中心を、賢治はやさしく描き切っている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表紙を開くと 「このはなしはおとぎばなしではありません。賢治」 ということばからはじまる絵本 戸田幸四郎さんの力強い油絵と 「生きものを愛し自然を愛し、まことの道のために、生きつらぬいた賢治の思想の大事な一面を 端的に浮き彫りにしている」(戸田幸四郎さんあとがきから) 文章に私も引きつけられました まことの道のために生きるに必要な“強さ” 力強さをとても感じる絵本でした。 【amazon出版社からのコメント】 多くの出版物のある賢治童話ですが、この作品の絵本は唯一これのみという珍しい作品。 壮絶なまでの“強靱な優しさ”を前に、子どもが釘付けになったという読者からの お手紙を多くいただいていります。 賢治世界の象徴的な一篇です。 本物の感動を。 【覚書】 かたちもたいそう恐ろしく強い毒をもった竜があるとき、よいこころを起して、これからはもう悪いことをしない、すべてのものをなやまさない、とちかい、どんな苦難にあおうとも 痛さや苦しさ、悔しさ心さえ起こさず、そしてやがて死んでしまいます。 死んでこの竜は天上にうまれ、後にお釈迦様になったというおはなし
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他者のために自らの身を捨てる竜。 おしゃかさまになった、とかまことの道というくだりは、賢治の仏教観が私としては少し鼻につくのですが、シンプルで骨太な絵が民話的雰囲気ですくわれるかも。 力あるものの孤独より、みんなのこころに生きる幸せを選んだと読み替えればいいのでしょうか。 (じゃ...
他者のために自らの身を捨てる竜。 おしゃかさまになった、とかまことの道というくだりは、賢治の仏教観が私としては少し鼻につくのですが、シンプルで骨太な絵が民話的雰囲気ですくわれるかも。 力あるものの孤独より、みんなのこころに生きる幸せを選んだと読み替えればいいのでしょうか。 (じゃすみん)
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捨身。宮沢賢治の理想とする生き方なのね。私は遥かに愚か者だから、自分が漁師だったら、本当はあの竜は生きていたんだと教えられて一生悔やんで自分を呪い、敬意を持って竜のお弔いをしたい。でも、竜は何も言わない、これぞ捨身なのですね。絵がまた文章に強い力を与えています。
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