公共事業が日本を救う の商品レビュー
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公共事業は一概に不要なものではない、いまの公共事業不要論は少々行き過ぎているという点について、賛成する。 ただし、最終的な結論として、大規模な公共事業こそ効果的な景気浮揚策であるとする考え方には納得できない。人口減少の時代に、道路や公共施設は余るはずだ。冒頭で述べられているように、高度成長期、公共事業によって整備された多くの道路・橋・施設等の管理・メンテナンスが、今日の公共事業費削減の波の中で、すでに十分に行われていない状況下で、新たに大規模な公共事業によって景気回復を図るというのは、非現実的と思う。
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本書は「公共事業が日本を救う」というテーマで、「豊かな街」「橋」「ダム」「港」「道路」等々を考察しているのだが、それぞれの考察が、ピントが外れているか、底の浅い考察としか思えないし、全体のトーンも一貫しているようにも思えなかった。 本書は「豊かな街をつくる」において、スウェー...
本書は「公共事業が日本を救う」というテーマで、「豊かな街」「橋」「ダム」「港」「道路」等々を考察しているのだが、それぞれの考察が、ピントが外れているか、底の浅い考察としか思えないし、全体のトーンも一貫しているようにも思えなかった。 本書は「豊かな街をつくる」において、スウェーデンの都市を取り上げて、日本と比較しているが、街の形成にはそれぞれの地形や歴史、民族文化、経済構造が複雑に絡んでいる以上、単純にヨーロッパの街の構造を日本が真似ることは意味がないし、そもそも無理があると思える。 ましてや「車を締め出していればシャッター街化を食い止められた」との考察には苦笑してしまった。「シャッター街」がなぜ生まれたのかについては「変わる商店街」(中沢孝夫)で、その歴史的経過やそれぞれの時点での政策との関連や高度成長期における商店街の志向、その経済的構造等を立体的に考察しているが、それによれば、車を街に入れなければ歩く人が入って来て「シャッター街」化が防げるような単純なものではない。そんな幼稚な対応で経済構造を変化させることができるようなら苦労はないと思えた。 「橋が落ちる」「日本の港を守る」「日本は道路が足りない」「巨大地震に備える」については、個別項目はそれなりに訴える力はあるが、全体を統合する視点と考察があるようには思えない。 「日本が財政破綻しない理由」の章は、著者の専門外ではないのだろうか。提案されている政策自体には異論があるわけではないが、その展開には説得力が今ひとつ感じられない。本書は残念な本であると思う。
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橋の老朽化につき、8割以上の1500の市区町村が、予算も技術力も不十分なため、定期点検ができていない。
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#022 公共事業が日本を救う 知人に勧められたので読んでみた。今はデフレだから公共事業にばんばん金使って日本の貧弱なインフラ整備と経済活性化を一気にやっちゃえ、という論旨。あってる? 日本の港湾が貧弱で、しかし港湾整備は地方自治体の管轄だから国が手が出せない、と言う話は初耳なの...
#022 公共事業が日本を救う 知人に勧められたので読んでみた。今はデフレだから公共事業にばんばん金使って日本の貧弱なインフラ整備と経済活性化を一気にやっちゃえ、という論旨。あってる? 日本の港湾が貧弱で、しかし港湾整備は地方自治体の管轄だから国が手が出せない、と言う話は初耳なので興味深かった。 でも、だから公共事業をやるべきだ、という論は少し眉唾で、著者は土建屋さんだからそういうのかも知れないけど、物事には全てメリットとデメリットがあって、公共事業のメリットだけ並べてすばらしいでしょって言われてもそりゃそうだよねとしかならない。なぜ今公共事業が悪だと言われているのか、それら公共事業のデメリットを払拭した上で、どのように公共事業を行っていくのかという提案が見当たらないので、主張が薄っぺらく聞こえてしまう。 まあ、ダム好きバイク好きなあたしにとっちゃ、ダムも道路もばんばん作ってほしいのだけれども。そういえばこないだ沖縄で見た福地ダムってのがすごくてさ。
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公共事業不要論に対する反論について書かれてる本。公共事業の必要性はわかる。ただ、結構読み飛ばすところも多かった。それに著者は経済学についての専門家ではないために金融政策に関して誤解を持っていられるようだ。金融政策は利子を上げ下げするるだけでの政策ではなく、インフレ予想に影響を与え...
公共事業不要論に対する反論について書かれてる本。公共事業の必要性はわかる。ただ、結構読み飛ばすところも多かった。それに著者は経済学についての専門家ではないために金融政策に関して誤解を持っていられるようだ。金融政策は利子を上げ下げするるだけでの政策ではなく、インフレ予想に影響を与えることでも効果を発揮する政策なので、ゼロ金利下においては金融緩和や量的緩和の効果がないという説は正しくはない。
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極端なタイトルから「主張だけが先行するヤな感じの本かもしれない」と思いながらも購入し、読了。 全くそんなことはなかった。 道路不要論の数字の詐術を解き明かす冒頭部分については衝撃だった。 使う数字を少し切り替えたりするだけでここまで人を騙せるなんて! たしかに、道路密度を可住...
極端なタイトルから「主張だけが先行するヤな感じの本かもしれない」と思いながらも購入し、読了。 全くそんなことはなかった。 道路不要論の数字の詐術を解き明かす冒頭部分については衝撃だった。 使う数字を少し切り替えたりするだけでここまで人を騙せるなんて! たしかに、道路密度を可住面積あたりで算出・比較しているのは明らかにおかしい(笑) 道路・ダムといった定番の公共事業から地域活性化、今日話題の災害対策についてまで述べられており、ボリュームがある内容だった。 是非、タイトルに拒否反応を覚えずに読んで頂きたい一冊 書き口も丁寧であり、都市計画や経済分野に疎くても容易に読みきる事ができると思う。
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民主党政権となり、コンクリートから人へというキャッチフレーズの下、事業仕分けというわけの分からない手法で、公共事業が縮減された。 橋梁、港湾、ダム、道路などの社会経済的なインフラの存在意義について、一つ一つ実証的に数字を示しながら、公共事業不要論を論破した著作だ。 土木工学の...
民主党政権となり、コンクリートから人へというキャッチフレーズの下、事業仕分けというわけの分からない手法で、公共事業が縮減された。 橋梁、港湾、ダム、道路などの社会経済的なインフラの存在意義について、一つ一つ実証的に数字を示しながら、公共事業不要論を論破した著作だ。 土木工学の専門家であるが、デフレ経済の下だからこそ、対外純資産を潤沢に保有している日本政府は、国債を発行し、まだまだ必要な公共事業を推進するべきだとおっしゃる。 政府御用経済学者より、よほど経済センスのある土木工学専門家なのである。
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一部のまとめ ◆「コンクリートから人へ」のウソ 民主党政権やマスコミにより公共事業不要論者が優勢となってしまったが、必要な公共事業はまだまだある。ある統計から、「日本では、GDPに占める公共事業費の比率が、諸外国に比べて高い」という主張がなされることがあるが、対比している年度が異なっており、その主張は成り立たない。 ◆「豊かな街」をつくる 昔は、中心街に住居と勤務先があり、買い物も商店街で済んだ。そのため、交通手段はもっぱらバスや徒歩であった。今では、住居は地代の安い郊外で勤務先は中心街にある。交通手段は主に自家用車となり、買い物はスーパーやショッピングモールに変わり、中心街は衰退してしまった。 このように、日本の都市が寂れてしまった要因について、都市交通研究者が共通して指摘するのが「車」の存在である。よって、北欧の都市のように、中心街から車を締め出すべきである。車を受け入れることを考えると、駐車場と道路が必要となり、多くの土地が必要になる。駐車場が不要なら、その分、公園や百貨店、集合住宅などを造ることができる。車が街なかにいなければ、道路に路面電車を導入したり、オープンカフェをつくったりして、街の魅力を向上させることができる。中心街に魅力があれば、人々は集まってくる。 中心街に、営業車等以外の車両を入れないようにするには、まず、都市の周辺に環状道路をつくる。環状道路沿いに大規模な駐車場をつくり、バスやLRTなどで中心街と結びつけることで、人々を運ぶ。 まちの魅力を高めるためには、電柱の地中化や、車依存からの脱却を訴える公共マーケティングなどがある。 ◆「橋」が落ちる アメリカでは、建設後50年近く経過した橋が相次いで崩落している。日本でも、2010年から、橋の危機が訪れることが予測されている。橋の補修などが行われなければ、アメリカの二の舞となってしまうだろう。 《この前の震災では、茨城県の北浦という湖に架かる橋が崩落し、巻き込まれた方が死亡してしまった。震災後、橋の点検作業が進んでいるか心配だ。》 ◆日本は道路が足りない 中心街において、車は排除すべきだが、人口が少ない都市や地域においては、自動車や道路は生活に欠かせない。渋滞も道路の至るところで発生しており、大きな経済損失を生じている。また、高速道路のネットワークも英・仏・独といった先進国に比べ脆弱である。 ◆「巨大地震」に備える 日本は地震国であるため、小中学校や道路、橋、駅などあらゆる公共施設について耐震補強をすべきである。
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公共工事悪玉論を丁寧に反論し、むしろ公共工事はまだまだ足りないことを論理的に記述している。 港湾の相対的弱化、橋の老朽化の話は説得力あり。
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長びくデフレ不況下の今こそ、本来必要とされる公共事業を大規模に推進すべきだ、という主張がされています。民主党政権のもとで「コンクリートから人へ」というスローガンのもとで進行してきた公共事業費削減について、データをあげながら真っ向から反論しています。震災・原発事故からの復興を使命と...
長びくデフレ不況下の今こそ、本来必要とされる公共事業を大規模に推進すべきだ、という主張がされています。民主党政権のもとで「コンクリートから人へ」というスローガンのもとで進行してきた公共事業費削減について、データをあげながら真っ向から反論しています。震災・原発事故からの復興を使命としつつ、財政再建にも取り組もうとする新・野田政権は、果たしてどの様な進路を取るのでしょうか。
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