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中原の虹(4) の商品レビュー

4.3

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    12

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2024/11/04

幾度読んでも感動してしまう浅田作品。中でも今巻は名シーンが多い。(ネタバレ故以下省略)キャッチフレーズの«魂を揺さぶる歴史冒険小説»は過言ではない。貧乏がなんだ。没法子とは唱えるな。運命など糞食らえ。ど根性で生きてやれ。背中を強く押すメッセージ性の強い作品。 ネタバレを避けたい...

幾度読んでも感動してしまう浅田作品。中でも今巻は名シーンが多い。(ネタバレ故以下省略)キャッチフレーズの«魂を揺さぶる歴史冒険小説»は過言ではない。貧乏がなんだ。没法子とは唱えるな。運命など糞食らえ。ど根性で生きてやれ。背中を強く押すメッセージ性の強い作品。 ネタバレを避けたいと言いながら、ここだけは触れたい。作中張学良に鄭薫風という友人が居る事にホッとした。特に薫風は個人的に琴線に触れるキャラクター。馬占山と薫風の親子関係も残酷だが展開としてはストライクゾーン。親子の憎悪劇が堪らなく趣味で仕方がない。

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2024/08/02

宗教仁が議会制を打ち立てるも、凶弾に倒れ、袁世凱が総統になるために素早く動いた。 春児は龍玉を手に入れるため、兄に会う。 袁世凱は民に追い出され、憤死を遂げ、張作霖は長城を越えて北京へ。 満州が長城を越えたものとオーバーラップして描く。 それぞれが国を外国に取られないよう...

宗教仁が議会制を打ち立てるも、凶弾に倒れ、袁世凱が総統になるために素早く動いた。 春児は龍玉を手に入れるため、兄に会う。 袁世凱は民に追い出され、憤死を遂げ、張作霖は長城を越えて北京へ。 満州が長城を越えたものとオーバーラップして描く。 それぞれが国を外国に取られないように懸命に頑張った様が分かる。

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2024/03/02

「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」に続く清朝末期の小説第三弾。 西太后、袁世凱、張作霖‥ 歴史の教科書で名前と事件くらいしか知らず、イメージもわかなかった時代と人物たちのストーリーに引き込まれ、心動かされました。 「記事は都合よく書き変えられてしまう。真実はことごとく、歴史の闇に葬ら...

「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」に続く清朝末期の小説第三弾。 西太后、袁世凱、張作霖‥ 歴史の教科書で名前と事件くらいしか知らず、イメージもわかなかった時代と人物たちのストーリーに引き込まれ、心動かされました。 「記事は都合よく書き変えられてしまう。真実はことごとく、歴史の闇に葬られてゆく。」 今史実として伝えられている人物評も、その人の本当の心はわからなくて、事実の裏にある真実は誰もわからなくて‥歴史は切なく、奥が深いなと思いました。 志半ばで倒れる人もいるのに、 何度も危機を乗り越えていく人もいて、 その人その人の運命というものについて考えさせられます。

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2024/01/16

いろいろな人の立場から歴史を見ることで、見方も変わるから、面白かった。 知らない歴史上の人物も出てきて、中国の史実にもさらに興味が湧いた。 梁文秀や春児たちも救われたのかなと思うと、よい終わり方だった。 でも、歴史はまだまだ続く予感。。

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2023/11/30

約1か月半かけて4巻読破。 3巻以降、蒼穹に出てきたメインキャラクターが表舞台から消え、北京の袁世凱、南京の孫文、東三省の張作霖、と権力者が台頭し、それぞれの視点で物語が展開していく。途中歴史の教科書を読まされているようでやや苦痛だったけど、中盤~終盤にかけては蒼穹に出てきたキャ...

約1か月半かけて4巻読破。 3巻以降、蒼穹に出てきたメインキャラクターが表舞台から消え、北京の袁世凱、南京の孫文、東三省の張作霖、と権力者が台頭し、それぞれの視点で物語が展開していく。途中歴史の教科書を読まされているようでやや苦痛だったけど、中盤~終盤にかけては蒼穹に出てきたキャラクターが再び登場してくる。トムが銃弾に倒れるシーンと、春雷と春児、春雷と玲玲の再会には泣いた。史実よりも創作の部分が面白くて好きだな。王逸は出てこなかったけど、後の続編では出てくるようだ。 読み終わってみれば、西太后、光緒帝、袁世凱、張作霖、やり方は違えど皆根底にあるものは「わが勲は民の平安」だったんじゃないかなと思った。 ラストは張作霖たちが長城を超えるシーンで幕。かつて愛新覚羅の先祖たちが長城を超え紫禁城入りしたシーンとリンクする形で描かれ、とてもドラマチックだったんだけど「長城を超えて中原の覇者になる」というのがどういうことなのか、いまいちピンと来ずのめりこめなかった部分もある…紫禁城内の地図よりも、中国全土の地図を載せてくれた方が読みやすかったかもしれない。もう少し中国の歴史を勉強してから、また再読したい。

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2023/11/08

2023.11.08.読了 浅田次郎、天才でしょ。 またこんなステキな物語に出会えて幸せです。 蒼穹の昴からのお付き合いになる登場人物も多く、セリフや単語も中国語読みで読めるようになっていて、読了後の今は、もしかして中国語喋れるんじゃない?と思うほど(笑) これで天子蒙塵読んだ...

2023.11.08.読了 浅田次郎、天才でしょ。 またこんなステキな物語に出会えて幸せです。 蒼穹の昴からのお付き合いになる登場人物も多く、セリフや単語も中国語読みで読めるようになっていて、読了後の今は、もしかして中国語喋れるんじゃない?と思うほど(笑) これで天子蒙塵読んだら、ワンチャンイケるかもなどと考えています 内容が濃すぎて説明できないけど、とにかく4巻中弛みなど全くなく通して緊張感や感動を与えてくれた素晴らしい作品。 蒼穹の昴→珍妃の井戸→中原の虹で読んでください。わたしは最初に珍妃の井戸を読んでしまって失敗したので、これからのかたは気をつけて!

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2023/06/17

読み終わったー!!登場人物の名前に慣れてきて、さらっと読めた。 宋教仁の演説は、私も国民と一緒になって、この人ならどうにかしてくれるかもと思える素晴らしい内容でした。西太后もいなくなり、国内外でも混乱を極めていた時の希望とすら思えたのに、本当に残念でした。誰だこんなことするのは...

読み終わったー!!登場人物の名前に慣れてきて、さらっと読めた。 宋教仁の演説は、私も国民と一緒になって、この人ならどうにかしてくれるかもと思える素晴らしい内容でした。西太后もいなくなり、国内外でも混乱を極めていた時の希望とすら思えたのに、本当に残念でした。誰だこんなことするのは!って怒りすら覚えた。宋教仁が生きていたら、どんな国になってたのか気になる。暗殺って国の運命すら変えてしまうかもしれないとんでもないものだ。 そして李兄弟の再会。ついにって感じで、あれは涙無しでは読めなかった。みんなそれぞれが幸せになって、本当に良かったねぇってなった。みんなお互いのことちゃんと思いあってたんだと分かる素敵な場面でした。 袁世凱も自分の利益と権力しか考えてない人かと思ったら、全然違った。自分が悪者になっても、誰よりも国のためを思い行動できる人物として描かれていました。なんか国民とか色んな人達から誤解されすぎてて最後可哀想にすらなった。 あと溥儀ね。この小説読む前に、ラストエンペラーの映画観て、どんな人生歩むのか知ってたからより心痛くなった。でもこの物語では西太后が味方でいてくれたから良かった。 中国の歴史楽しい!

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2023/05/05

ミセスチャンやアメリカ人記者のトム、日本人記者の岡さんが出てくると懐かしく、親しみを感じるように読み進めていたらあっという間に読了。 "しょうがない:没法子"と言わずに自身の人生や世の中を変えていこうとする人達のお話。

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2023/03/12

いよいよ読み終わってしまった。蒼穹の昴も好きだが中原の虹の方がすいすい読めた気がする。 長城を越えろ。中原の虹を追いかけろという話…… 以下読んでいて印象的だった箇所など。 正義。何という残酷な言葉だろう。正義なき時代にそれを全うしようとすれば、人は悪女となり、落人となるほか...

いよいよ読み終わってしまった。蒼穹の昴も好きだが中原の虹の方がすいすい読めた気がする。 長城を越えろ。中原の虹を追いかけろという話…… 以下読んでいて印象的だった箇所など。 正義。何という残酷な言葉だろう。正義なき時代にそれを全うしようとすれば、人は悪女となり、落人となるほかはない。 賢人支配による専制は、愚民思想に基く。はたして、この駅頭に集う諸君が愚民か。ならはいったい、誰が賢人だというのだ。おやそ人間の賢と愚とが、わずかに一歩を隔てた、いや一筋の毛ほどのちがいでしかないことを私は知っている。 トム、トム、嘘でしょう。漁父、嘘でしょう。こんなに、こんなに輝かしい希望が見えたのに。どうして。 いったい何ゆえ歴史を知らねばなるのか。おのれの歴史的な座標を常に認識する必要があるからである。 過去の歴史を鑑み、現在の状況を思料し、もって未来の他者に利をもたらすこと、それが人としての上善である。 袁世凱は死ねず、虚無よりも残酷な宇宙を彷徨うというのがまた残酷だったな……

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2022/12/02

張作霖が力をつけて、北方の主から中国全土をとりにいく直前までの動乱の時代を描いてます。いろんな重要人物が有象無象の思想を持って滅びゆく清国の次の国を建てようとしてます。 西太后や袁世凱はあえて悪役になってでも、列強から支配されないよう、中国内部から次の為政者が出ることを望み行動し...

張作霖が力をつけて、北方の主から中国全土をとりにいく直前までの動乱の時代を描いてます。いろんな重要人物が有象無象の思想を持って滅びゆく清国の次の国を建てようとしてます。 西太后や袁世凱はあえて悪役になってでも、列強から支配されないよう、中国内部から次の為政者が出ることを望み行動してます。なので、現在の悪女やらの評価とは違う描き方です。それは作家の描き方の違いなので、こういう解釈もありだなあと思いながら読んでました。経緯もすごくわかりやすくて勉強になります。 ただ龍玉という創作(これを持つものに天命がある)部分が蒼穹の昴より多い気がして、読むのに少し疲れる…この辺は好みなのですが私には合わないかもしれない…。

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