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17件のお客様レビュー

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2012/10/27

百年文庫12冊目は「畳」 収録は 林芙美子「馬乃文章」 獅子文六「ある結婚式」 山川方夫「軍国歌謡集」 名前は聞いたことあるな、という作家たちばかり。いずれも初読。 特に山川方夫の短編(といっても100ページぐらいあるが)がとりわけよかった。どうなるのかなという物語の面白さ...

百年文庫12冊目は「畳」 収録は 林芙美子「馬乃文章」 獅子文六「ある結婚式」 山川方夫「軍国歌謡集」 名前は聞いたことあるな、という作家たちばかり。いずれも初読。 特に山川方夫の短編(といっても100ページぐらいあるが)がとりわけよかった。どうなるのかなという物語の面白さと、ひねくれた主人公の心が波立つ様がいい。全体がすっきりしているのもいい。女の歌声と、夜の街にほのかに灯る家の灯の風景が浮かぶ。山川方夫は『夏の葬列』という作品が、集英社のナツイチラインナップにずっと入っていた印象がある。最近はどうだったろうか。今でも手に入るようだし、読んでみたいなと思った。

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2012/06/09

林芙美子の著作に触れてみたくて手に取りました。 林芙美子「馬乃文章」、主人公である妻子ある売れない作家の 心の描写が鮮やか。物書きだからこそ書ける、貧乏を知っているからこそ書ける。 獅子文六「ある結婚式」スマートな文体の随想のような小説。 繰り出される言葉が、スマートである。 ...

林芙美子の著作に触れてみたくて手に取りました。 林芙美子「馬乃文章」、主人公である妻子ある売れない作家の 心の描写が鮮やか。物書きだからこそ書ける、貧乏を知っているからこそ書ける。 獅子文六「ある結婚式」スマートな文体の随想のような小説。 繰り出される言葉が、スマートである。 山川方夫「軍国歌謡集」この三編の中では一番長い。 当初は淡々としているが、中盤から引き込まれ、ラストが気になる。軍歌のメロディーが全て判っていたら楽しく読めそう。 著者は、教科書で読んだ「夏の葬列」の著者でもあるそうだ。 主人公の心情が難解なところが似ているか。 埋もれてしまいそうな小説達を発掘してくれるシリーズ本である。

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2011/09/12

林芙美子『馬乃文章』、獅子文六『ある結婚式』、山川方夫『軍国歌謡集』の3篇を収録。 林芙美子さんの作品はちょっと自分には合わなかったのか、さらっと読みきってしまっただけだった。 山川方夫さんの作品は恋の狂気と盲目と、青春のほの暗さがからみ合って中々に虚しさを感じる話だったけれどそ...

林芙美子『馬乃文章』、獅子文六『ある結婚式』、山川方夫『軍国歌謡集』の3篇を収録。 林芙美子さんの作品はちょっと自分には合わなかったのか、さらっと読みきってしまっただけだった。 山川方夫さんの作品は恋の狂気と盲目と、青春のほの暗さがからみ合って中々に虚しさを感じる話だったけれどそれだけに読み応えがあった。 幸福になることを主人公は《能力》なんてさびしいことを言っていただけに、救いがあるラストで安心した。 一番面白かったのは獅子文六さんの、主人公の自宅で小さな結婚式を取り仕切る話。 この結婚式の主役である若い二人が最初の内は全く結婚式に興味がなくて、家族の面目もあるから渋々式を挙げる…といった流れだったのに、式が始まってからの緊張感であるとか、これから幸せになるんだという決意を改めて宣言するところが本当に爽やか。 主人公も口下手で式の進行や準備をするのに非常に苦心しただけに、その感動もひとしお、というのが「ざまア見ろ」という台詞に集約されているのが微笑ましいラストだった。 愛ある毒舌っていうのはこういうことだと思う。

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2011/10/11

三篇のうち、山川芳夫の「軍国歌謡集」が一番好きです。この本がなかったら、出会わなかったでしょう。ポプラ社さん、ありがとう。

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2011/04/17

110417読了 最初は軽くて明るくてよかったなあ 真ん中は文章が好みじゃなくてなあ…… 最後のは読みごたえがあった 気持ちが主人公寄りでなんとなく心が痛くなるのと、結局他人なんてわけわかんないし一人でいきてければいいよ、て思ってるのに愛のある人に嫉妬したくなったり ヒヤヒヤし...

110417読了 最初は軽くて明るくてよかったなあ 真ん中は文章が好みじゃなくてなあ…… 最後のは読みごたえがあった 気持ちが主人公寄りでなんとなく心が痛くなるのと、結局他人なんてわけわかんないし一人でいきてければいいよ、て思ってるのに愛のある人に嫉妬したくなったり ヒヤヒヤしながら後半読んでたのですが、ラストの虚しさとか 気持ちがいろいろ動きながら読んでてつかれちゃったんだけど、最後はすごくよかったなあ

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2011/01/03

ポプラ社刊行の百年文庫シリーズの1冊。 林芙美子の名に惹かれて選んだのだが、頼まれて形式張らない結婚式の媒酌をするという獅子文六の「ある結婚式」と、山川方夫の「軍国歌謡集」の2作がよかった。 「軍国歌謡集」は2人の男が住むアパートの窓の下を、通る女性がいつも軍歌を歌うことから端を...

ポプラ社刊行の百年文庫シリーズの1冊。 林芙美子の名に惹かれて選んだのだが、頼まれて形式張らない結婚式の媒酌をするという獅子文六の「ある結婚式」と、山川方夫の「軍国歌謡集」の2作がよかった。 「軍国歌謡集」は2人の男が住むアパートの窓の下を、通る女性がいつも軍歌を歌うことから端を発した物語。読み応えがあった。

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2010/12/15

林芙美子『馬乃文章』  馬の肉は安くて美味しいものとして描かれる 獅子文六『ある結婚式』  自宅で結婚式を執りしきる随筆のような一品 山川方夫『軍国歌謡集』  窓の外を歌いながら通る姿を見ない娘に恋する。恋の思い込みと狂気の一面、哀しさも漂う

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