1,800円以上の注文で送料無料

琉璃玉の耳輪 の商品レビュー

3.6

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/06/09

尾崎緑の原作を、津原泰水がアレンジ?した作品。瑠璃玉の耳輪を着けた三姉妹に隠された秘密と、それを追う人々の様々な思惑が絡み合う。 昭和初期の和洋折衷な雰囲気とそれぞれに自分を傷つけながら生きる三姉妹の暗くはないが退廃的な空気がよく、耳輪を追う理由などおまけでしかない。しかし、なん...

尾崎緑の原作を、津原泰水がアレンジ?した作品。瑠璃玉の耳輪を着けた三姉妹に隠された秘密と、それを追う人々の様々な思惑が絡み合う。 昭和初期の和洋折衷な雰囲気とそれぞれに自分を傷つけながら生きる三姉妹の暗くはないが退廃的な空気がよく、耳輪を追う理由などおまけでしかない。しかし、なんと言っても一番は岡田明子、更に言えば明夫の存在である。愛する人のために戦う男であった彼は、まさにヒーローであった。

Posted byブクログ

2019/03/24

めっっっっちゃ面白かった・・。 好奇座の片目の美女、生き人形の美少女、彼女を囲う異形の男、多重人格の女探偵、優男の探偵社社長・・・。 どこか乱歩じみた世界観・・・ミステリ・・・異常性愛に同性愛・・・。 内容が内容だけに、誰しもにオススメできる一冊ではないけれど、めっちゃ好みだった...

めっっっっちゃ面白かった・・。 好奇座の片目の美女、生き人形の美少女、彼女を囲う異形の男、多重人格の女探偵、優男の探偵社社長・・・。 どこか乱歩じみた世界観・・・ミステリ・・・異常性愛に同性愛・・・。 内容が内容だけに、誰しもにオススメできる一冊ではないけれど、めっちゃ好みだった・・・。

Posted byブクログ

2018/10/08

15:乱歩のような、夢野久作のような、妖しく幻想的な探偵小説。登場人物、物語の舞台ともに作り物だからこその美しさと危うさに満ちていて、どんどん読み進めてしまいます。探偵小説とはいえ、事件の全貌を知る人物の存在ゆえに謎解きを楽しむつくりではありません。劇中劇を見ているような気分、か...

15:乱歩のような、夢野久作のような、妖しく幻想的な探偵小説。登場人物、物語の舞台ともに作り物だからこその美しさと危うさに満ちていて、どんどん読み進めてしまいます。探偵小説とはいえ、事件の全貌を知る人物の存在ゆえに謎解きを楽しむつくりではありません。劇中劇を見ているような気分、かなあ。雰囲気や文体がものすごく好みだったので、個人的には大当たりです!

Posted byブクログ

2017/02/16

久々に超大作を読んだ気がする。確かに江戸川乱歩らしさはあるが、おもしろかった。八重子が不憫でかっこいい。

Posted byブクログ

2016/12/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

多種多様な人物が入り乱れての冒険活劇。 胸を躍らせる設定と雑な処理が混在していて、読後感は満たされない感じです。 同性愛的設定はもっと使えたかも、と思うし、全体的に艶やかさが足りないし、異なる境遇の人間たちが不思議な糸で手繰り寄せられ共に戦うに際した痛快さも少なく、不満でした。 それに八重子と木助を殺さず、勧善懲悪大団円を貫いても良かったんじゃないかな。 八重子生存説も、読者の判断に委ねるには中途半端。 戦前の空気が味わいたかったので手に取ったのですが、やはり今っぽい感じは否めなかったです。 仕方ないことだとは思いますが残念。

Posted byブクログ

2023/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館の新刊コーナーで「翻案:尾崎翠」が目に止まって。もともと、映画脚本に応募した、女優5人のための当て書きだそうで、半端に個性的な登場人物がワラワラ出てきて、最初落ち着かない。 #こういうバランスは、京極堂シリーズが絶品だと思う。  →「半端じゃなく個性的」な人達だけど〜 「ミステリ」の体裁を取っている以上、整合性や辻褄合わせを期待して読み進むんですが、なまじっか尾崎の頑固な美学で造形されてる人達なだけに、どーにもこーにも〜 地の文も、クスリでやられてる人物(複数なんだな、これがまた)の視点になってたりすると、所謂「信頼できない語り手」状態で、どこが本筋でどこが幻覚か、わかんなくなってきて^^; #津原泰水って、「妖都」もそうだったような。  ひょっとして”視点”が弱い作家なのか??? 書くほうもその辺は投げてて、もう、後半は”違うとこで楽しんでください”的雰囲気が満溢。いいけどさー、面白かったから。

Posted byブクログ

2014/10/13

メディアにのっかって有名なった作品では無いのだが、これは傑作だと思った。まったく有名な作者ではなく、また作品も話題にはならなかったが、たしか書評をみて買い置きしておいた本の内の一冊だったのだが、時間が十分にあったこの週末がいいタイミングと思い読み始めたのだが、面白すぎてあっという...

メディアにのっかって有名なった作品では無いのだが、これは傑作だと思った。まったく有名な作者ではなく、また作品も話題にはならなかったが、たしか書評をみて買い置きしておいた本の内の一冊だったのだが、時間が十分にあったこの週末がいいタイミングと思い読み始めたのだが、面白すぎてあっというまに読み切った。古い文体や時代背景に違和感を感じる人には向かないが、かなりすぐれた探偵小説です。

Posted byブクログ

2014/08/02

耳輪を付けた三姉妹を巡る数奇な物語。狂言回しは当時の最先端、女探偵岡田明子。モダンガール尾崎翠を原案に、夢幻の変態世界へと謎が突き進んでいく。 -------- 尾崎翠が原案ってことで読むことにしたのですが、とっても面白くアレンジされていて、読みやすかったです。岡田明子の中の...

耳輪を付けた三姉妹を巡る数奇な物語。狂言回しは当時の最先端、女探偵岡田明子。モダンガール尾崎翠を原案に、夢幻の変態世界へと謎が突き進んでいく。 -------- 尾崎翠が原案ってことで読むことにしたのですが、とっても面白くアレンジされていて、読みやすかったです。岡田明子の中の明夫のキャラが好きですね。あ、これはネタバレにな……いや、もっと色々あったから、明夫云々は全然ネタバレの範疇にならない気がする。 もともと戯曲として……だったかな、うん、それで尾崎翠がそういう賞に応募したんだそうで、それを踏まえると、「いやいやいやこれ舞台に出来ないと思う……」とツッコミたくなる気持ちが抑えられません。 でも、小説としては舞台転換がたくさんあって、くるくる変わっていくのが面白いんです。語り手もたくさん出てきますし、ナレーション入れてるみたいな語り手もいて、ぐっちゃぐちゃしているのが心地よければ、おすすめです。 謎の方も、「おぉ」って感じ。なんだよ、「おぉ」って、なるかもしれませんが、ものすごく「ほぉお」ってなるわけじゃなく、ある程度予想があったうえで、「おぉ」という手ごたえなんです。 たぶん、ミステリー? なんだけど、これは別に謎自体に重きが置かれていないと思います。強いて言えば、意外な人物関係や因縁、設定に驚くのが楽しい。 そんなわけで、何をレビューしたんだか意味不明ですけど、万華鏡とか好きな方はぜひぜひ尾崎+津原ワールドを覗いて見て下さい。

Posted byブクログ

2013/04/26

帯で荒又さんが推薦してたので手に取る。 なんか読みやすいし世界観もいいんだけどもっと奥行のあるものだと思ってたのでがっかり。

Posted byブクログ

2012/01/09

尾崎翠が書下した映画脚本が原作。 著者の独自の解釈により大幅なプロット追加がなされ、冒険活劇としてまとめられた一冊。 とにかく時代的雰囲気が素晴らしく、そこが本書の魅力であるように思います。 後半のストーリーはご都合主義といえばそれまでですが、読んでいて気持ちのいい類のもの。 幻...

尾崎翠が書下した映画脚本が原作。 著者の独自の解釈により大幅なプロット追加がなされ、冒険活劇としてまとめられた一冊。 とにかく時代的雰囲気が素晴らしく、そこが本書の魅力であるように思います。 後半のストーリーはご都合主義といえばそれまでですが、読んでいて気持ちのいい類のもの。 幻想的で妖しい津原文学の雰囲気を残しつつ、実は馴染みやすいエンタテイメントに仕上がっているのではないでしょうか。

Posted byブクログ