1,800円以上の注文で送料無料

オリーヴ・キタリッジの生活 の商品レビュー

4

46件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/10/02

アメリカ北東部の小さな港町クロズビーに暮らす人々。 そんななんでもない、普通の田舎町の住人キタリッジ夫妻。 夫のヘンリーは薬局を営み、妻のオリーヴは学校で数学を教える。 子供は息子がひとり。 全編、キタリッジ夫妻が主人公というわけでもなく、町の住人が主人公の話でも、ほら、町内の人...

アメリカ北東部の小さな港町クロズビーに暮らす人々。 そんななんでもない、普通の田舎町の住人キタリッジ夫妻。 夫のヘンリーは薬局を営み、妻のオリーヴは学校で数学を教える。 子供は息子がひとり。 全編、キタリッジ夫妻が主人公というわけでもなく、町の住人が主人公の話でも、ほら、町内の人は必ずどこかに絡むように、そんな感じで、ちらりと夫妻があらわれたり、話のバイブレーションとなっていたり。 なるほどね。 でも、名前が覚えられず、重なってでてくる住人、あれ?えっとこの人は・・・なんだっけかなぁ〜と、読んでるとそんな感じ。 なにか特別なことがあるわけでもなく、町に暮らす人々の普通の生活。 でも、角度を変えてみると、思いもしない場所に突き刺さるものがあり、読んでいると驚きたじろぐ。 ピアノ弾きの気持ちも、旅のバスケットに寄せる想い、伝線したストッキングをどうしようもなくみつめる想いも、生きていればいろいろあるだろう。 訳者の方のあとがきがよかった。もう一度ゆっくり読んでみたいと思わせる。 *****あとがきから********* どこの町にだって、よく知っている人も、おぼろげにしか知らない人もいるのだから、少しくらい忘れてもかまわないというつもりで、どんどん読んでいただければよいと思う。

Posted byブクログ

2011/09/10

メイン州の田舎町。 海沿いにあり、別荘に来る人もいる。 一見、地味で平和で、そこには濃い人間模様がある。 大柄で変わり者のオリーヴ・キタリッッジは数学教師。 強烈な存在感がありますね。 13の短編のどこかに登場し、しだいに老いていきながら、町の出来事に関わり、時に揺り動かしていく...

メイン州の田舎町。 海沿いにあり、別荘に来る人もいる。 一見、地味で平和で、そこには濃い人間模様がある。 大柄で変わり者のオリーヴ・キタリッッジは数学教師。 強烈な存在感がありますね。 13の短編のどこかに登場し、しだいに老いていきながら、町の出来事に関わり、時に揺り動かしていく。 オリーヴは何があっても自分が悪いとは思わない性格と言われる。 確かにそういう面もあるが、じつは自信満々というのではない。 夫ヘンリーは穏やかでいい人だが、いつしか心は離れがちに。 隣町にある薬局を経営する夫は、店員の若い女性に小さな救いを見いだす。 夫婦とも息子のクリストファーをとても愛しているのに、上手くいかない。 足の医者になったそのクリストファーが結婚する。最初の妻スザンヌは小柄で身綺麗で、何もかもわかったような顔つきの女性。 オリーヴは猛烈に反感を抱く。 息子夫婦は束縛から逃れるように遠いカリフォルニアに引っ越してしまうが、1年ほどで離婚に。 後に再婚した相手アニーはまた正反対で‥? オリーヴ以上に大柄で、性格はいいようだが、父親の違う幼い子供を二人連れ、今度はクリストファーの子を宿している。ちょっと頭が弱そうなのだ。 クリストファーは最初の妻によっぽど懲りたのかという感じだが、家族を持って少しだけは母親に対する態度が変わっていく。 夫のヘンリーが倒れ、病院へ通うオリーヴ。 ちょっとしたことを共にする相手がいないことにしみじみと寂しくなる。 別荘地に住む老人ジャック・ケニソンが妻を亡くしたことを知る。 ウォーキングをする道でジャックが苦しんでいる所を助け、ほんの少しずつ接近していく。 不器用な老人同士のゆっくりしたつきあい。 それでも、ときめきはあるのだ‥ 町で起きる事件もなかなかすごいんです‥ ちょっとしたモチーフの面白さ。 率直で猛烈なオリーヴは時には厳格な教師、時には頼りになる隣人、気さくな友達でもあります。 幾つかの別れに、胸に迫る哀歓。 年を取っていくことの悲哀と寂しさと、ささやかに訪れる静かな充実。 味わい深かったです。 作者は1956年、メイン州ポートランド生まれ。 2008年に発表した本作で翌年のピュリッツァー賞を受賞。 ニューヨーク在住。

Posted byブクログ

2011/08/27

みんな人生のヒーロー、ヒロインなんだよね。映画のように美男美女やどんでん返しやジェットコースター的な展開がなくても。

Posted byブクログ

2011/08/21

読んでいる間に頭が痛くなってきました。 ただたんに風邪をひいているだけかもしれませんけども。 ゆったりとした話で、少し肌寒くなった今日当たりに読めばいいような本だと思いました。 でも、底流に流れる「人の心」を思えば、ずっしりと重くて、すごくヘビーな読み物であることは確かです。 な...

読んでいる間に頭が痛くなってきました。 ただたんに風邪をひいているだけかもしれませんけども。 ゆったりとした話で、少し肌寒くなった今日当たりに読めばいいような本だと思いました。 でも、底流に流れる「人の心」を思えば、ずっしりと重くて、すごくヘビーな読み物であることは確かです。 なんの人生が良いか悪いかなんて。 人の気持ちを神様のように分れるようになりたい。 小物屋さんで商品を手に取るように、その人の心の形が分かれば良いのにと思いました。

Posted byブクログ

2011/08/06

短編を読み進めていくとオリーブ・キタリッジの人生が、ちょっと ずつちょっと ずつ見えてくる。オリーブがなかなか出てこない短編もあって、一体いつになったら出てくるのかがひとつの楽しみになるくらい。 出てくるヒトたちは、みんな哀しいけれど、しゃんと生きてる。そういう話は好きだけれど、...

短編を読み進めていくとオリーブ・キタリッジの人生が、ちょっと ずつちょっと ずつ見えてくる。オリーブがなかなか出てこない短編もあって、一体いつになったら出てくるのかがひとつの楽しみになるくらい。 出てくるヒトたちは、みんな哀しいけれど、しゃんと生きてる。そういう話は好きだけれど、残念なことに最後まで読んでもオリーブが好きになれなかった… なんだかんだ言って、いい人だと思うけど、やっぱり好きじゃないんだよなぁ。

Posted byブクログ

2011/07/29

長い人生にはいろんなことがある。若い頃には想像もつかなかったことがいろいろ。オリーブ・キタリッジという強烈な個性の持ち主を中心として、ひとりひとりの人生が鮮やかに描かれている。短編をつなげる手法が生きた作品。

Posted byブクログ

2011/07/13

読み終わってしまうのがもったいなくて ゆっくりページをめくりました。 この本に会えたことが嬉しいです。 大切な一冊になりました。

Posted byブクログ

2011/06/21

静かな米東部の町に暮らす人々の心に秘めた危うい思い。一見思い通りに生きているように思えるオリーヴすら吐き出せない思いを抱えている。さらりとした印象なのにちょっぴり毒を感じる作品集。

Posted byブクログ

2020/09/07

今日読み終わりました。 なんというか、今まで読んできた小説とは、少し違うものを感じました。 短編集のようでいて、題名であるオリーブ・キタリッジが、中心であったり脇役であったり、色々な登場の仕方をしています。 オリーブは、元数学教師の女性で、息子が結婚するあたりから未亡人となる70...

今日読み終わりました。 なんというか、今まで読んできた小説とは、少し違うものを感じました。 短編集のようでいて、題名であるオリーブ・キタリッジが、中心であったり脇役であったり、色々な登場の仕方をしています。 オリーブは、元数学教師の女性で、息子が結婚するあたりから未亡人となる70代まで時を経ながら登場。 少し違うと感じたのは、構成のせいだけではなく、強烈なオリーブの感情も、ふと対人関係で感じたことでも自分でその場で消してしまうような細かい感情も、せきららに本当に細かく描写されているあたりでしょうか。 いつも批判的に、どんな「いい人」に対してもシニカルに、人間観察しているオリーブ。 作者にとって、オリーブはどんな存在だったんだろう。家族の誰か?自分の代弁者?「書く」という作業についても、途中何度も考えました。 自分の人生の位置は、文中のオリーブの言葉を借りれば「てんやわんやの」育児のまっただ中を抜けたところです。今の体力と残りの残りの時間で、人生の後半をどんな心持ちで生きていくか考えた方がいいなと思っていた今の時期に、読んでよかったです。 でも、自分が20代30代の頃に読んでいたら、何ページか読んでオリーブが好きになれなくて、つまらないと思ったかもしれません。 登場人物が覚えきれなくて、前の方の章に出てきた人物の設定が途中でわからなくなったところもあったので、昨日から読んでいる本を読み終えたらもう一度読んでみようと思います。

Posted byブクログ

2011/02/27

何の変哲もない田舎の生活を描きながら、その中にこちらの胸をぐっと抉るような文章を挿し込み驚かせる。背筋をしゃんとして読むべき作品。

Posted byブクログ