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日本1852 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/08/31

ペリーが来る前に出版されていた本だが日本の地理、歴史について多少の誤りは認められるものの現在の定説とあまり変わらない内容が展開されていてびっくり。司馬遼太郎の小説で高杉晋作が四国連合艦隊との講和会議で古事記の講釈をたれて、交渉相手をけむに巻く場面があったが、意外に知っている外人が...

ペリーが来る前に出版されていた本だが日本の地理、歴史について多少の誤りは認められるものの現在の定説とあまり変わらない内容が展開されていてびっくり。司馬遼太郎の小説で高杉晋作が四国連合艦隊との講和会議で古事記の講釈をたれて、交渉相手をけむに巻く場面があったが、意外に知っている外人がいたかもしれないと思った。それにしてもキリスト教宣教師たちの連綿とした記録がしっかりと整理されて後世に伝えられている様子がこのような書物でもよくわかる。 アジア人の歴史には時の権力者の都合によって書き換えられていて正確性に欠ける面があるように見受けられるが、キリスト教をあいだにはさむと国家間の不都合な歴史については中立の立場で記録しやすいのかもしれない。 現代にも十分通用する日本人論だと思う。

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2017/02/27

Japan: An Account, Geographical and Historical Charles MacFarlane ★google books 無料

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2014/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ペリー提督が日本との交渉にアメリカを出発する4ヶ月前(1852年7月)にチャールズ・マックファーレンというイギリス人によって出版された本ですが、ペリーの江戸湾への強行突入とその後の厳しい交渉にどれくらいの影響があったかどいうかは分かりませんが、非常によく調べてあります。しかもこの著者は日本に来たことがなく、それまで出版された日本に関する本や報告書、限られた日本渡航者とのインタビューだけでまとめたらしい。なかには不正確なところもありますが、当時欧州でこれだけ日本についての情報があったのかと驚きます。「日本は現在(当時)の世界情勢を見ると、開国せざるを得ない。最終的には武力で迫れば開国することになる。ただどれだけ犠牲者(責任を取って切腹する武士も含めて)が出るかは計り知れない。」この結論はその後の日本に起こったことを言い当てています。

Posted byブクログ

2014/02/19

ペリーが開国交渉に来るまでに、日本の情報がこれほど体系的に整えられていたとは、驚愕です。著者は英国人ですが、米国が威嚇による開国交渉をすること、開国には将軍の了解だけではなく、帝の承認が必要なことなど、的確に分析しています。叙述に不正確な箇所や誤解した箇所がありますが、そんなこと...

ペリーが開国交渉に来るまでに、日本の情報がこれほど体系的に整えられていたとは、驚愕です。著者は英国人ですが、米国が威嚇による開国交渉をすること、開国には将軍の了解だけではなく、帝の承認が必要なことなど、的確に分析しています。叙述に不正確な箇所や誤解した箇所がありますが、そんなことは問題ではありません。しかも、機密文書ではなく、出版物というから、更に驚きです。迎える日本にはどれほどの情報があったのでしょう。そして、この彼我の違いは克服できたのでしょうか?

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2010/10/10

相当面白かった。ペリー来航は西欧知識人にとっても大きな関心事だったのね。ペリーの出発4ヶ月前にニューヨークで出版されたという本書は、イギリス有数の歴史・地誌学者によって書かれただけあり、なかなか正確で公正に感じられた。 15世紀以来西欧人たちが蓄積してきた日本に関する資料と、近...

相当面白かった。ペリー来航は西欧知識人にとっても大きな関心事だったのね。ペリーの出発4ヶ月前にニューヨークで出版されたという本書は、イギリス有数の歴史・地誌学者によって書かれただけあり、なかなか正確で公正に感じられた。 15世紀以来西欧人たちが蓄積してきた日本に関する資料と、近過去に起こったフェートン号事件やモリソン号事件といった小競り合いの顛末を分析して、日本を色々な面から解説。内裏と将軍の関係や、自由闊達で豊かでモラルの高い庶民の存在、武力ではなく5人組などの監視体制により平和と治安の良さを保っていることなど、するどーいご指摘。読み終わったあと、本から目を上げ、いまの日本という「後日談」を眺めるのも愉しい。

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