お台場アイランドベイビー の商品レビュー
『宙わたる教室』や『藍を継ぐ海』とはだいぶ印象の違う1冊だった。東京湾北部で起きた大きな地震でお台場が壊滅した世界線で起きた無国籍の子どもたちのはなし。近い未来日本がこうならないことを、切に願う。外国人排除とかでなく、うまく共生できる平和な国であって欲しいと思った。
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あの伊与原さんがこのような作品を書いてらっしゃったとは。近未来ありそうミステリー。外国人問題、開発問題、歴史的系譜まで繋ぎ、かつ、素敵だけどアウトローたちと子供とカッコ良い(と思われる)女性刑事。巽丑寅の大阪弁が良い。伊与原さんの細部の記述がリアルで近未来SFであることを忘れさせ...
あの伊与原さんがこのような作品を書いてらっしゃったとは。近未来ありそうミステリー。外国人問題、開発問題、歴史的系譜まで繋ぎ、かつ、素敵だけどアウトローたちと子供とカッコ良い(と思われる)女性刑事。巽丑寅の大阪弁が良い。伊与原さんの細部の記述がリアルで近未来SFであることを忘れさせてくれる。伊与原さんの実力を感じた作品でした。またいつか、ホンワカ風とは違うこの作品のような新作も期待しています。
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第30回横溝正史ミステリ大賞受賞作。 東京湾を震源とする大地震が起こったあとのお台場を中心とした世界が舞台。震災直後の混乱期にふと目にしたストリートチルドレンとしっかり向き合わなかった後悔を胸に秘めた刑事のみどりと、ひょんなことから黒人をルーツに持つ少年の奇妙な行動に目を止めて気...
第30回横溝正史ミステリ大賞受賞作。 東京湾を震源とする大地震が起こったあとのお台場を中心とした世界が舞台。震災直後の混乱期にふと目にしたストリートチルドレンとしっかり向き合わなかった後悔を胸に秘めた刑事のみどりと、ひょんなことから黒人をルーツに持つ少年の奇妙な行動に目を止めて気にかけるようになった元刑事の巽丑寅のはじめは形をなさない絶妙な連携によって、実際に起こっていることと、更にその根底に深く隠されようとしている真実に迫っていく。登場人物それぞれが抱える鬱屈があり、それがある種情念ともいえるような原動力となっているのが、単なる勧善懲悪物語ではなくて、人間味にあふれた物語にしている気がする。選考委員の北村薫氏のご意見に深く頷いた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一番最初から引き込まれる。 なんども、これはいつ書かれた?いつの話だ!?と、振り返りたくなるほど、リアルな“未来”?の東京が、描かれる。 巨大なものに立ち向かう壮大さと細やかな人間の心とが絶妙に描かれ、謎が謎を呼び、読む手が止まらなくなるのは、伊予原さんらしい。 巽がいい味出していて、丈太と共に周りを巻き込んでいく。 人間味あふれるロマン派ハードボイルドなお話だった。
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まず、東日本大震災の前に書かれたと思えないような災害後の社会描写に驚き。その中に巣食う政治、企業、反社の悪巧みを暴くというありがちな設定にも関わらず、伏線とストーリー展開にどきどきしながら引き込まれる、読み応え十分のミステリー。徹底した悪の描写がたりないとの書評があったけど別にい...
まず、東日本大震災の前に書かれたと思えないような災害後の社会描写に驚き。その中に巣食う政治、企業、反社の悪巧みを暴くというありがちな設定にも関わらず、伏線とストーリー展開にどきどきしながら引き込まれる、読み応え十分のミステリー。徹底した悪の描写がたりないとの書評があったけど別にいいじゃない。読んで気分悪くなるような悪は私には要らん。
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面白かったです!首都直下地震後の荒廃した東京を舞台に描かれた小説。このシーンがのちに繋がってくるのね!といった物語としての面白さもあるし、アナーキズムなどの思想、地球物理学(ロマン派ってのは良い表現だなぁと。)、無国籍児や偽装認知などの問題とからめつつも壮大なミステリーとして描か...
面白かったです!首都直下地震後の荒廃した東京を舞台に描かれた小説。このシーンがのちに繋がってくるのね!といった物語としての面白さもあるし、アナーキズムなどの思想、地球物理学(ロマン派ってのは良い表現だなぁと。)、無国籍児や偽装認知などの問題とからめつつも壮大なミステリーとして描かれていて、とても読み応えがありました。主に巽視点とみどり視点で描かれていますが、互いに過去に残した悔恨と向き合いながら事件を解決に導こうと奔走して行きます。巽の息子に向けた想いにはハンカチなしでは読めませんでした。いい感じに同じフレーズが繰り返し強調されていて、ラストシーンの主人公のフレーズは、まるで自分の耳にも聞こえるようでした。
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今まで生きてきても、世の中変わったな~ と思うのに想像もつかないような未来が待ち受けているのかな~ 未来の世界はどうなってい行くのかハラハラ、ドキドキするような不安な気持ちになりました。
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直木賞作家の伊与原新さんがミステリー小説を書いておられたと知り、驚いて早速借りて読んでみました。 第30回横溝正史ミステリー大賞受賞作で、単行本は2010年発行。2011年3月に東日本大震災が発生ですから、まさにその前年に発行された作品です。 関東を中心に日本全体が大きな地震...
直木賞作家の伊与原新さんがミステリー小説を書いておられたと知り、驚いて早速借りて読んでみました。 第30回横溝正史ミステリー大賞受賞作で、単行本は2010年発行。2011年3月に東日本大震災が発生ですから、まさにその前年に発行された作品です。 関東を中心に日本全体が大きな地震の被害を受けた設定は、やはり理学系を研究してきた著者ならではと思いつつ読みましたが、意外に理系的な要素は薄く、国籍問題、孤児問題、移民問題などに重きを置いたミステリーで少し驚きました。 462ページという長編ですが、元刑事の巽と、ケニア人の父と日本人の母を持つ丈太の秘密を追いかけるうちに、世の中を揺るがすほどの事件へと迫る内容がシニアの私にもわかりやすく、早く次が知りたいとページをめくって読み終えた感じです。 著者によれば、この作品を書き終え、ミステリーの大賞を受賞したことで、燃え尽き症候群に陥ったそうですが、ミステリーから離れ、人間模様に重点を置かれた作品を今後も執筆されるようです。 私もこの作品が嫌いではありませんが、これ以降の作品における著者の理系の知識と人の観察が好きなので、そちらに期待したいです。
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伊與原新の『お台場アイランドベイビー』は、近未來の東京を舞臺に、SFアクションミステリーと云ふべきか。 あらすじ 東京灣北部を震源地とするM7.5の大地震により、お台場や東京灣岸沿ひの埋立地は壞滅的な被害を受け、四年が經過した。廢墟と化したお台場では、國籍を持たない「ストレー...
伊與原新の『お台場アイランドベイビー』は、近未來の東京を舞臺に、SFアクションミステリーと云ふべきか。 あらすじ 東京灣北部を震源地とするM7.5の大地震により、お台場や東京灣岸沿ひの埋立地は壞滅的な被害を受け、四年が經過した。廢墟と化したお台場では、國籍を持たない「ストレートチルドレン」と稱する子供たちが、嚴しい環境下で生きてゐた。 元刑事の巽丑寅(たつみうしとら)は、震災で行方不明になつた息子を探しながら、ヤクザの用心棒として日々を過ごしてゐた。そんな中、巽は不思議な力を持つ少年・丈太と出會ふ。丈太は、「ストレートチルドレン」の失踪事件に關わつてゐる可能性があり、巽は丈太を保護することにした。 巽は、丈太の出生の謎、消える子供達、そしてお台場に隱された財寶傳説を追ひ、お台場へと潛入する。そこには、想像を絶する陰謀が待ち受けてゐた。巽は、元上司の綠川みどりの協力を得ながら、事件の真相に迫る。 物語は、荒廢した近未來の東京を舞臺に、巽、丈太、みどりのそれぞれの視点から語られ、お台場に隱された巨大な謎が次第に明らかになつていく。 書評 伊與原新の『お台場アイランドベイビー』は、科學的な知識とミステリー要素を融合させた、獨特の世界觀が魅力の作品である。 大地震後の荒廢した東京と云ふ近未來の世界觀が、リアルに描かれてゐる。國籍を持たない子供たちの問題や、貧困、差別など、現代社會が抱へる問題がテーマとして盛り込まれてゐる。アクション、ミステリー、SFなど、多岐に亘る要素が巧みに組み合はされたエンターテイメント作品である。 物語は、荒廢した近未來の東京を舞臺に、巽、丈太、みどりのそれぞれの視点から語られ、お台場に隱された巨大な謎が次第に明らかになつていく。 登場人物たちの內面が丁寧に描かれてゐる點も、本作の魅力の一つである。巽は、過去のトラウマを抱へながらも、丈太を救ひ出さうと奔走する。丈太は、自身の出生の謎に苦惱しながらも、巽を信じ、共に事件の真相を追究する。みどりは、過去の過ちを悔いながらも、巽に協力し、事件の解決に貢獻する。 物語は、アクションシーンやミステリー要素も盛り込まれてゐるが、それらはあくまで物語を盛り上げるための要素であり、本作の主題は、登場人物たちの心の交流と成長である。 『お台場アイランドベイビー』は、近未來の世界觀、アクション、ミステリー、人間ドラマなど、多岐に亘る要素が巧みに組み合はされたエンターテイメント作品である。 伊與原新の作品は、科學的な知識とミステリー要素を融合させた、獨特の世界觀が魅力である。本作は、近未來の東京を舞臺に、國籍を持たない子供たちの問題や、貧困、差別など、現代社會が抱へる問題をテーマとして盛り込みながら、アクション、ミステリー、人間ドラマなど、多岐に亘る要素を巧みに組み合はせてゐる。 本作は、エンターテイメント作品として樂しめるだけでなく、現代社會への風刺も込められてゐる點が評價できる。 登場人物たちの心の交流と成長を描いた人間ドラマとしても讀み応へがあり、讀後、心が溫かくなるやうな感動を覺える作品である。
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なんかちょっと思っていたのと違ったな。 最近の伊与原さんの作品が好きで読んできたので、初期の作品は毛色が違うんですね。
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