恋の手本となりにけり の商品レビュー
その後の永井氏の活躍が約束されていたのかのような素晴らしい処女作。若き遠山金四郎景元が、武家から転落した花魁・雛菊の斬死の真相を、大田南畝、歌川国貞の協力をえて究明し、その深奥に迫る。ミステリーというよりは、江戸時代後期の社会派ドラマとして読むともっと面白い。
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第11回小学館文庫小説賞「絡繰り心中」改題、加筆修正。文庫でないのはこれいかに? 「木挽町の仇討ち」で直木賞の永井さんのデビュー作という事でいいでしょうか。 今は、横浜在住でご活躍とのこと。たぶん子供の頃まででしょうが、静岡の出身地がとても近くて、気になっていました。図書館にある...
第11回小学館文庫小説賞「絡繰り心中」改題、加筆修正。文庫でないのはこれいかに? 「木挽町の仇討ち」で直木賞の永井さんのデビュー作という事でいいでしょうか。 今は、横浜在住でご活躍とのこと。たぶん子供の頃まででしょうが、静岡の出身地がとても近くて、気になっていました。図書館にある永井沙耶子さん全部読みます応援キャンペーン開始です。 デビュー作は、書きたいことが溢れていると言われますが、当初から時代小説でいくことは決まっていたんですね。 花街吉原の外側の田で、一人の花魁が斬られて亡くなっていた。最初に発見したのは、若き日の金四郎(遠山の!) 心中なのか、騙されたのか。 大田南畝(狂歌師) 歌川国貞(浮世絵師) らと絡みながら、真相を突き止めていく。 たぶん、未読だけど木挽町の仇討ちと重なる設定もあるにではないかしら。 まだ、あっさりした感じはあるかな。実は、遠山金四郎って途中まで気が付かなかった。短いのだけど、登場人物がそこそこ出てきて、一人づつがふんわりしたかな。 次も予約します。
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「木挽町のあだ討ち」が面白かった作者のデビュー作。短いけどなかなか読み易くて面白い。先どうなるんだろうと思わすうまさがある。ただ、金さんにはもう少し活躍して欲しかった
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キャラクターは魅力的だし ストーリーも なかなかに引き込まれる ただ 全体的にあっさりと流れてしまった感じが残念 エピソードに説得力を感じることが出来ないままに読み終わってしまった デビュー作とのことで それはそれと納得 いつか 改めて このお話を練り直してもう一度書いてくれ...
キャラクターは魅力的だし ストーリーも なかなかに引き込まれる ただ 全体的にあっさりと流れてしまった感じが残念 エピソードに説得力を感じることが出来ないままに読み終わってしまった デビュー作とのことで それはそれと納得 いつか 改めて このお話を練り直してもう一度書いてくれたら嬉しいなぁ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大田南畝をバックに後の町奉行・遠山金四郎が歌川国貞と花魁の死を追いかける。 武家の娘から女郎へ落ちた雛菊はともかく、部屋住みの武士とか商家の若旦那とか、こんなにモラトリアムできるほど、江戸中期の江戸は豊かだったのか。 店のものの命を預かる身と自覚し、意味もなく世を儚む若旦那を引き摺る商家の小町娘が印象的。いつの世も苦労するのは女なのよねーってか(笑)。 賄賂同心とか河岸見世の茜姐さんとか、突っ込めば面白そうなキャラも散見したけど、あくまでライトな時代物。 大田南畝のキャラに金四郎が押され過ぎというか…弱い。地味。つーか、そもそも南畝の破天荒さは史実から持って来ればいいわけで、若き金四郎のキャラ造形こそが見せ所やろ。実家の事情は分かるけど、主人公張るからには、もちょっとお行儀悪くても…というか、洒脱さみたいなのが欲しい。 その辺、ライトな読み物の割に地の文章に軽快さがない、作者のセンスのせいかなあ。ネタは面白いのに、残念。
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遠山の金さんの若い時のお話。 金四郎がもやもやしながら終わるのも若さゆえしょうがないか。 江戸の町はめんどくさいことが多い。今より生きにくい世の中だったんだな。
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遠山の金さん…の、青年時代…、 最初の事件…という設定ですね…。 ライトな時代ミステリー…ですが…、 しっかりと組み立てられていて…、 新人さんらしぃ…まじめに書かれた作品でした…。 (生意気なコメントぉ~(_ _)) ふつぅに…面白かったです…。
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遠山の金さんの若かりし頃のお話らしい。 とても読みやすい文章だけれど、個人的にはもう少し深みがほしかった。
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2011/05/28 美しき花魁・雛菊は なぜ心中を望んでいたのか? 読みやすい。凝らしすぎてないのが良かった。 花魁殺人ものなんて、まして遠山なんて似たような題材はたくさんありそうだけど、それでもなにも予備知識がなくても理解できるし、楽しめたし、知識の押し売り...
2011/05/28 美しき花魁・雛菊は なぜ心中を望んでいたのか? 読みやすい。凝らしすぎてないのが良かった。 花魁殺人ものなんて、まして遠山なんて似たような題材はたくさんありそうだけど、それでもなにも予備知識がなくても理解できるし、楽しめたし、知識の押し売りは一切なかったし、最後まですらりと読めた。 最後まで読んで、もう一度書き出しの、「女は一人で死んでいた」に帰るとなんだかはっとする。この一文がすべてを語っていたんだな、と。不幸な境遇を恨んで、少しの救いも見いだせなかった雛菊の気持ち、恵まれているくせにそれを理解せず無気力に、ただ死にたいと思ってる吉三郎。 吉三郎の考えは浅くて、こんな感じのどこにでもそっと存在しているようなことが真相だっていうのが、余計にスト―リー全体にある実体のなさをまとめてた。 それと別に金四郎さん、引き具合も正義感もいいバランスで私は好きだなあ。同時にそういう性格の、いわゆるいい人が、この事件によって学んだことの件、p196世に悲しい現実が幾多もあることは知っていた、しかし「だがいずれ、罪は裁かれ、不正は正されるようにできていると、なんの疑いもなく信じていた。金四郎は、不意に生きてきた世界の真ん中に、ぱっくりと大きな暗い穴が口を開けたように思えた。」っていうところが、なんだか身に覚えのあることのようで…ちょっと考えるものがあった。
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題名や表紙からすると、花魁の恋物語かと思いましたが、 若き日の遠山の金さんが活躍(というほどでもありませんが)します。 自分の置かれた境遇に対して不満は多々あるけれど…ちょっと考えさせられます。
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