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2011/02/02

百年文庫、二冊目。テーマは「幻」。 川端康成「白い満月」  一人の母と、三人の異なる父から生まれた三人のきょうだい。 父からの遺伝で肺を病んでいる長兄は、お夏という女中を雇って、温泉地の別荘で療養生活をしている。 ある時突然、お夏が癪癇を起こす。彼女は出稼ぎに行っている父の死を...

百年文庫、二冊目。テーマは「幻」。 川端康成「白い満月」  一人の母と、三人の異なる父から生まれた三人のきょうだい。 父からの遺伝で肺を病んでいる長兄は、お夏という女中を雇って、温泉地の別荘で療養生活をしている。 ある時突然、お夏が癪癇を起こす。彼女は出稼ぎに行っている父の死を見たという。 幻視に感応されるように続く末妹の死、そこから導かれる家族の確執と愛情。 親子の間にある、悪しくも愛おしくもある不思議な絆を描く。 ヴァージニア・ウルフ「壁の染み」  お茶を飲み終えて、ふと目に入った壁の染み。 それが何なのか、立ち上がって確かめようか、そうすまいか。 そんな事を考える間に、ほんの小さな壁の染みから、果てしなく広がっていく思考。 尾崎翠「途上にて」  図書館からの帰り途、パラダイスロスト通りでの思い出をふりかえる。 昔と、今も変り無い現在の光景が、二重写しに重なりあう。 尾崎翠は鳥取の人だったのね。第七官界彷徨よまなくては。 「壁の染み」は、この手放しに広がってく感!ホラーものかと思って読んだらぜんぜん違ったよ。まさかそんな風に落とすとは… 「白い満月」、流石美しい。お夏とのちょっと間の抜けた感のある会話が好き。

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2010/12/30

久しぶりに川端康成読んだけど、吸い込まれる様な美しさがああやはり川端康成だ、と唸らされる。尾崎翠ももっと読みたい。

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