シズコさん の商品レビュー
私のおばあちゃんもシズコだ!っと買って読み進めるうちに、「あ、シズエだったわ」と思い出した。 親に許せない気持ちがある方、親の介護をされている方は、読んでみるといいかもしれません。
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話があっち飛びこっち飛びしたり、同じエピソードが違う話の時にも出てきたり、その話の肉づけの仕方が独特で、最終的に厚みが出る面白い文章だなぁと思いました。 佐野洋子さんの気持ちはとっても良くわかりますし、本当に勝手なのですが、最後結局気持ち良くなっていて、なんだよって思ってしまい...
話があっち飛びこっち飛びしたり、同じエピソードが違う話の時にも出てきたり、その話の肉づけの仕方が独特で、最終的に厚みが出る面白い文章だなぁと思いました。 佐野洋子さんの気持ちはとっても良くわかりますし、本当に勝手なのですが、最後結局気持ち良くなっていて、なんだよって思ってしまいました。 救いがない事だって多いと思うので…
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佐野洋子さんの「おじさんのかさ」と「だってだってのおばあさん」を子どもたちとよく読んで、大好きだった。佐野さんがエッセイストでもあることは知らなかった。ある日お気に入りの本屋さんで見つけて、すぐに読んでにたいと思って購入した。 今でいうと、虐待と呼ぶのだろう。佐野さんは幼いころ、...
佐野洋子さんの「おじさんのかさ」と「だってだってのおばあさん」を子どもたちとよく読んで、大好きだった。佐野さんがエッセイストでもあることは知らなかった。ある日お気に入りの本屋さんで見つけて、すぐに読んでにたいと思って購入した。 今でいうと、虐待と呼ぶのだろう。佐野さんは幼いころ、母の「シズコさん」に優しくされないばかりか、手も繋いでもえあえなかった。でも泣いたりしない、謝りもしない、強情な子どもだったという。 弟と兄を子どもの頃に病気で亡くす。 そんな佐野さんが、母との確執とそれが溶けていくまでのさまざまなエピソードを綴っている。 過去と現在がいったりきたりするので読みづらかったけど、でもそのつかみどころがあるようでない感じが、佐野さんの絵本の雰囲気と共通しているように思った。 佐野さんは、大嫌いだった母が「呆け」て初めて、お母さんの体に触れ、母に添い寝し、許すことができたという。 エッセイの中では、戦後幼い子を抱えて中国から引き揚げてきて、貧しさの中、子どもを失い、夫も早くになくしながらも、残った子ども四人を大学に行かせたことを、私にはできないという。それは、母を許したから、自分に酷くした母の根底にあったものを理解しようとすることができたのか、わかっていたけどずっと許せなかったのか… 佐野さんのお母さんはひどい。でもその苦労を思うと、何が良くて何が悪なのか、線を引くのは難しい。 お母さんとの葛藤、幼いころの傷を抱えながら生きていた佐野さん…お母さんのこと許すことができて、きっと本当にうれしかったのだろうな。 いい本との偶然の出会い。うれしい出会いだった。
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私自身は母との関係は悪くはなく、素直に感謝もしているので、あまりこの本に共感はしない。 ただ、この人の放つ個性の根源がここにあるのだと理解した。
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義母の介護中に読みました。佐野さんの実母との関係は、恐ろしいほど共感することばかりですいすい読めました。この先来るであろう実母との時間を思いながら。義母との介護生活はほんとにいい時間だっただけに、わだかまりのある実母との関係を、未提出の宿題のように思い出していました。
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■ネタバレがあります 佐野さんが、お母様とご本人の一生に渡る関係を書き切った自伝的なエッセイ。 佐野さんは、お母様からの愛情を感じない。ご自身も、お母様をはっきりと嫌っていて、その嫌っていること自体に強い自己嫌悪を感じている。お母様の晩年、老人施設に預けることになったが、それを...
■ネタバレがあります 佐野さんが、お母様とご本人の一生に渡る関係を書き切った自伝的なエッセイ。 佐野さんは、お母様からの愛情を感じない。ご自身も、お母様をはっきりと嫌っていて、その嫌っていること自体に強い自己嫌悪を感じている。お母様の晩年、老人施設に預けることになったが、それを佐野さんは、お金で母親を捨てたという、これも強い自己嫌悪を感じてしまう。 佐野さん一家は戦前、北京に住み、戦争が終わってから、日本に引き揚げてくる。結局、お母様は7人の子供を産み、うち、3人の男の子を亡くしてしまう。話は、佐野さんの幼少時代から始まり、引き揚げ後の一家の生活ぶりを描く。その中に、自分と母親との関係を織り込みながら。描写は事細かく、繰り返しの多い執拗なものだ。 母親を嫌っていることに自己嫌悪を感じている人間にとって、そういう風に母親のこと、母親との関係を事細かに描くことは、とても辛い作業だと思う。佐野さんが、自分を切り刻みながら書いていることを感じてしまう。 しかし、最後に救いがやってくる。 それは、施設のお母様の部屋で2人で子守唄を歌い母親の白い髪の頭をなでている時に、突然やってきた。 少し長いけれども、この部分を引用する。 そして思ってもいない言葉が出て来た。 「ごめんね、母さん、ごめんね」 号泣と云ってもよかった。 「私悪い子だったね、ごめんね」 母さんは、正気に戻ったのだろうか。 「私の方こそごめんなさい。あんたが悪いんじゃないのよ」 【中略】 何十年も私の中でこりかたまっていた嫌悪感が、氷山にお湯をぶっかけた様にとけていった。湯気が果てしなく湧いてゆく様だった。 本書には圧倒されたが、特にこの部分には言葉もなくなった。 お母様との関係を考えることは、自分を見つめ直すことだと思う。それを考えながら、佐野さんは、自分自身の嫌なところ、とった行動に対する後悔などと向き合ってきたのだろう。 だから、最後に、この救いを得ることができたのだと思う。
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佐野洋子さんの晩年の母と娘を書いたエッセイ。 中国で幼少期を暮らし、日本に帰ってからは、兄と弟をなくし、子どもにこぶしをふるうようになった母との関係。 時々繰り返される場面、同じ人を書いているのに別人かと思われるようなエピソード、晩年の佐野さんが、つかえていたものがあったとしたら、全部書き出すことが出来たらいい。 良いだけも悪いだけもないんだと、教えてもらった気がする。 母のことが嫌いな娘がけっこういるのだ…と、少しだけ息をつけた。 嫌いだと思う別のところでかわいそうだと思う気持ちも。 どこかで、このぐちゃぐちゃな気持ちが混じりあうこともあるのか 。
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この前の白いしるしの本の中に、 以前借りた人の、貸し出しレシートが挟まっていて、 その人は、 西加奈子さんの白いしるし 夏目漱石のそれからと三四郎 そして、佐野洋子さんのシズコさん たぶん登場人物の、名前が題名の本が気になって、 この本にたどり着きました。 娘の...
この前の白いしるしの本の中に、 以前借りた人の、貸し出しレシートが挟まっていて、 その人は、 西加奈子さんの白いしるし 夏目漱石のそれからと三四郎 そして、佐野洋子さんのシズコさん たぶん登場人物の、名前が題名の本が気になって、 この本にたどり着きました。 娘の洋子さんが、母親に対するシズコさんへの思いの本。 読んでて、小説ではほとんどない? なんども同じことが何回も出てきて、 なんかこの本の良さがわからず、 早く読み終えたいなぁとも思ってた。 でも、最後の22のところから、 紙のロールみたいなものが、 いろんなきれいなもので開くように、 どんどんどんどん開いていった その訳は、たぶん洋子さんがやっとお母さんに素直になれたからだし、 ずっと、お母さんに対してうまくいかない洋子さんも見ていたからかなぁ? 呆けるって人間を越えられることなのだろうか。 って洋子さんが書いてた。 最後作者の作品見ると、 佐野洋子さんって、100万回生きたねこを書いたかたでした。 小さい頃、にぃーちゃんと私によく絵本を読んでくれた お母さんが、 読んでくれた絵本のひとつだ。 わたしも、お父さんとお母さんが、 じぃーちゃんばぁーちゃんになるなんで想像できないけど、 お母さんがいつか言って、 長生きするお母さんを見るのも辛い。ようなこと言ってた。 呆けることは長生きのおまけかなっ? って。 こころもからだも元気にいきたいもんです
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名作絵本として名高い「100万回生きた猫」の佐野さんが実母とのこじれた関係を赤裸々につづった自伝は私には共感できる部分がひとつも無くて読み進めるのがとてもつらく時間がかかりました。母との不仲を心苦しく思っている人ならば読む価値はあると思います。
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旅のお供として。図書館の無料持ち帰りコーナーで見つけたもの。文庫本だから、ともらってったのをようやく読んだ。確執のあった母に対してのエッセイ。実話なんだろう。同じエピソードが何度も出てくる。母が高齢になって認知症になって施設に入れてからの日々と過去が入り乱れて出てくる。これを母の日の前日に読んだのも何かの縁だなぁ。ほんと母とよい関係でいれることをありがたく思う。こんなにいじめられた覚えはないし。弱い母だとは思っているけど。佐野洋子が谷川俊太郎と結婚したことがあったなんて知らなかった。離婚してるけど。しかしこんな和解する日がくるなら、ボケるのも悪くないんだろうな。しかし毒親という言葉ができるくらいだからな。やっぱ時代によって人間関係も変わるんだろうなぁ。弟の嫁のことをけちょんけちょんに言ってるけど、すごいよな。
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