公共事業が日本を救う の商品レビュー
あなたの常識がくつがえる「コンクリートから人へ」じゃ国が滅びる。 マスコミに自覚があるのかないのかはわからないが、社会に悪影響を与えるニュースがある。それは一見、正論であるだけに、質が悪い事が多い。 近年の公共事業不要論がそれである。本書を読むと、いかに事実がねじ曲げられ...
あなたの常識がくつがえる「コンクリートから人へ」じゃ国が滅びる。 マスコミに自覚があるのかないのかはわからないが、社会に悪影響を与えるニュースがある。それは一見、正論であるだけに、質が悪い事が多い。 近年の公共事業不要論がそれである。本書を読むと、いかに事実がねじ曲げられているのかがわかる。 本書の中に、「日本の道路は足りない」という一章がある。著者は公共事業不要論者は自分に都合の良い資料をもって「日本の道路は世界トップレベル」と論じているという。誰もが感じていると思うが、休日千円による高速道路の混雑を体験した時に、本当に道路が充実しているのか、疑念があったが、本書を読んで納得できました。
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公共事業そのものの意義を完全否定する必要はないし、世の反公共事業議論もそんなに極端なものではないのでは。 問題なのは公共事業の運用面で、過度な利益誘導やいい加減な需要予測による無駄な施設の乱造などはいくらでも目に付くし、事業仕分けで必要性を問われてろくに答えられない官僚の姿を見て...
公共事業そのものの意義を完全否定する必要はないし、世の反公共事業議論もそんなに極端なものではないのでは。 問題なのは公共事業の運用面で、過度な利益誘導やいい加減な需要予測による無駄な施設の乱造などはいくらでも目に付くし、事業仕分けで必要性を問われてろくに答えられない官僚の姿を見ていると、やはり”今の運用”による公共事業が日本を救えると無邪気に信じるわけにはいかないと思う。 運用面の問題を本質論で正当化じきれるわけもないし。筆者が言うようなまとも公共事業がまともに行われるのであれば、だれも反対しない。
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「公共事業」と言われて連想するイメージは、利益を考えない無駄な工事、というものがありましたが、このたびの東日本大震災を経験して、公共事業は必要な部分も多くあるのではと思い直しました。 民主党が政権を取る前に予定されていた学校等の耐震強化の予算がかなり削られたという報道があった...
「公共事業」と言われて連想するイメージは、利益を考えない無駄な工事、というものがありましたが、このたびの東日本大震災を経験して、公共事業は必要な部分も多くあるのではと思い直しました。 民主党が政権を取る前に予定されていた学校等の耐震強化の予算がかなり削られたという報道があったのを思い出しました。 また、日本では高速道路を造ることは無駄だという報道が多くあったように思いますが、この本を読んで、「偏った報道である」と認識しました。 最近読んだ本で、「公共工事は必要である」と言い切った人は、この本の著者の藤井氏と、三橋氏等と少数派のように思いますが、今後は賛否両論の両者の意見をよく聞いていきたいと感じました。 以下は気になったポイントです。 ・客観的なデータで見る限り、少なくともここ数年の日本は、公共事業費が異常に高い国ではない(p18) ・可住地面積を用いるのは、人口や都市公園の数など、可住地にしかないものを評価する場合が一般的、道路は可住地と可住地を結ぶ「非可住地」もつくられるもの、指標としては「クルマの保有台数あたりの道路延長」が良い(p22、25) ・日本の道路建設費が高いのは、土地の買収費用が高く、トンネルや橋が多く、かつ、地震対策をする必要があるから(p29) ・公共工事について現在言えることは、1)国の借金は社会保障関係費が多い、2)公共事業はピーク時の4割、社会保障関係費の2割程度、3)公共事業費を削っても財源は無い、である(p35) ・都市に対する交通戦略としては、1)都市周辺に環状道路をつくる、2)環状道路に大規模な駐車場をつくる、3)環状道路の内側を、自動車のみでなく、歩行者や自転車も使えるようにする、4)歩道は石畳等、5)電柱の埋設化(p54) ・先進国において、日本ほど、電柱が乱立し、道路の上を「電線」が蜘蛛の巣のように行き交う風景は、あまりない(p55) ・日本政府が直轄する橋:1万8橋の、約0.6%に相当する橋が、「いつ落ちてもおかしくない」状態にある、あと20年で高齢化(築50年)した橋が48%になる(p66、74) ・全体の18%が韓国などの港に運んでから「積み替え」を実施している、15年前は2%程度、問題なのは、積み替え問題は全体の50%を占める遠距離航路においてである、遠距離では全体の40%に達する(p90) ・港は市が管理している(港湾法)ので、国の意向で「港の大型化」を進めることができない、これに対して、京浜港(東京・横浜・川崎)と阪神港(大阪・神戸)を大型化しようと進んているが港湾法改正が必要(p96、99) ・隅田川、荒川、綾瀬川、中川、大堀川、江戸川等、主要な川は人々が住んでいる場所よりも「高い」ところを流れている天井側である(p115) ・昭和22年のカスリーン台風は、八ッ場ダムの下流にのみ降雨をもたらしたので、治水効果はないとされたのが答弁の事実、過去に起きた31の洪水において9割以上が効果があると推定される(p123) ・東京において立体交差化されずに放置されている踏切は、600か所以上もある、高速道路の車線数も先進国で最低(p143) ・自動車のカタログ燃費に対する実質燃費は、欧米では9割程度だが、日本では64%(p145) ・三陸沖地震の30年以内発生確率は90%、宮城県沖地震は99%、30年間で交通事故死する確率は0.2%、軽いけがは24%、空き巣は3%(p173) ・18世紀に世界を支配していたポルトガルの首都リスボンを、1775年にリスボン大地震が襲った、火災と津波によってリスボンは廃墟と化して、世界一の大国の座から凋落した(p178) ・これまで、ロシア(1998)、エクアドル(1999)、アルゼンチン(2001)、ウルグアイ(2002)、アイスランド(2008)が破綻しているが、これらの国の政府借金のGDP比率はいずも100%以下、外国から、外国通貨で借金していることが原因で破綻している(p189) ・政府以外の資産借金も考えると、国民一人あたり、4098万円の借金(5246兆)、4291万円(5493兆)の金融資産があるというべき(p198) ・バブル崩壊に伴う不況から脱却できたのは、小泉改革ではなく、小渕政権が行った、大規模な国債発行と公共投資のおかげ(p212) 2011/5/3作成
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東日本大震災の後に読んだが、藤井先生の想いがよりダイレクトに伝わってくる。今の政策が間違った方向に行っているのではないかと感じていた、まさにその不安がここに凝縮されている感じ。公共事業は日本を救うと私も思う。
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I agree with the author about the necessity of public project. In fact, the contemporary society in our country is odd! Public spendings are...
I agree with the author about the necessity of public project. In fact, the contemporary society in our country is odd! Public spendings are thought to be all evil! This is too extreme opinion. As Mr. Fujii predicted, a devastating earthquake followed by 38M tsunami hit northeast mainland of Japan on March 11. The only point I'm concerned about is how to make revenue. The author insists that it's OK to issue deficit-covering bond in deflation. --->> I'm afaid that Japan money will lose the trust if Tokyo starts issue Yen bills generously.....
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「コンクリートから人へ」へのアンチテーゼなんで、極端な内容かな?という印象をタイトルからは抱きますが、国の財政悪化の原因のようにいわれている公共工事が、数字の作り方によって見え方が180度かわることを、丁寧に解説されています。 また、デフレ時の国債発行、国債の買手が誰なのか?と...
「コンクリートから人へ」へのアンチテーゼなんで、極端な内容かな?という印象をタイトルからは抱きますが、国の財政悪化の原因のようにいわれている公共工事が、数字の作り方によって見え方が180度かわることを、丁寧に解説されています。 また、デフレ時の国債発行、国債の買手が誰なのか?という財政から視点での内容もあり、納得!な1冊でした
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デフレ経済下での経済浮揚策として公共事業を行うことが,雇用確保やデフレ対策,さらには将来の潜在的な経済成長へ寄与するという主張は,非常に説得力がある!
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公共事業が無駄であるというデータが、どのようにして創られたかが詳しく載っている。逆に日本はいかに公共事業が不足しているかがよく判る。 日本は国債を発行しても破綻しないし、それが日本経済を浮上させる解決策であるということ記述にも十分説得性がある。
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豊かで安全な生活を営むために国が目指すところ、本当の国力とは何かを示していると思います。豊かな生活とは何かを考えさせられる部分がありました。 過度に膨張されている公共事業不要論、無駄論が世間に蔓延っている現在の状況に警笛を鳴らす書です。 都市での豊かな生活、日本の道路延長や公共工...
豊かで安全な生活を営むために国が目指すところ、本当の国力とは何かを示していると思います。豊かな生活とは何かを考えさせられる部分がありました。 過度に膨張されている公共事業不要論、無駄論が世間に蔓延っている現在の状況に警笛を鳴らす書です。 都市での豊かな生活、日本の道路延長や公共工事コストの誤解、国際競争力を保つための港湾整備の重要性、利水・治水の面からのダムの必要性など、前半は具体的な数字と事例を示しながらインフラ整備の必要性を丁寧に説明しています。 日本の財政が破たんするという主張についても、日本の借金が内債であること、政府や民間・金融機関を含めたバランスシートから預金超過にあることを示して過度な主張であることが説明されています。 この事からも、預金超過部分で国債を買ってもらい、経済を刺激する方が良いという視点です。 後半はマクロ経済のお話です。デフレ不況下での公共事業による財政出動の効果を視点に、前半で示した必要な公共事業を進めるべきだとの主張です。 また、デフレ下、インフレ下での金利について分りやすく説明している部分が印象的でした。 この本を読んで、現在の世論を形成してきた偏った報道などが、なぜ?形成されたのかを検証する必要があると思います。本当の国力とは何かを考えることが必要だと思います。
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公共事業無駄論に反撃する書。 可住地あたりの道路密度の比較は何の意味もない。道路は可住地と可住地の都市を結ぶのであり、非可住地も含めた密度で比較しないと意味がない。 1万台あたりの道路延長では、日本はそんなに高くない。 中心地への車の流入を防ぐことが、中心地の過疎化を防ぐ。 都市...
公共事業無駄論に反撃する書。 可住地あたりの道路密度の比較は何の意味もない。道路は可住地と可住地の都市を結ぶのであり、非可住地も含めた密度で比較しないと意味がない。 1万台あたりの道路延長では、日本はそんなに高くない。 中心地への車の流入を防ぐことが、中心地の過疎化を防ぐ。 都市に環状道路を作りその沿線に駐車場も作る。各駐車場から都心へ向かう公共交通機関を作る。これにより中心地に車が流入することが少なくなり、中心地の道路は人が利用しやすくなる。 国際競争力のある港湾を整備するためには、-18m岸壁が必要。そうしないと大型タンカーが入稿できない。また、地方自治体に港湾管理権があるようでは、国力増強のための整備ができない。それは地方負担分があるため、容易に地方自治体が港湾整備に同意しないのだ。 八ツ場ダムは、関東地方の地下水くみ上げによる地盤沈下を防ぐ役割を果たす予定。 河川水位が町よりも高いので洪水被害が大きくなる。これを防ぐのも八ツ場ダムの役割。 日本の道路整備はまだ足りない。 高速道路ネットワークをさらに整備し、都市・地域間交流を拡大することにより経済発展できる。 日本の借金は内債であるので、国家が破綻することはない。 デフレ化での長期金利上昇はない。 不況だから、公共事業による刺激策が必要だ。 デフレ化の国債発行は大丈夫。しかし、インフレになると資金調達難となり、破綻する。 不況には財政出動による刺激策を取れ。それには公共事業が一番効果的。
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