ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上) の商品レビュー
サンデルさんは『これからの「正義」の話をしよう』という本を書いていて、この本がテキストだとすると、こちらは口語体の解説書のようなわかりやすさがある。『これからの…』では、軽く触れられていたところが、詳しくのべられていたりするところもあって興味深い。 巻末に東大で行われた講義のやり...
サンデルさんは『これからの「正義」の話をしよう』という本を書いていて、この本がテキストだとすると、こちらは口語体の解説書のようなわかりやすさがある。『これからの…』では、軽く触れられていたところが、詳しくのべられていたりするところもあって興味深い。 巻末に東大で行われた講義のやりとりが納められていて、これは日本語の動詞が文の終わりに来る、あるいは文の作出が話し手との共同作業であるという特質を際立たせていて、考え方や筋道などにかなり言語のあり方が影響を与えている感触がある。 それから、ふと思ったことだが、カントの思想の領域は政治哲学に本当にジャストフィットしているのか? とは、この本を読んで感じた。たぶん、もっと広い領域を考えた思想ではないか。それよりも、もっというと哲学や思想のジャンル分けがそもそもカントには役立たない感じがしてきた。もちろん、そのような広い領域の思想だから、政治や正義についても当てはまるのだが、だがそれよりも、もっと頭で考えるよりも肉感的な血肉の湧いてくるような部分がカントにはある。だからこそ、カントを据えたことは正しいとは言えるのだが、何かそれをカントに預けてしまっていいのか、何かざらりとしたものが残るとしたら多分そこだ。それは、アルキメデスがでてきても、なにか現実のほうが複雑になってしまい、もうあの幸福な時代には戻れないことが浮き出てくるようなそんな感触と無縁ではない。
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う〜ん、難しい。。。 というのが正直な感想。 有名な「トロッコ問題」から始まり、「正義」、「善き生」とは何かなどを議論していく。 本書はNHK教育テレビ「ハーバード白熱教室」(全12回)で放送された講義を書籍にしたもの。 頭の体操と思って軽い気持ちで読み始めたのだけれど、...
う〜ん、難しい。。。 というのが正直な感想。 有名な「トロッコ問題」から始まり、「正義」、「善き生」とは何かなどを議論していく。 本書はNHK教育テレビ「ハーバード白熱教室」(全12回)で放送された講義を書籍にしたもの。 頭の体操と思って軽い気持ちで読み始めたのだけれど、読み進めるほどに難しさが高まった。 それぞれの章で論じられる個々のテーマについて、自分の意見は賛成・反対どっちだろう?と考え、結論することはできるけど、複数の章(もしくは本書全体)を通して見たときに整合性のある判断になっているのか、全くわからない。。。 高校の時の哲学の授業がわからなさすぎて絶望したのを思い出した。 そんな講義も、ハーバード大の生徒は自分たちの意見をしっかり表明して議論しているのは流石(当たり前か)。 上下巻とも巻末に東大での講義の様子も記載されているけど、やっぱりちゃんと議論している。 普段ほとんど触れる事のない哲学の世界を垣間見ることができたのはよかった。 でもまた別の機会に再読しないと理解は深まらなさそう。 これは本書の内容が悪いのではなく、今の自分に合っていない、力量が伴っていないのだと思う。
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2010年にNHKで放送されたマイケル・サンデルのハーバード大学での講義を文字お越ししたもの。法哲学・政治思想の古典を使った対話型の講義録。トロッコ問題(路面電車問題)・ボード遭難事件で功利主義を学び、リバタリアンの思考を経て、カントの人間の尊厳論・定言命法・仮言命法の理解までが...
2010年にNHKで放送されたマイケル・サンデルのハーバード大学での講義を文字お越ししたもの。法哲学・政治思想の古典を使った対話型の講義録。トロッコ問題(路面電車問題)・ボード遭難事件で功利主義を学び、リバタリアンの思考を経て、カントの人間の尊厳論・定言命法・仮言命法の理解までが上巻。われわれも制限されている(自由・生命・幸福に対する権利は不可譲)ことが政府が制限されることの根拠というロックの神髄とかもサラっと解説される講義は圧巻。
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このタイトルではなにが学べるのか、なにが論じられているのかわからない。タイトル大事。 【議論のしかたについて】(p28など) 個々のケースについて判断し、そのうえでその判断の理由ないし原理を見出だそうとする。そして新しいケースを検討し、原理を見直していく。 『最悪のシナリオ』に...
このタイトルではなにが学べるのか、なにが論じられているのかわからない。タイトル大事。 【議論のしかたについて】(p28など) 個々のケースについて判断し、そのうえでその判断の理由ないし原理を見出だそうとする。そして新しいケースを検討し、原理を見直していく。 『最悪のシナリオ』にも似たこういうアプローチで、原理原則ひいては政策を、作っていくことができないものか…。 【正義(もしくは倫理?)の判断のあり方】(p44など) 全体を通してこれを論じている。全体効用の最大が全てでないのだとしたら? 自分の身の自身にあるべきとする「リバタリアニズム」が上巻ではながく取り扱われたが、それには正直あまりぴんとこず、ラストの方にでてきたカントのいう「全ての人間が尊厳をもつ」という考え方の方が、自分は与したいと思った。これについて下巻でちゃんと扱われるようならむしろ下巻はたのしみ。 正直いって、ながく続いたロックによる自然権(神の所有物であり、生存するように作られているという考え)とかの議論は冗長にさえ思えたので。 【命の値段の議論】(p53,165など) この話がありそうだったから楽しみだったけど、あまりウェイトは割かれていなかった。 ただ、タバコの収益増の一方で、早死による年金や医療費減(節約)という議論は、斬新だがおそろしく感じた。政策論としては、あってよいパースペクティブだな。。 一方、フォード車の燃料タンクの位置の検討は、死や事故を防ぐことの価値の議論としては面白い。 あとは、南北戦争の兵役免除の話は、リスク回避意向からの検討ということで、『最悪のシナリオ』のサンティーンにも近い考え方だし腑に落ちた。
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おもしろくてびっくりした。なかなか難しい内容なのに、ぐいぐい引き込まれる。 確か読んだのは10月だったが、正確な日付は忘れた。
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No out of the answer to a problem 答えの出ない、正解のない問題をわかりやすく、色々な考え、意見を尊重しながら 議論を収斂させていく教授のレクチャーは考える姿勢を学ぶだけでなく、人への接し方についても勉強になります。(ひぃさん)
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哲学から色々参考にしたくて読み始めた。大学の講義に参加しているような臨場感があり、かつ、内容もわかりやすい。色々な考えがあり面白い。哲学についてもっと知りたくなった。
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サンデルブームを引き起こしたNHK教育テレビの「ハーバード白熱教室」の第1回~第6回、サンデル教授来日時の東京大学特別授業の前編の講義録が収録されている。 卑近な事例をもとに学生との対話形式で進むサンデル教授の授業は、まさに「白熱教室」であり、本で読んでいても講義の熱気、面白さが...
サンデルブームを引き起こしたNHK教育テレビの「ハーバード白熱教室」の第1回~第6回、サンデル教授来日時の東京大学特別授業の前編の講義録が収録されている。 卑近な事例をもとに学生との対話形式で進むサンデル教授の授業は、まさに「白熱教室」であり、本で読んでいても講義の熱気、面白さが伝わってくる。 上巻では、主に功利主義、リバタリアニズム、ロックの思想、カントの思想が取り上げられている。個人的には、問題点はいろいろあることを承知のうえで功利主義に魅力を感じる。一方、カントの定言命法の議論については、理解はするが、納得はできなかった。
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哲学的問題に挑む理由 この本は2010年にNHKで白熱教室として放映され反響の大きかったマイケル・サンデル教授の講義の講義録の前半となっている。巻末には付録として2010年8月に東大安田大講堂で行われた講義録の前半として,イチローの年俸が適正かどうかの議論も収録されている。 ...
哲学的問題に挑む理由 この本は2010年にNHKで白熱教室として放映され反響の大きかったマイケル・サンデル教授の講義の講義録の前半となっている。巻末には付録として2010年8月に東大安田大講堂で行われた講義録の前半として,イチローの年俸が適正かどうかの議論も収録されている。 講義録とは別に,マイケル・サンデルがこの講義の内容をまとめなおした『これからの「正義」の話をしよう』という書籍も出版されている。こちらのほうが,より詳しい議論がされているので,この講義録だけでは物足りない人やもっと知りたい人,あるいは哲学の勉強とするならこちらをおすすめする。しかし,「これからの」でもこの講義の内容が言及されているので,講義録も読んでおいたほうがいいかもしれない。 講義録の方では,実際の講義の内容のようで学生とサンデルの議論がみれ,読み物としても面白くなっている。気軽に読めてこれはこれでいいと思う。 ちなみに私は,既にYoutubeで公開されている動画で全講義を閲覧し,「これからの『正義』」や「それをお金で買いますか」,「サンデルの政治哲学」など白熱教室に関連したサンデルの書籍は既に読了済み。動画では発言内容などうろ覚えなので,書籍として文字で書き起こされたことで記憶が呼び起こされ,また後で参照しやすくなった。 上下巻に共通して,小林の解説がやや物足りなかった。短い時間であり,余計なことはいわないで最小限の解説に務めたらしいのでしかたないが…。 上巻では主に,功利主義と自由原理主義(リバタリアニズム)について議論されている。ともに現在の経済学のベースとなっている考え方で,日常生活でもありふれた考え方だ。有名な暴走列車の例や徴兵制の議論など活発な議論やサンデルによる過去の哲学者の考え方の解説など面白かった。講義が収録された2005年はちょうどブッシュ政権でイスラム戦争のまっただ中。徴兵制の議論などは真剣味が伝わってきた。 上巻で最も印象的だったのは冒頭のpp .24-26で,なぜ哲学に挑むのかをサンデルが説明していたところだ。 哲学は,私たちに常識や約束事,なんとなく「そうだ」と信じていることに疑いを抱かせる学問だ。しかし,「何世紀にも渡って哲学者が議論してきたけれど,何も解決しなかった。我々に解決できるわけがない。」という懐疑主義の声もある。 これに対して,これらの問題の解決は不可能であっても,日常生活で直面する問題であり議論を避けることはできない。カントの言葉を引用してこれらの問に挑み続ける理由を説明されていてよいなと思った。 「懐疑主義は人間の理性の休息所である。そこは独善的なさまよいを熟慮できるところだ。しかし,永久に留まる場所ではない。単に懐疑主義に同意しても,理性の不安を克服することは決してできない」
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いやー面白い。最初からぐんぐん引きこまれていきます。哲学の話だが、講義を文章にしているので非常に読みやすいし生徒とのやり取りが非常に面白い。これはオススメです。
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