昼の家、夜の家 の商品レビュー
寓話的な物語の中に、示唆的な言葉がちりばめらている不思議だけれど機知に富んだ小説だった。一つの物語に社会やジェンダー問題だけでなく、国や世界の歴史までも内包していて、作品としての厚みに圧倒される。
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ポーランドの小説。ポーランドと言えば、ワルシャワ蜂起など、ナチス・ドイツに踏み荒らされた哀れな国というイメージや戦後は国力が衰えていった東欧の共産主義国家というイメージが強い。そのイメージが出て来ることも出て来ないこともある。つまり、そこでは死が描かれるけれど、政治的なもの、人為...
ポーランドの小説。ポーランドと言えば、ワルシャワ蜂起など、ナチス・ドイツに踏み荒らされた哀れな国というイメージや戦後は国力が衰えていった東欧の共産主義国家というイメージが強い。そのイメージが出て来ることも出て来ないこともある。つまり、そこでは死が描かれるけれど、政治的なもの、人為的なものもあるし、自然とともに生きているかぎり避けられないものもある。国境を越えて人が入って来るせいもある。しかし、突如降りかかる死を描いたとしても、文体時代はけっして暗いものではない。達観して諸行無常を受け入れているかのようだ。
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いつも朝の通勤時間に読んでいるのだが、しまった、普段より仕事が立て込んでいる時に読んでしまった。もっと気持ちに余裕がある時に読むべきである。 美しい文章、軽やかなリズム、どんどん読み進められるのだが、頭の中は他のことで一杯なので、入って来ない。作品が悪いわけでなく、状況が悪かった...
いつも朝の通勤時間に読んでいるのだが、しまった、普段より仕事が立て込んでいる時に読んでしまった。もっと気持ちに余裕がある時に読むべきである。 美しい文章、軽やかなリズム、どんどん読み進められるのだが、頭の中は他のことで一杯なので、入って来ない。作品が悪いわけでなく、状況が悪かった。 とある土地の姿?を、幾つもの層に重ねて表現されている。表面的な現実は単純にこうだが、そのためにはアレでソレもあってコレにもなる、という話。 嘘はついていないが、事実を書いているわけでもない。
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一見関係がなさそうな断章が続き、最初はこのまま全体像がどうなっていくのか不安になるが、わたしとR、わたしと隣人のマルタ、聖人マクーニス、マクーニスの伝記を書いたパスパリス、きのこ料理のレシピなどが緩やかに関係しながら、話が続いていく。読んだことのない、詩のような神話のような小説。
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全容が見えない短編が続く、少し悪夢的な雰囲気もあり、ラテンアメリカ文学のような雰囲気もあるがもっとジメッとしている。そして徐々に、それぞれの話がつながっていたり、とぎれとぎれに続いたりしていることに気づく。不思議な魔術的魅力を持った本。なにかとても大切なことが書かれている、と感じ...
全容が見えない短編が続く、少し悪夢的な雰囲気もあり、ラテンアメリカ文学のような雰囲気もあるがもっとジメッとしている。そして徐々に、それぞれの話がつながっていたり、とぎれとぎれに続いたりしていることに気づく。不思議な魔術的魅力を持った本。なにかとても大切なことが書かれている、と感じるが、軽く、不安定で、頼りない。もっとこの作家の本を読みたい。
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久し振りにオルガ・トカルチュクの長編を手に取りましたが、そうそう、こうだった…。 断片的なおはなしの連続で、切れ端がどこかで繋がっていて、少し不思議で、怖くて、奇妙で、悲しい。 はまらない人にはうーんかもだけど、はまる人にはものすごく響くと思う作品世界。
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とても良かった。長い間放置していたんだが、じゃあ昔に手に取っていたら、同じように刺さっていたのかと思うとよくわからん。読書とは作家と読み手の共同作業であり、どちらにも敬意があるべきと思っている。大抵の本に対して距離感断絶感を感じ憤慨して終わるのだが、この本にはとても共感した。テー...
とても良かった。長い間放置していたんだが、じゃあ昔に手に取っていたら、同じように刺さっていたのかと思うとよくわからん。読書とは作家と読み手の共同作業であり、どちらにも敬意があるべきと思っている。大抵の本に対して距離感断絶感を感じ憤慨して終わるのだが、この本にはとても共感した。テーマな人間として生きる上での理想と現実。社会人としてこうあるべき姿と、野生の生き物として、裸で森で駆け回り、酒池肉林の世界に生きる。その狭間で距離に怯える人々。日々の生活は残酷にそして退屈に厳しく一人一人に訪れ、心と体を蝕んでゆく。
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ポーランドとチェコの国境にある架空の町ノヴァ・ルダに移り住んだ主人公が隣人との会話や日常生活、夢の話などから土地の歴史や記憶を書いていく。ちょっと不思議な物語になっている。全てが短編や掌編くらいの長さでエッセイのようでもある。『昼の家、夜の家』というタイトルから何を示しているのか...
ポーランドとチェコの国境にある架空の町ノヴァ・ルダに移り住んだ主人公が隣人との会話や日常生活、夢の話などから土地の歴史や記憶を書いていく。ちょっと不思議な物語になっている。全てが短編や掌編くらいの長さでエッセイのようでもある。『昼の家、夜の家』というタイトルから何を示しているのか難しいが、後書きでかいているように意識無意識とも取れるし、形而上形而下のようにもとれる。相反するものが混雑しながら土地の記憶となっていくのかなと思う。
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ポーランドの小さな町を背景に、いろいろな話の断片が時間や空間を超えて集合し、重なったり続いたりしている。 人間として物質的に存在しながら、果てしない内面を抱えて生きている人たちが描かれている。
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チェコと国境を接するポーランドの谷間の村,その土地にまつわるたくさんの物語の断片がパッチワークのように組み合わさって,全く無関係だったりどこかで繋がったりして,その土地と時代の空気が漂っている.私とRの家も何か謂れがあり,隣のマルタの存在感たるや再生する天使?かと思う.挿入される...
チェコと国境を接するポーランドの谷間の村,その土地にまつわるたくさんの物語の断片がパッチワークのように組み合わさって,全く無関係だったりどこかで繋がったりして,その土地と時代の空気が漂っている.私とRの家も何か謂れがあり,隣のマルタの存在感たるや再生する天使?かと思う.挿入されるキノコのレシピ,片足ずつ国境において死んだペーター,聖女に纏わる物語,銀行に勤める女の夢あるいは妄想,現実と妄想と夢と過去が顔を出してはおすまししている.「彼と彼女」「彼女と彼」がよくわからなかったが.それもまたいい.
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