背表紙は歌う の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。特に最後の二篇が印象に残る。 成風堂が出てきて、テンションが上がった。 前作よりは、私はこっちの方が楽しめた。 前作は少しご都合主義、今作はいいところで話を止め、想像におまかせな感じで、それぞれまあ不満が少し残るけど。 そう考えると配達あかずきんはバランスよかったなと。 配達あかずきんの続き、まだ読んでないから読もうかな。 そうはいっても日常の謎って面白いんだなあ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
井辻くん第2弾(簡略化)。 良く言えば読み手の想像に委ねます、というエンディングの話が殆ど。 穿った見方をすると投げっ放し感が否めないのだが、 そこは好みの分かれるところなんだろうなー。 自分であれこれ推理して楽しむタイプの本読みさん向きか。 個人的には白黒はっきりしてほしい方なので、若干放置プレイな感じ(爆)。 他はともかく『君とぼくの待機会』で結局誰が賞を獲ったかだけは はっきり知りたかったなーなんて。 『プロモーション・クイズ』は、大の大人がなぞなぞに振り回されてる風景が なんだか微笑ましかった。 これの答えだけでも提示してくれたので、取り敢えずモヤモヤせずに済んだかな。 できれば『高石ヨウマ』じゃない方がいいんだけど(爆) 試しに贔屓チームでやってみたら人の名前にならなかったの(号泣)。 デビル大越と久保田さんという新キャラ登場。 この先どう絡んでくるのかがものすごく楽しみ。 というかこの先も絡んできてほしいなぁ。 成風堂書店のシリーズはまだ未読なのだが それはそれで話を楽しむことができたし、むしろ興味を持った。 持って行き方が巧いなぁ。 ところでこのシリーズの続きはいつ出るんだろう… というかまだ続いてくれるのかなぁ…
Posted by
出版社営業井辻君の第2弾。 作家、出版社、書店の絡みが面白い。 本を出すまで、売るまでの流れに人間模様が様々に絡み合い、夫々の思いが「本を売りたい」に繋がっていく。 今度からポップはもっと注目しよう! 可愛い書店員がいるかどうかは不確かだけど、地元の本屋さんは大事にしよう!
Posted by
一作目よりややトーンダウンで締まらない感じがしましたが、 出版業界の悲喜こもごもが相変らずおもしろいです。 取次なんて仕事があるの知らなかったなぁとか 出版社がなくなった後の本の行く末とか新刊や賞レースにまつわるドラマとか ほろりとしたりほのぼのしたり、日常の延長で楽しめるのがい...
一作目よりややトーンダウンで締まらない感じがしましたが、 出版業界の悲喜こもごもが相変らずおもしろいです。 取次なんて仕事があるの知らなかったなぁとか 出版社がなくなった後の本の行く末とか新刊や賞レースにまつわるドラマとか ほろりとしたりほのぼのしたり、日常の延長で楽しめるのがいいですね。 もはやミステリーっていうより人情劇ですが。 本を愛する人ってステキです。
Posted by
本屋さんのバイトに憧れて面接を受けたことがあります。 29歳の頃だったかな? 沢山覚えることがあるので年齢的にどうだろう…と断られました。 大崎さんの作品を読むと、 たしかに大変だな… と思う反面 自分を試してみたかったな とも感じます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
出版社営業・井辻智紀の業務日誌シリーズ第二弾。 ハートフル・ミステリと謳っているけど、ミステリ要素は薄い。 「プロモーション・クイズ」は成風堂シリーズ読んでればもっと楽しめたかも。 「ビターな挑戦者」…デビル登場 「新刊ナイト」…期待の作家の書店回りに不安要素 「背表紙は歌う」…趣味で気が合う営業ウーマン久保田からの依頼 「君とぼくの待機会」…「東々賞受賞作が決まっている」という噂が 「プローモーション・クイズ」…推薦コメントに謎のクイズ
Posted by
中規模編集社の新人営業、井辻くんががんばるシリーズ、二作目。 津波沢先生が有名な文学賞にノミネート!準備に追われている井辻くんの耳に不穏な噂が……受賞者は決まっている?果たして賞の行方は……?『君とぼくの待機会』等5編。 書店や編集社、賞についてや取次会社についての話は丁寧で面...
中規模編集社の新人営業、井辻くんががんばるシリーズ、二作目。 津波沢先生が有名な文学賞にノミネート!準備に追われている井辻くんの耳に不穏な噂が……受賞者は決まっている?果たして賞の行方は……?『君とぼくの待機会』等5編。 書店や編集社、賞についてや取次会社についての話は丁寧で面白い。だからこれをミステリとして読まないでお仕事小説だと思って読むと相変わらず十分なくらい面白い。 しかしミステリーだと思って読むと、なんだそりゃ、そんなこと?って印象になる。 なぞなぞは確かに一読だと全然わからなかったけど、答えを知ると、なんでこれを優秀らしい書店員の人々が解けないの?ってなる。 あと、他のシリーズの人々が出てくるのは嬉しいけど、ちょっと寄り掛かりすぎな気がする。鼻につく。 相変わらず井辻くんはかわいいし吉野さんは素敵だし、面白い分、このシリーズだけでしっかり独立してほしい気もする。 あかずきんの時もだけど、二作目になると急に失速するというか、肩透かしをくらうというか…期待しすぎなのかな? まあ続きを楽しみにして待つ。
Posted by
新潟にある小さな書店が経営危機に陥っている……最近では決して珍しいことではないそんな噂に、書店を廻る女性営業マンがむやみに気にしている。 中堅出版社の営業マン・ヒツジ……井辻くんが書店でおこる小さな謎に営業仲間と奮闘する「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」シリーズの第2弾。 著者...
新潟にある小さな書店が経営危機に陥っている……最近では決して珍しいことではないそんな噂に、書店を廻る女性営業マンがむやみに気にしている。 中堅出版社の営業マン・ヒツジ……井辻くんが書店でおこる小さな謎に営業仲間と奮闘する「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」シリーズの第2弾。 著者の大崎梢さんは元書店員。 デビュー作の「配達あかずきん」から続く書店員を主人公にした「成風堂書店事件メモ」シリーズとともに、本好きの読者のための仕掛けが一杯の短編ミステリ集。 このシリーズはまだ2作目だというのに、井辻くんをはじめ、営業仲間のキャラクターがしっかりと立っていて、もう何年も付き合ってきた友人のように愛着がわいています。 書店や出版社など本に携わる人々を中心にしたミステリで、提示される謎は彼らの日常のほんの小さな違和感だったりするのですが、井辻くん自身が名探偵タイプという感じではないので、営業仲間とのやり取りを微笑ましく見ている内に物語に引き込まれてしまいます。 5編の物語とも余韻を残すような締め方で、賛否あるかもしれませんが、きっと良い物語が続くんだろうなと思わせていて好印象。 5編目の作品「プロモーション・クイズ」では、前作同様「成風堂書店事件メモ」とのリンクを匂わせていて、そちらのシリーズを読んでいる人にも楽しめる作品です。
Posted by
出版社の営業マン・ひつじくんシリーズ第二弾。 出版業界、書店業界の短編が5編。 なかでも表題作『背表紙は歌う』はじんわり沁みてくるような良いはなしだった。 そして『君とぼくの待機会』は賞にノミネートされた作家が受賞を待つまでに場所を借りて関係者とともに待つことを“待機会”というな...
出版社の営業マン・ひつじくんシリーズ第二弾。 出版業界、書店業界の短編が5編。 なかでも表題作『背表紙は歌う』はじんわり沁みてくるような良いはなしだった。 そして『君とぼくの待機会』は賞にノミネートされた作家が受賞を待つまでに場所を借りて関係者とともに待つことを“待機会”というなど様々な裏話が分かって興味深かったし、その他の短編に比べてミステリ色が割合強くて面白かった。 成風堂書店の面々も出てきて 未読の私にはとても楽しみ思った。
Posted by
大学時代、駅から寮までの帰り道の途中に ご夫婦ふたりだけで切り盛りしている小さな本屋さんがあった。 ロマンスグレーのご主人と、知的で優しい面立ちの奥さんで 急にお店を休む時には、休む事情が俳句や短歌のかたちで 美しい筆字で綴られて、申し訳なさそうにシャッターに貼り付けられ、 私...
大学時代、駅から寮までの帰り道の途中に ご夫婦ふたりだけで切り盛りしている小さな本屋さんがあった。 ロマンスグレーのご主人と、知的で優しい面立ちの奥さんで 急にお店を休む時には、休む事情が俳句や短歌のかたちで 美しい筆字で綴られて、申し訳なさそうにシャッターに貼り付けられ、 私たち貧乏学生が本を買うと、必ずお釣りを多めに返してくれて 固辞しようとしても、にっこり笑って決して受け取ろうとしなかった。 卒論で、高価な洋書や音楽関係の本が必要になったとき、 やっとこれで少しは恩返しできる!と、張り切って本の取り寄せをお願いしたら 「ごめんね、こういう本をいっぱい並べたいんだけれど、なかなかそうもいかなくて うちではお取り寄せできる望みも薄いし、できるとしても時間がかかるから 気を遣わないで、都心の大きな本屋さんで買ってきてね」 と、切なそうに語った奥さんの顔や 大型書店ができて、ついにお店が畳まれて お休みのしるしの短歌を張り付けられることもなくなったシャッターが忘れられない。 そんな私だったので、「新刊本の洪水」にのまれ、溺れる中小書店を描いた 最初の『ビターな挑戦者』に涙が止まらなくて。 2篇めの『新刊ナイト』でちょっとだけ気分もニュートラルになったと思ったら、 3篇めの表題作『背表紙は歌う』で 井辻くんの出版社とはなんの関係もなさそうな可愛らしい手芸の本が並ぶ 表紙の謎が解けた途端に、あっけなく涙腺が決壊するという展開に。。。 心ある小さな本屋さんが、無念のうちにお店を畳まないで済む未来を胸に 「デビル」と呼ばれても意に介さず、取次会社で毒舌を吐きまくる人がいて 自分が崩壊させた幸せな家庭への後悔と反省を胸に 誰もが先を争って返本しようとする、倒産した出版社の本を引き取って やさしく棚に並べ続ける人がいて 本を愛する人たちは、やっぱり素敵だ。
Posted by