死なない生徒殺人事件 の商品レビュー
新任教師が伝統ある学校で聞いた永遠の命を持った生徒がいるという噂。 そんな生徒と友達になりたいという女生徒と話している時に声をかけてきたのは、 噂の永遠の命を持つ生徒だった……というお話。 設定だけで凄いワクワクする、とても野崎まどっぽい。 永遠の命。つまり不死というのはありえ...
新任教師が伝統ある学校で聞いた永遠の命を持った生徒がいるという噂。 そんな生徒と友達になりたいという女生徒と話している時に声をかけてきたのは、 噂の永遠の命を持つ生徒だった……というお話。 設定だけで凄いワクワクする、とても野崎まどっぽい。 永遠の命。つまり不死というのはありえないと誰もが思う。 ただ定義の問題とも言える。そしてこのお話には実際に永遠の命が出てくる。 出てくるが……これがフェアとも言えるしアンフェアとも言える。 自分は凄く良かった。嘘もついてないし理論上今の科学でも可能だから。 現実的な謎が超常的なトリックで解かれない限り、 超常現象は存在しても物語に齟齬は起きない。 火を使う超能力者がいて事件を起こしても、制約があり証拠があり 事件を解決出来れば問題ない。ぼんやりとした例えだけれど、 この本はそういう話だと思う。 永遠の命なんてあるのか? ないよな? あるかも……。 あった! いやないのかよ あんの!? という感情をコロコロ変えながら、 付属的に発生した殺人事件を解き明かす。 変化球というか、ファンタジーミステリが好きならおすすめです。
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死なないんだからゾンビみたいな物かと手に取った感じ。 「ネタバレ」スイッチを入れて踏み込んだ感想を…。 自分で自分を騙すというのはどういうことになるのだろうか。 イタズラをされたことを認識しつつ、翌日はイタズラされたことに気付かない自分でイタズラを受け、そのイタズラに気付かない。 そんな辺りを感じた。 面白い構造の話で、一見ミステリと親和性が高そうではあるが、ある程度の構造は見抜かれてしまうので…。 この設定でもっとSF寄りな展開が読みたかったような気がする。 著者の他の作品も気になった。
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野崎まどの 当レーベルでの3作目で、 2023年に読んでる今としてはシリーズ?と言う感じではありますが、 当時はそういうことはないと思われる。 永遠の命を持つという生徒がいるという噂がある女子校・藤凰学園に 再就職した伊藤先生に待ち受ける運命?出来事とは何なのか。 ジャンルが良...
野崎まどの 当レーベルでの3作目で、 2023年に読んでる今としてはシリーズ?と言う感じではありますが、 当時はそういうことはないと思われる。 永遠の命を持つという生徒がいるという噂がある女子校・藤凰学園に 再就職した伊藤先生に待ち受ける運命?出来事とは何なのか。 ジャンルが良くわからない状態で読み終えました。 タイトルに殺人事件と書いているのでミステリーやサスペンスだと 思っても、死なない生徒というのも気になるところで、 死なないのにサスペンス?ってなるし、よみがえりとかなら、 ホラー?ファンタジー?SF?ってなるしで、結果的に複合的な作品 ってことで、野崎まどワールドってことになるのかな(笑)。 読み終わる直前の流れが謎を含んで理解が十分じゃないので、 6作目の「2」という作品への布石として、あと2作を読み、 「2」を読むことで、何かしらの謎が解けることと期待したい。 ちなみに、この作品およびレーベルは、ライトノベルではなく、 ライト文芸ですので、勘違いしてる人がいたら、覚えてください。
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単独で読んだらピンと来なかっただろう謎も、前2作を踏まえればメタ推理ができるようになる。これは全くの無から新しく”野崎まど印”を作り出そうという試み? ”お約束”の枠組みからメタ的に見ると、「ヒロイン格っぽい女性と別に仲良くならない」という展開自体めんどくさくなってるようにも感じ...
単独で読んだらピンと来なかっただろう謎も、前2作を踏まえればメタ推理ができるようになる。これは全くの無から新しく”野崎まど印”を作り出そうという試み? ”お約束”の枠組みからメタ的に見ると、「ヒロイン格っぽい女性と別に仲良くならない」という展開自体めんどくさくなってるようにも感じられて面白い。
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本棚で見つけたので、数年ぶりの再読です。相変わらず面白かったです。 ページ数はそんなに多くないのに対し、内容はしっかりとしていて「なるほど…?」てなります。 かなりテンポよく物語が進み、文体も軽くかなり読みやすいので飽きません。サクサク進みます。気がついたらクライマックスでし...
本棚で見つけたので、数年ぶりの再読です。相変わらず面白かったです。 ページ数はそんなに多くないのに対し、内容はしっかりとしていて「なるほど…?」てなります。 かなりテンポよく物語が進み、文体も軽くかなり読みやすいので飽きません。サクサク進みます。気がついたらクライマックスでした。 難しくて、理解したようなしてないようなよく分からない気持ちになりながら読み進めたら驚かされました。これは勝てない…。真相がわかったと思い、余韻に浸ってたらゾワッとしました。 難しすぎるわけではないのだけれど、簡単なわけでもなく…理解出来ているような、出来ていないような…不思議な感覚の読後感です( ˶ˊᵕˋ)
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シリーズを連続して読んでいます。 よくこんなにバラエティーに富んだストーリーを次から次へと思いつくなぁ、と感心する次第でです。次が楽しみですが、なぜ読む順番が大事なのか、いまもって全然わかりません(ちゃんと読む順番を守ってよんでますが、わからないです)。
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2010年刊行。こちらも安定の出来栄え。ただ、殺人の描写があるため、前2作と違うグロテスクさがあった。
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永遠の命の正体は、意識の共有。しかも共有の方法が「教え合う」というアナログな方法。それも凄いな。たまちゃんは、本当に永遠の命=不死って事なんだよね? 野崎まどは、大体オカルトではなく説明が出来る現象のネタバラシ、後に超常的な現象ってパターンだよね。なんだかんだで、楽しく最後まで読んじゃうけどw 「三角形と四角形の間の図形」 「四角形と五角形の間の図形」 概念すごw
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このウィットに富んだ軽めな感じ、好きだな。他の野崎作品も読んでみたいと思う。「死なない&殺人」といえば、山口雅也『生ける屍の死』を連想するけれど、あちらはもっと重い話だったような。古典落語を知らないので「猫の皿」には落語の醍醐味みたいなものを感じ、「うまい」と思わず膝を打った。バーベキューで天名が伊藤のために肉を取りに行ったくだりや、中等部寮と高等部寮の横断幕でのやりとりが最高にウケる。声を出して笑ってしまった。変換ミスみたいな笑いはかな漢字変換の登場によって作りやすくなったのかもしれない。昔は作家の頭のなかだけが頼りだったのかと。でもこれは出てこないな。「銚子全摘(超自然的)」「チョーカー学的(超科学的)」。天名のキャラと相まっていい感じ。
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ちょっと異質な推理小説。 不死だと自己紹介した側から殺害される識別組子。 その矛盾の殺人事件もさることながら、 「不死の人間」という、どうやっても有り得ない謎に、 最後には、"納得"の理路整然とした答えと"迷宮"を提供する作品。 純粋に面白...
ちょっと異質な推理小説。 不死だと自己紹介した側から殺害される識別組子。 その矛盾の殺人事件もさることながら、 「不死の人間」という、どうやっても有り得ない謎に、 最後には、"納得"の理路整然とした答えと"迷宮"を提供する作品。 純粋に面白かった。おすすめ。
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