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昼の家、夜の家 の商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

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2011/02/01

110201*読了 初のポーランド文学。図書館でなんとなく惹かれて手にとったのですが、その後すぐに毎日新聞の書評に取り上げられていてびっくりしました。ポーランドの端のとある村の物語。だけではなくて、本当にさまざまなものが組みこまれていて、神話あり、レシピブログありな、こんな小説っ...

110201*読了 初のポーランド文学。図書館でなんとなく惹かれて手にとったのですが、その後すぐに毎日新聞の書評に取り上げられていてびっくりしました。ポーランドの端のとある村の物語。だけではなくて、本当にさまざまなものが組みこまれていて、神話あり、レシピブログありな、こんな小説ってあり!?と思ってしまう、その変わった形式がすばらしい小説です。東欧の文学に触れることってあまりないのですが、これからは要チェック。

Posted byブクログ

2011/01/10

チェコとの国境にあるポーランドの土地(ノヴァ・ルダとその周辺)を舞台とする、様々な物語をコラージュし、シャッフルし、再構築したような、少し不思議な、そして目眩のするような印象の物語。タイトルの「昼の家」は、人間の意識、「夜の家」は夢や深層意識を指す、と、訳者解説にはある。 不思...

チェコとの国境にあるポーランドの土地(ノヴァ・ルダとその周辺)を舞台とする、様々な物語をコラージュし、シャッフルし、再構築したような、少し不思議な、そして目眩のするような印象の物語。タイトルの「昼の家」は、人間の意識、「夜の家」は夢や深層意識を指す、と、訳者解説にはある。 不思議と「足場のしっかりとした不安定さ」という、矛盾したものを感じる小説でした。どこかフワフワとつかみ所がない感じ。そう感じるのは、舞台となっている(或いは、それこそが主役と言えるかも知れない)「土地」が、時代により帰属する勢力が定まっていないということにあるかも知れない。 そして、死の影が常につきまとう。人は生きて、当たり前のように死ぬ。究極的に単純な意味による生の延長線上にある死に、多く彩られている印象。人は死に、しかし生き続けるようななにか。 読んでて一番危うさと怖さを感じるのがどこだったかといえば、明らかにキノコ料理のレシピ。 本当に、単純に、キノコ料理のレシピが書かれているだけにもかかわらず、あれほど生と死を紙一重に感じる描写も或いは無いのじゃいかしら? 重要なモチーフたる「キノコ」を、調理するために刻む描写ですら、くらくらするくらい死を感じる。そして、なにかエロティック。 実は、聖人伝のターンの「おわり」に、ちょっとしたショックを受けてしまって、ちょっと傷が深いかも(笑)2回目を読んで、展開がわかっていても、心がちくりと刺されるようだった。 しかし、『聖人伝の語り手の物語の第一版』では、その死についてハッキリと書かれているも、『第二版』では、伝説生を帯び、その終わりに言及がなく、各地を放浪した(いわば、数百年たった今でもその旅は続いているんではないだろうかと解釈出来なくもない)とされる終わり…「物語を語る者は、永遠に生きている。彼はいわば不滅なのだ。その存在は、時間を超えていくのである」この締めにクッと来た。 トカルチュクの別の作品の邦訳も出ると良いなーと思う。

Posted byブクログ

2011/07/19

個人的には「怒濤の読書」という体調でもないので、少しずつ読みながら、まだ読了してはいない。刊行は2010年だから「今年(去年?)の1冊」に入れるわけにもいかない。でも、とってもいい本に出会った、というような感覚は、確かに、ある。昨年末にいただいた図書カードは、これに使ったんだ、だ...

個人的には「怒濤の読書」という体調でもないので、少しずつ読みながら、まだ読了してはいない。刊行は2010年だから「今年(去年?)の1冊」に入れるわけにもいかない。でも、とってもいい本に出会った、というような感覚は、確かに、ある。昨年末にいただいた図書カードは、これに使ったんだ、だから大事にするんだ。カヴァーもいいなあ、「キノコが重要モチーフ」って言われたら、私、抗うわけにはいかないじゃん。何分の一か読んだだけなのに☆5つにします。そのへん、みなさんはご勘案ください。

Posted byブクログ