太陽黒点 の商品レビュー
まずはタイトルに惹かれる。山田風太郎先生の構成はいつも面白いけど本書では死刑執行のタイムリミット形式になっていて先を読みたくなる。貧しい青年が金持ち相手に何かしでかすピカレスクロマンなのか幸少ない恋人の哀切なる青春小説なのかとやや期待はずれの感があったが… あまり書くと興を削ぐの...
まずはタイトルに惹かれる。山田風太郎先生の構成はいつも面白いけど本書では死刑執行のタイムリミット形式になっていて先を読みたくなる。貧しい青年が金持ち相手に何かしでかすピカレスクロマンなのか幸少ない恋人の哀切なる青春小説なのかとやや期待はずれの感があったが… あまり書くと興を削ぐので興味のある方は読まれたし。
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意外な結末!ミステリーと思って読んだけど、そういうつもりで読むべき話ではなかった。 なんだか肩透かしを食らってしまったのでちょっと微妙な評価になりますが、しかし、そういうつもりで読まないで最後まで物語が進んだとき、とても驚くことになるでしょう。 違う形で出会って読みたかったなぁ~
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東西ミステリー国内版48位の本作を読了。 有るパーティーで知り合った社長令嬢に"有る計画"を企てる男がいたが、、、。と言うお話。 9割恋愛、1割ミステリとは良く言ったもので、途中の処女・童貞喪失を巡る問答やその他諸々の関係性など今にも通じる感覚で物語がテンポ...
東西ミステリー国内版48位の本作を読了。 有るパーティーで知り合った社長令嬢に"有る計画"を企てる男がいたが、、、。と言うお話。 9割恋愛、1割ミステリとは良く言ったもので、途中の処女・童貞喪失を巡る問答やその他諸々の関係性など今にも通じる感覚で物語がテンポ良く展開して行きます。 そして最終章の種明かしパートでひっくり返るミステリの王道展開です。確かに、よくよく考えると1番"らしい"のはあの犯人なんですよね。 ブランデンブルクの『ビスマルクから世界大戦へ』を下敷きに、戦中派の持つ屈折した感情、戦後派が享受する快楽をうまい具合にストーリーの背骨にさてくれています。ミステリ用語で言う所のwhy done itです。 山田風太郎は高木彬光、鮎川哲也と同世代の作家のようですが、今のところは1番面白い作家だと思いました。
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法月綸太郎さんと若林踏さんのトークライブ、ワットダニットの回で話題にのぼった本。 とある青年の堕落劇かと思いきや…… 冒頭と真相をうまく繋いだこと、とある人物の怪演技首を捻りながら、しかし、どんな高尚な理由をつけたとしても結局は「羨望」なのかもしれないなと。氷河期世代を起点...
法月綸太郎さんと若林踏さんのトークライブ、ワットダニットの回で話題にのぼった本。 とある青年の堕落劇かと思いきや…… 冒頭と真相をうまく繋いだこと、とある人物の怪演技首を捻りながら、しかし、どんな高尚な理由をつけたとしても結局は「羨望」なのかもしれないなと。氷河期世代を起点にその上下世代に向け、鬱屈とした感情を育てている人はいるのではないか。物語の本当の主人公の予備軍はたくさんいると私は思う。
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これほどまで怨念に満ちて、それでいて間接的な殺人があるだろうか。さきの戦争そして戦争後の「幸せな」時代への呪詛。 15歳で日中戦争、19歳で太平洋戦争を経験した著者のミステリー。 この本は一生の記憶に残る。 「太陽黒点」、太陽でもっとも低温のシミのような場。
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恋愛小説が、青春小説が、一気にひっくり返される。 ”操りもの”では間違いなく最高傑作だろう。登場人物それぞれの苦悩をしっかり描いているからこそできるトリックだ。まさかサラッと日記の中で書かれているビスマルクの外交政策が伏線になっているとは思いもしなかった。そしてその種明かしまでの部分もグイグイ読ませるのだからもう文句はない。 動機も、戦争に全くなじみがない自分たちの世代には実感はないが、確かに日本は戦争に負けたにもかかわらず「もはや戦後ではない」などともてはやされ、瞬く間に世界でも有数の経済大国にのし上がった。しかし戦争で命をかけて敵国に立ち向かい、その結果として青春を全て戦勝に捧げた人にとってはこれは喜ばしいこととは限らない。今までに考えたことのない新しい考え方だった。
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この小説の魅力は、最後の真犯人の独白シーン、この迫力に尽きる やはりミステリは、種明かしシーンがいちばん盛り上がらないとね あらすじ等は目にしないで読むことをすすめます(ネタバレに配慮しないあらすじ紹介もあるので。廣済堂文庫のほうはあらすじでネタバラシしてます要注意)
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やっと、初山風。期待も大きかった半面、乱歩や横溝あたりを殆ど楽しめない自分には、きっと山風も…みたいな不安もあったりして。で結果、概ね感じた不安の通りだった。やっぱり自分、古めかしい会話とかを根本的に受け付けないのですね。古い貞操観念とかも含め、基本的に自分とはあまり相容れない世...
やっと、初山風。期待も大きかった半面、乱歩や横溝あたりを殆ど楽しめない自分には、きっと山風も…みたいな不安もあったりして。で結果、概ね感じた不安の通りだった。やっぱり自分、古めかしい会話とかを根本的に受け付けないのですね。古い貞操観念とかも含め、基本的に自分とはあまり相容れない世界観でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読んでいる最中は、若者の破滅を描いた青春小説としか思えなかったが、最後にある人物の独白があり、ミステリー作品へと変貌する。 事件の構造と動機に特色がある。 また、戦争による犠牲の無意味さへの作者のメッセージが込められている。 (ネタバレ) 犯人はこの犯罪を「遠隔操作の殺人」と称しており、これがこの作品の狙い、特色になっている。作品の初めの方に出てくる、ある書物の内容が事件の真相に直結する核心となっているところが実に巧妙である。 「プロバビリティーの犯罪」で、遠大で相当大掛かりな計画に基づく犯罪であり、このようなタイプのミステリーを読んだときにいつも感じることだが、そんなに都合よくいくだろうかという疑問は持たざるをえないが。 各章の「死刑執行・〇〇前」という見出しがミスリードになっているところも面白い。 動機の間接性、屈折している点も、この作品の特徴である。犯人の戦争時の体験と、その後の人生で気づかされた戦争犠牲の無意味さ。「誰カガ罰セラレネバナラヌ」というメッセージに触発されて行われた「観念」による殺人である。
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前半までの時代のもつ独特な雰囲気(斜に構えがちな大人になり切れない若さの葛藤)は好きなんですが、ミステリーとしてはいささか展開が強引すぎて白けてしまいました。
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