畳 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『昭和を感じる、こじんまりした和室にて…』 どことなく『昭和』を感じさせる短編3編。 畳の上で肩を寄せ合いながら、慎ましく暮らしていく人達の喜怒哀楽を描く。物質的には今ほど恵まれていない時代だからこそ、些細なことにも感動できる、古き良き時代かな…
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山川方夫『軍国歌謡集』途中から話が転調する気がするのだが、女は登場したほうが良かったのか? 獅子文六『ある結婚式』小説というよりエッセイですね。 林芙美子『馬之文章』私小説のようなスタイルだが、実際は主人公の性別さえ異なる。どこまでその要素があるのだろうか。
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百年文庫3冊目。 市井の人々の息遣いを感じるような三篇。 どれもよかった。 場面を思い描けば、視界に入る畳。 畳の上で繰り広げられる暮らし。
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収録されている3作品の中では山川方夫の「軍国歌謡集』が圧倒的に長く、一冊の半分以上を占めていたのですが、これは素晴らしく完成度の高い物語でした。題名から堅苦しい内容を想像して嫌煙される方もいるかもしれませんが、戦争ものとか、そんな話では全くありませんので、ぜひご一読を。私もこの百...
収録されている3作品の中では山川方夫の「軍国歌謡集』が圧倒的に長く、一冊の半分以上を占めていたのですが、これは素晴らしく完成度の高い物語でした。題名から堅苦しい内容を想像して嫌煙される方もいるかもしれませんが、戦争ものとか、そんな話では全くありませんので、ぜひご一読を。私もこの百年文庫がなければ知らないままだったでしょう。出会えてよかった。
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3作目の『軍国歌謡集』が良かった。山川方夫さんって存在すら知らなかったが、芥川賞の候補に何度も選ばれた方らしい。 人と人とが関わりを持つことは、誤解やストレスも時に生じる。登場人物達の心の動きがありありと伝わり、誰に対しても共感を覚える。巧みな人物描写、物語の流れにするりと乗せ...
3作目の『軍国歌謡集』が良かった。山川方夫さんって存在すら知らなかったが、芥川賞の候補に何度も選ばれた方らしい。 人と人とが関わりを持つことは、誤解やストレスも時に生じる。登場人物達の心の動きがありありと伝わり、誰に対しても共感を覚える。巧みな人物描写、物語の流れにするりと乗せてくれる文章、こんな作家を今日まで知らなかったなんて勿体ない。
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他の二作品も素晴らしいが、山川方夫の『軍国歌謡集』に衝撃を受けた。これに出会えただけで今まで百年文庫を読んできた甲斐がある。 タイトルは多少取っ付きにくく感じるかもしれないが、ぜひ手に取ってほしい。 書き出しから凄い。「私は人間が進歩したり、性格が一変したり、というようなこと...
他の二作品も素晴らしいが、山川方夫の『軍国歌謡集』に衝撃を受けた。これに出会えただけで今まで百年文庫を読んできた甲斐がある。 タイトルは多少取っ付きにくく感じるかもしれないが、ぜひ手に取ってほしい。 書き出しから凄い。「私は人間が進歩したり、性格が一変したり、というようなことはあまり信じてはいない」この主人公のモノローグに引き込まれたらもう止まらなかった。 モラトリアムの始まりと終わり、愚人、付け焼き刃の教養、愛の所在と幻影、嘘、生の意味、映画、生活、等々興味のある要素しかない。 平易で変わったところのない、読みやすい文章なのにこれほど感情をぐらぐらと揺さぶられる。 大チャンと呼ぶ男性との生活の描写、甲斐甲斐しい献身、知性への憧れ、家の前を過ぎ去っていく軍歌を歌う女性と複雑化していく3人の関係が、これだけの文量で収まっているのが信じられない。 素晴らしい短編と出会ってしまった。
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いずれもはじめて読む人ばかり。 林芙美子『馬乃文章』 流行った作家だけあってテンポがよい。オダサクっぽい? 獅子文六『ある結婚式』 名前だけは聞いたことある。この短編はアッサリしすぎてなんとも言いかねる。 山川方夫『軍国歌謡集』 おもしろいシチュエーションをつくっているが、...
いずれもはじめて読む人ばかり。 林芙美子『馬乃文章』 流行った作家だけあってテンポがよい。オダサクっぽい? 獅子文六『ある結婚式』 名前だけは聞いたことある。この短編はアッサリしすぎてなんとも言いかねる。 山川方夫『軍国歌謡集』 おもしろいシチュエーションをつくっているが、どうも肌になじまず。
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山川方夫の軍国歌謡集が圧巻の面白さ。自分も下北に住んでいたので、タイムスリップしたような、何か、奇妙な気持ちのデジャヴがあった。
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畳、というテーマは忘れがちなまま読み進めたのだけれど 3作、読み終わって、畳を想うと、なんとなくしっくりくる。 「馬乃文章」 お味ちょでぐちぐち、が、最高にかわいい。 なよっとして、頼りないダメな男と からっとして、しっかりした女房。 読んでいて、小気味よかった。 「ある結婚...
畳、というテーマは忘れがちなまま読み進めたのだけれど 3作、読み終わって、畳を想うと、なんとなくしっくりくる。 「馬乃文章」 お味ちょでぐちぐち、が、最高にかわいい。 なよっとして、頼りないダメな男と からっとして、しっかりした女房。 読んでいて、小気味よかった。 「ある結婚式」 私も、「式」というものがあまり好きではなく、 比較的小ばかにして眺める癖があるのだけれど 人生の節目で身を引き締める気持は、大切な経験なのだ、と思う。 ささやかな、この結婚式は、とても素敵だ。 と、思った。 「軍国歌謡集」 愛とは、実に滑稽なものなのだなぁ。 大チャンの愛。 晴子の、恍惚とした瞬間の愛。 どちらも、非常に独りよがりだ。 多かれ少なかれ、皆、幻想の中に生きているのだろう。 昌二の冷めた感覚と、愛への憧憬が、おもしろかった。 昌二は結婚するという。 それは、彼の、愛への執着だろう。 でも、最後の一文で、彼の今後の結婚生活がちらりと窺えたような気がする・・・ あたたかい家庭を得て、感情の回路が取り替わることを、祈るよ。
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『馬乃文章』林芙美子 健全な強い心と体の妻。頼もしい。 『ある結婚式』獅子文六 さっぱり簡潔と思いきや、そこはやはり特別になった瞬間を捉えた話。 『軍国歌謡集』山川方夫 大ちゃんのうわの空に生きるしかないというのが、印象に残る。 これ読後数日経ってから良さがわかったかも。もう...
『馬乃文章』林芙美子 健全な強い心と体の妻。頼もしい。 『ある結婚式』獅子文六 さっぱり簡潔と思いきや、そこはやはり特別になった瞬間を捉えた話。 『軍国歌謡集』山川方夫 大ちゃんのうわの空に生きるしかないというのが、印象に残る。 これ読後数日経ってから良さがわかったかも。もう一回読んでもいいな。
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