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子ども虐待 の商品レビュー

4.2

10件のお客様レビュー

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2022/12/27

この本は今で考えると、1世代前に書かれたものだ。日本でどのようにして虐待が問題化されてきたか、その問題だけでなく、子どもの内面に渦巻く問題がどのように世の中に可視化されてきたかを知ることが出来る。トラウマ治療やプレイセラピーの先駆けを知ることができるだろう。 いまでは当たり前と...

この本は今で考えると、1世代前に書かれたものだ。日本でどのようにして虐待が問題化されてきたか、その問題だけでなく、子どもの内面に渦巻く問題がどのように世の中に可視化されてきたかを知ることが出来る。トラウマ治療やプレイセラピーの先駆けを知ることができるだろう。 いまでは当たり前となっているPTSDという症状の基準やどのように作られたかなど、背景まで書かれているため治療例まで知りたい方は必読。

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2021/11/09

私にとって親の言葉には常に「謎」と「嘘」がありました。そのクイズに正解しないとたちどころに激怒され、物を投げつけられるため、必死で正解を探していました。 自分でも何がおかしい。そしておかしいのは自分だと信じて疑っていませんでしたが、おかしいのは両親だと気付いても、まだ何かが嫌で...

私にとって親の言葉には常に「謎」と「嘘」がありました。そのクイズに正解しないとたちどころに激怒され、物を投げつけられるため、必死で正解を探していました。 自分でも何がおかしい。そしておかしいのは自分だと信じて疑っていませんでしたが、おかしいのは両親だと気付いても、まだ何かが嫌で怖くて仕方が無いと感じています。 子どもから大人になると、嫌でも大人が相手のコミュニケーションが主となるので、嫌でも両親の幻を相手に見てしまいます。 虐待をする親の心理の解説が非常に興味深いものでした。子どもに子育ては出来ないという理由がわかりました。

Posted byブクログ

2018/11/01

虐待を受けた子どもの心理の「専門家」である著者が、子どもの虐待とはどういうものか、子どもを虐待してしまう親の心理とはどういうものか、また、虐待を受けた子どもをどうケアしていくかといったことについて解説。 子ども虐待について、心理学的側面から理解するのに、優れた本だと感じた。特に、...

虐待を受けた子どもの心理の「専門家」である著者が、子どもの虐待とはどういうものか、子どもを虐待してしまう親の心理とはどういうものか、また、虐待を受けた子どもをどうケアしていくかといったことについて解説。 子ども虐待について、心理学的側面から理解するのに、優れた本だと感じた。特に、虐待を受けた子どもがどういう心理的影響を受けるのか、そこからどう回復させるかということについては、ほとんど知見がなかったので、とても勉強になった。

Posted byブクログ

2013/10/03

「虐待」のことばが持つ、ある意味でキャッチーな面があるという印象からこの言葉を無意識にに避けつつあったように思う。西澤先生のこの問題への取り組み方は、子どもだけでなく虐待をしてしまう親の心理、虐待をされた子どもの予後ともいえる心理変化をも含有した視点であり共感を覚える。そして、こ...

「虐待」のことばが持つ、ある意味でキャッチーな面があるという印象からこの言葉を無意識にに避けつつあったように思う。西澤先生のこの問題への取り組み方は、子どもだけでなく虐待をしてしまう親の心理、虐待をされた子どもの予後ともいえる心理変化をも含有した視点であり共感を覚える。そして、この問題がはらむ中長期的な損失の大きさを思うと、子ども虐待の根深さ、罪深さに改めて震撼する。

Posted byブクログ

2013/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

虐待の臨床心理に30年取り組んだ筆者による、子供虐待の入門書。 社会問題としての虐待は、「虐待死」というセンセーショナルな事件から振り返る「身体的虐待」や「ネグレクト(ろくにご飯も与えられていなかった、など)」、安易に使われ始めた「DV」が有名だし、急性期病院の医療機関では、「体の痣」とか「原因のわからない頭の出血」とか「怪我ではない骨折」とかを見たら虐待を疑え、という教育がなされるため、医療者は我先にと「虐待」という診断をつけたがる。  しかし、おそらく多くの虐待は、泣き寝入りされ表沙汰になることも少ない「性的虐待」や「心理的虐待」であり、それによるトラウマ反応は、その子供の発達段階に応じて変化し、さらに解離や性的逸脱、人格→アイデンティティの問題と多岐にわたる症状を慢性的に引き起こし得る。  アタッチメントの3パターン、イメージの内在化、トラウマ記憶の物語記憶への変換など、プレイセラピーや暴露療法などの心理療法の持つ認知的意味を、虐待による障がいと併せて述べられているので、医療者にとってもとても実践的な本となっている。  縁あって虐待を含む「家庭環境の問題を抱える子」と関わるようになって、その問題行動の多様性と、その背景の複雑さに驚かされる。しかし1つだけ言えることは、子供の反社会行動や不適応行動は、そのほとんどが人との関わりの中で生じたものであり、接し方を少し工夫するだけで改善する可能性のあるものであるということだ。本人の性格や特性のせいにするのではなく、子供に関わる人すべてが知っておいて良いことだと思う。  

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2012/09/06

日本医師会のシンポでご一緒させて頂きました。虐待を受けてきた子供へのアプローチ、やはり大変なことだと再認識しました。一次予防、すなわち、妊娠中からの、もっといえば妊娠前からの対応を、という自分の方向性が間違ってはいないという想いを再確認しました。

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2012/08/01

虐待を受けたこどもの心理状態、親の心理、こどもの治療論など。 後半は虐待によるトラウマ。西澤哲さんの本を読んだことある人なら、後半はほぼ読み飛ばしか。 生涯にわたってのケアが必要と言及しているからには、大人の治療論に焦点をあてた文献もいつか必ず出してほしい。お願いします。

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2012/02/08

ノートにはいっぱいメモをとったのですが、ここには簡単に一つだけ。 「しつけ」は、「我慢を覚えさせる」ことじゃないんだって。「不快」の状態に陥った子どもが「快」の状態に回復できるよう、養育者が刺激を与える営み、なの。この言葉が、私にとってはとてもしっくりきた。今年5冊目にして、今年...

ノートにはいっぱいメモをとったのですが、ここには簡単に一つだけ。 「しつけ」は、「我慢を覚えさせる」ことじゃないんだって。「不快」の状態に陥った子どもが「快」の状態に回復できるよう、養育者が刺激を与える営み、なの。この言葉が、私にとってはとてもしっくりきた。今年5冊目にして、今年第2回目のヒット。 だからね、日本の巷でみんながやってる「しつけ」は、本当は子どものためになっていないことも多いかもしれない。 大切なのは我慢じゃない。自己調整できる人間に育つかどうか、なの。

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2010/12/25

少し専門的かな・・・とも思ったけど、新書でもあり、素人の私にでも読める程度であるのでそんなに話は難しくない。むしろ、臨床心理や精神医学といった「こころ」を切り口としている本は新鮮だった。 児童虐待における被虐待児や虐待者の心理的プロセスが、臨床の現場を通した実務的な観点から書か...

少し専門的かな・・・とも思ったけど、新書でもあり、素人の私にでも読める程度であるのでそんなに話は難しくない。むしろ、臨床心理や精神医学といった「こころ」を切り口としている本は新鮮だった。 児童虐待における被虐待児や虐待者の心理的プロセスが、臨床の現場を通した実務的な観点から書かれている。その道に進もうと思っている人はぜひ読んでほしい。そうでなくとも、児童虐待を受けた子供の思考や心の動きやその治療、対処の一例が垣間見える、虐待問題や心理学に興味のある方にも読んで欲しいと思う。 保護者からの安心感(アタッチメント)を適切な時期に得られなかった人は長いことその影響から脱することができない。子供を育てるには親や保護者が子供を安心させることが非常に重要であるといった本書の記述は、育児書などにも同様な点が記載されている点でもあり、親としての立場でも参考になった。

Posted byブクログ

2010/11/30

 児童虐待問題に長年携わっている人が書いた本だけあって、膨大な知識と豊富な経験がミックスされた読み応えのある内容になっている。性的虐待をする親の心理について論じている箇所があるんだけど、僕はその新しい考えに衝撃&納得だった。

Posted byブクログ