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バウドリーノ(下) の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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2022/08/21

フリードリヒの死の真実は偽りで、バウドリーノは無実の人間を殺しただけだった。生涯をかけて追い求めた聖ヨハネの王国は存在せず、聖杯は自分自身で捏造した偽物だ。 バウドリーノがまだ幼かったころ、彼の師が言った通り、バウドリーノの生涯は美しい嘘に満ちたものになった。

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2019/06/24

人間の創造力と想像力をシニカルな視点で描きつつ、果たしてそれを書いている自分も後世の大捏造者とする作者。 世界は同心円状に広がるメタフィクションかなのかも?と思わせる壮大なファンタジー。

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2018/08/26

ウンベルトエーコ 「 バウドリーノ 」中世ローマの司祭ヨハネ伝説のパロディー。「歴史は神が作るもの」というキリスト教的歴史観や神学論争(無神論、三位一体説)を批判? 歴史は神が作ったものというキリスト教的歴史観の批判 *バウドリーノが語る嘘(未来)が 現実になる=神が語る(ま...

ウンベルトエーコ 「 バウドリーノ 」中世ローマの司祭ヨハネ伝説のパロディー。「歴史は神が作るもの」というキリスト教的歴史観や神学論争(無神論、三位一体説)を批判? 歴史は神が作ったものというキリスト教的歴史観の批判 *バウドリーノが語る嘘(未来)が 現実になる=神が語る(またはイエスが語る)言葉が 現実になる *最後は 嘘が現実にならず 悲劇へ 父と子の関係(神とイエスの関係)で物語が展開 *フリードリヒとバウドリーノ、実父とバウドリーノ *バウドリーノと子、バウドリーノとニケタス 神学論争の批判? *三位一体説(父、子、精霊)から 神を定義できない *神は目的なき意思〜存在する 存在しないとも言えない

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2017/07/26

終わったかに見えたバウドリーノの旅は終わらず、聖杯の探索は闇に消え、聖ヨハネの国は東方に鎮座し続ける。

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2017/04/02

下巻は、バウドリーノが司祭ヨハネの王国目指す話が中心となり、上巻と違って幻想的・空想的な雰囲気になる。そして、最後にコンスタンティノープルに戻り、上巻初めのニケタスに出会うところまで戻ってくる。 「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」と異なり、圧倒的な量の知識が繰り出される感じで...

下巻は、バウドリーノが司祭ヨハネの王国目指す話が中心となり、上巻と違って幻想的・空想的な雰囲気になる。そして、最後にコンスタンティノープルに戻り、上巻初めのニケタスに出会うところまで戻ってくる。 「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」と異なり、圧倒的な量の知識が繰り出される感じではなく、期待していたエーコらしさはなかった。冒険譚という色彩が強く、自分としてはそこまで好きにはなれなかった。

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2013/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中世とキリスト教の膨大な知識を元に楽しんで書いたんだろうなーとは思うものの、面白いというにはイマイチ...。自分のレベルがそこまで到達していないということか。

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2012/12/11

下巻は一気読みでした!もう愉快で楽しくて。 中世エッセンスがてんこ盛り。 キリスト教の世界観に科学や哲学、市場で売ってる怪しい薬に東方魔境の世界とかとか。個人的には「真空」についての議論と聖遺物についての諸々のエピソードが楽しめました。あの超有名な聖遺物が出てきたときは思わずニヤ...

下巻は一気読みでした!もう愉快で楽しくて。 中世エッセンスがてんこ盛り。 キリスト教の世界観に科学や哲学、市場で売ってる怪しい薬に東方魔境の世界とかとか。個人的には「真空」についての議論と聖遺物についての諸々のエピソードが楽しめました。あの超有名な聖遺物が出てきたときは思わずニヤリとしましたよ!最後には密室殺人?の謎ときまで。ここでは、謎解きの冷酷さを見ました。私はミステリ好きだけど、解けない謎があってもいいのになあ…としみじみ思いました。 あとがきにもありましたが、ほんとにエーコ先生楽しんで書いているのが伝わってくるお話でした。 参考文献も読んでみたくなりましたが、難しそう…。

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2012/09/26

というわけで、本書を読むにあたって「読んでおいてよかった本」リストです。 「中世の覚醒―アリストテレス再発見から知の革命へ」 リチャード・E.ルーベンスタイン なんといってもこの本はオススメ。 古代ギリシャの知がヨーロッパにどのようにもたらされたかということが編年的に書かれて...

というわけで、本書を読むにあたって「読んでおいてよかった本」リストです。 「中世の覚醒―アリストテレス再発見から知の革命へ」 リチャード・E.ルーベンスタイン なんといってもこの本はオススメ。 古代ギリシャの知がヨーロッパにどのようにもたらされたかということが編年的に書かれているので、キリスト教世界とイスラム世界の関係、中世の東方世界の全体像が俯瞰できますが、何よりバウドリーノの最後の恋人ヒュパティアについて深く知ることが出来ます。 「数量化革命」  アルフレッド・W・クロスビー どちらかというと「中世の覚醒」を読むならこっちも、という感じではありますが、中世ヨーロッパ人の感覚、特に空間感覚、要するに地図というものがどういうものであったかが理解できます。 「聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社選書メチエ)」 秋山聰 バウドリーノたちが「司祭ヨハネの王国」を探す旅に出る時にお土産に持っていった「洗礼者ヨハネの首」を始めとする聖遺物の数々が、現実の中世ヨーロッパでどのように成り立ち、まちどのような役割を果たしたかを知る上で格好の一冊。 そのほか、中世騎士物語、ボルヘスの幻獣辞典など、エーコの碩学には遠く及びませんが、知の宝箱のようなエーコの作品の構成要素を少しでも解体できれば、また楽しみ方も変わってくるものと思います。

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2012/01/05

上巻が歴史からの引用を中心に編まれた物語だとすれば、こちらは中世の伝記・伝奇を軸にした物語。一気に読めました。

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2011/12/29

自分なりのガリバー旅行記が書きたかったのか、むしろ「黒死館」を想起させるか。ミステリ的味付けはあるがミステリに分類しないほうが良いだろう。

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