硝子の葦 の商品レビュー
何だかんだで歳拾いましたw ってな事で、桜木紫乃の『硝子の葦』 ホテルローヤルの前哨作なんかな? 毎度の北海道を舞台にした人間模様。 人の生きる目的、自分の生きる定義、他人の知らない生き様……。 人生深いです。 2018年45冊目
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釧路旅行が決まってからよみはじめた桜木紫乃。相変わらず硬質で緊迫感のある文章と、生真面目なストーリー展開。生真面目過ぎて、結末がよくわからなかった…。3.8
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スナックの爆発火災の現場から遺体で発見された節子は、母の愛人だった男の3番目の妻だった。… 面白かったです。 節子がなぜ遺体で発見されたのか、という話ですが、2週間の間にあった事件の真相が、節子を取り巻く複雑な環境と、短歌会の知り合いの謎めいた母娘との関係から、明らかになります...
スナックの爆発火災の現場から遺体で発見された節子は、母の愛人だった男の3番目の妻だった。… 面白かったです。 節子がなぜ遺体で発見されたのか、という話ですが、2週間の間にあった事件の真相が、節子を取り巻く複雑な環境と、短歌会の知り合いの謎めいた母娘との関係から、明らかになります。 物語半ばでうっかり見てしまったwikiに、作品の中で巧妙に隠されていた真実があっさり書かれていて、あれ?これって…と、気づいてしまったという失敗をやらかしました。 ネタバレなしで読んだら、真相がわかった時の気持ちは違っただろうなと残念に思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自由にできるお金と時間を保証され、母親の愛人と結婚した女性が主人公。夫が事故で植物状態になると同時に、平穏な暮らしが崩れていく。 母親に肉体的精神的に虐げられて育ったため、主人公は多くを望まず、目の前の雑事を淡々と受け流していく。同時に倫理観も薄く、結婚前からの男との関係も、精神の安定剤として欠かせない。 望む前から諦め、鈍感になることでしか前に進めない女性は、すべてのことに対して深入りすることを嫌う。作者の小説にしばしば登場するタイプだ。 主人公を始め、母親も夫も愛人も、短歌仲間も、誰一人として一般的な意味での「いい人」はいない。むしろ、イヤなやつばかりが登場する。 感情移入できるタイプではないのに、抵抗なく受け入れ応援したくなるのは、私自身が年齢を重ねたこともあるけれど、何より作者の筆力に依るところが大きいと感じる。正当化しようとせず、共感を求めることもなく、突き放したように淡々と描いている低温の文章が、じわじわと染み込んでくるのだ。 ひとつだけ、最後のシーンの読み取りに悩んだ。浅はかにも刑事に後をつけられていたし、残った遺骨を鑑定すればバレるから、バッドエンド。だとすると、写真を同封した手紙はそこまで意図していたのか。送れば愛人が来ることは予測できるし、でも主人公が捕まれば芋づる式に自分も…。うーん、ぱらぱらと読み返したけれど、明確な答えが出ないままで気になる。
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やや重め、設定も複雑。だけど進むごとにやめられなくなるような物語。節子よりも倫子、さらにまゆみのしたたかさが恐ろしい。打算だけではなくて、冷たいながら血の通った心情が伺える。それにしても自分の書いたものと心中とは、言い得て妙ということだろうか。
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良かった。 話は暗かったけど。 後半から冒頭に繋がって、思いがけないラスト。 話の組み立て方が面白かった。 『ホテルローヤル』より良かった。
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hi2515さんのレポを読み、 直木賞受賞作『ホテルローヤル』も読んでいたところから、 読みたいと思った作品です。 ラブホテルローヤルの経営者である夫をもつ主人公、節子。 実は夫はもとは母の愛人でした。 お金に困らない生活を手に入れた節子に対し、 屈折した思いをいだく母はときど...
hi2515さんのレポを読み、 直木賞受賞作『ホテルローヤル』も読んでいたところから、 読みたいと思った作品です。 ラブホテルローヤルの経営者である夫をもつ主人公、節子。 実は夫はもとは母の愛人でした。 お金に困らない生活を手に入れた節子に対し、 屈折した思いをいだく母はときどき、小遣いをねだりに来ます。 節子が趣味としてやっていた歌の会で知り合った倫子という女性には 夫が虐待をしている娘がいました。 節子は偶然その事実を知り、 なんとなく、倫子の家族と関わりを持つことになります。 夫の浮気癖、実母に対する嫉妬と憎悪 子供に虐待する親への敵対心 そんなものが節子の日常生活に入り込み、 やがて節子を、やるせない行動へと、追いこんでいきます。 ホテルローヤルに関わる経営者の物語でした。 ラブホテルとして利用され人間関係の裏を語り継いだ 短編集の『ホテルローヤル』とはまた違い、 ドロドロした女性心理を暴くサスペンスの長編作品でした。 ここに登場する女性達は、幸せとは言い難い。 こんなに暗い根っこのようなものを持っていて それでも日常生活を普通に送っているなんて・・・ 結構いるのでしょうか、こんな女性たち。 作者は、ラブホテルを題材に扱うだけあって、 暗い男女間のエピソードを紡いでいくのがうまいなあと 率直に思いました。 やはり・・・幸せなことに今の私には無縁の世界です。 最後になりましたが、 題名の『硝子の葦』は、節子が出した歌集のタイトルでした。
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女と男のドロドロ。 非現実的な、と思えばそれもあるかなと。 こういうの好きな人にはいいのでしょうが私にはちょっと合わなかった、という感想。 ホテルローヤルが出てきて、このネタか?とは思った。 ただ、北海道の描写だけは興味を持って読めた。 雌鹿のシーンとか。
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2013年12月24日読了。 直木賞を受賞し、またゴールデンボンバーのファンであると 公言しただけでなく例のTシャツまで着てきたという 事で、「なんか面白そうな人だ(笑)」と思って 手に取りました。 ちょっと期待値が高すぎたのか・・・まあまあって 感じでした。 登場人物にあ...
2013年12月24日読了。 直木賞を受賞し、またゴールデンボンバーのファンであると 公言しただけでなく例のTシャツまで着てきたという 事で、「なんか面白そうな人だ(笑)」と思って 手に取りました。 ちょっと期待値が高すぎたのか・・・まあまあって 感じでした。 登場人物にあまり感情移入が出来なかった。 ただ、「女は強く・脆く・強かで、自分の生きる道を 見つける為に何でも利用する」という、女の 獣的な一面が描かれているのは印象深かったかな。
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喜一郎は、岩城滉一、節子の母は夏木マリ、節子は米倉涼子、倫子は…と、思わずキャスティングを考えてしまうような、是非ドラマ化してほしい作品でした。
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