マンチュリアン・リポート の商品レビュー
天皇への報告書と機関車の独白が交互にあって、事実が少しずつ分かってくる。 途中でやめられない面白さでした。 それにしても、張作霖、筋の通ったカッコいい生き方。 歴史の見方が変わった。
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読み出したら止まらなくなりあっという間に読了。 機関車の独白と天皇の命を受けて調査にあたり、提出している報告書が交互の章になり、事件の真相に迫っていく。 懐かしい登場人物に出会える嬉しさと激動の時代の中国でのそれぞれの思惑…天命に挑む神ではない人間だからこその想いに胸がいっぱいに...
読み出したら止まらなくなりあっという間に読了。 機関車の独白と天皇の命を受けて調査にあたり、提出している報告書が交互の章になり、事件の真相に迫っていく。 懐かしい登場人物に出会える嬉しさと激動の時代の中国でのそれぞれの思惑…天命に挑む神ではない人間だからこその想いに胸がいっぱいになり涙がこぼれる。
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昭和3年(1928)6月4日未明。 張作霖、列車ごと爆殺 ! 満州の覇権を狙う関東軍司令部の謀略説が横行するなか、誰よりも強く真実を知りたいと願った昭和天皇に届けられた満州報告書 —。 混沌の中国に張り巡らされた罠とは、天津駅で張作霖の側近3人が下車した謎とは、特別列車の密室で何...
昭和3年(1928)6月4日未明。 張作霖、列車ごと爆殺 ! 満州の覇権を狙う関東軍司令部の謀略説が横行するなか、誰よりも強く真実を知りたいと願った昭和天皇に届けられた満州報告書 —。 混沌の中国に張り巡らされた罠とは、天津駅で張作霖の側近3人が下車した謎とは、特別列車の密室で何が起きていたのか ? ・・・ 昭和史の闇に迫る浅田次郎氏『蒼穹の昴』シリ-ズ第四弾。〝「ねえ、ちゅんる(春児)。 お願いがあるんだけど」陛下(溥儀)は囁きかけられました。「はい。何なりと」 「ぼくは、もういっぺん、本物の皇帝に なりたいの。それがご先祖様やおばあちゃま(西太后)の願いだと思うから」わたくしは陛下のおみ足の先に泣き伏しました。今となっては、叶うはずのない夢でございました。「おまえから、お願いしておくれよ。ぼくがそう望んでいると知れば、将軍たちも賛成してくれるからね」...もはや頼みとすべきは張作霖しかなかった。あなたがお持ちの天命を、宣統陛下にお返し下さいと、何べん説得したことでしょう・・・「天子様が天下を取るのはあたりめえだが、貧乏人が天下を取ってどこが悪い。舐めるなよ、この宦官野郎」・・・。
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「蒼穹の昴」シリーズの4作目。 張作霖爆殺事件の真相を探る、というも形になっていて、シリーズの中では「珍妃の井戸」に似ていると感じた。過去の出来事を振り返るという形になっているので、若干、疾走感に欠ける気がした。 個のシリーズを読んで、中国史に興味を持ったので、他の本も読んでみよ...
「蒼穹の昴」シリーズの4作目。 張作霖爆殺事件の真相を探る、というも形になっていて、シリーズの中では「珍妃の井戸」に似ていると感じた。過去の出来事を振り返るという形になっているので、若干、疾走感に欠ける気がした。 個のシリーズを読んで、中国史に興味を持ったので、他の本も読んでみようと思った。
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『蒼穹の昴』シリーズを読んでなかったけれど、話が分からないことはなかったです。ただ要所要所でそこに繋がる物語の存在を感じました。面白かったので『蒼穹の昴』から読んでみようと思います。
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浅田 次郎 作品。 『蒼穹の昴』シリーズ 第4部。 前作、『中原の虹』で、長城を越えた張作霖が奉天で列車ごと暗殺される。その最期の物語。 陸軍少尉の報告書(A Manchurian Report)と、張作霖が爆殺時に乗った蒸気機関車の独白(A Monologue of Iron)が、並行して展開してゆく。 が、序章のほうが内容が濃い。結局、明治・大正は、西洋に模倣できなかったのか、追いつけなかったのか、と。日本神道普及のために、大規模な廃仏毀釈までしたというのに。 そして語る。「かつて貧しい河北の農民たちが糧を求めて長城を越えた。日本人も同様に食わせるだけの耕地がない、産業を支える資源もない。餓死するくらいなら海を越えて満州へ」と。 しかし、考える。私たちは、そのお陰?で、今日があるのかもしれない、と。 満州報告書は、残念ながらレポートの枠を超えられず、今までの作品に比べ深みがなかった気がします。ボリューム的にも仕方がないか? 印象的なフレーズ:「名誉ある撤退だよ、将軍」「負けは負けだぜ」天の星々は、かくも勇敢な人間にどうして冷たいのだろう 星は一人で読むものさ。男の旅は孤独で、連れ合いは星空ばかり。 さて、次は大作『天子蒙塵』に挑戦。
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満州は天然資源の宝庫であり、土壌はすこぶる良くかつ広大であります 市尊たるゆえに、天照大神を始めとする八百万の神々を祀る、祭主のお務めをされております。人間たるゆえのを祭主が神として祀られていることは、矛盾と申し上げるほかありません
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読み応えある昭和史ミステリー やはりこの人の昭和史を絡めたミステリーは読み応えがある。しかし本作はむしろ一連の「蒼穹の昴」シリーズに含まれるべきか。鋼鉄の独白はいかにも浅田らしい。いつも失われてしまった日本人の気高さについて書かれているように感じるのは自分の深読みか。
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関東軍による張作霖爆殺事件。真相をひた隠す軍・内閣に業を煮やした昭和天皇の密命を受け、若き陸軍将校が満州から書き送る報告書「マンチュリアン・リポート」。 まず、関係書を読んでもなかなか理解が難しい中国現代史、とくに国民党と北部軍閥の勢力争いについてここまで具体的にイメージを持て...
関東軍による張作霖爆殺事件。真相をひた隠す軍・内閣に業を煮やした昭和天皇の密命を受け、若き陸軍将校が満州から書き送る報告書「マンチュリアン・リポート」。 まず、関係書を読んでもなかなか理解が難しい中国現代史、とくに国民党と北部軍閥の勢力争いについてここまで具体的にイメージを持てたことはなかった。また、西欧列強と渡り合いながら当時なりに配慮を重ねていた山東出兵から、一線を越えて踏み越えていく辺りの過程についても、あくまで「当時の軍人の思考回路」という体裁を取りながらもわかりやすく解説。「厳密に取材されたフィクション」の強さ。 本書の中核は「英雄 張作霖」の造形だろう。本来は、「蒼穹の昴」に始まる浅田の中国現代史シリーズを最初から読むべきところ、いわば「外伝」的な位置づけであろう本書から予備知識なく読み始めてしまったのだが、北方の貧しい馬賊から身を立て、一時は中国全土に手をかけたこの風雲児に著者がいかに入れ込んでいるかはよく分かる。 「事件の全貌」については、かなり浅田氏の推察が含まれているようだ。例えば、この暗殺実行のため、関東軍は似たような規模の橋梁を二回も爆破してシミュレーションを重ねていたという。そんな記録よく見つけたな、と感心していたら、後で浅田氏のインタビューを読むと、当時の小さな記事からの浅田氏の推測だという。それはそれですごい。 浅田節とも言うべきファンタジーは今回も健在で、本事件によって脱線する運命にある機関車が独白の形で物語をかたる体裁となっている。このあたりは読者の趣味によって評価が分かれるところだろう。なお、ストーリーとしては、個人的にはラストの「秘密」はちょっと受け入れ難い展開。ただ、昭和史に残る陰謀を巡る謎解き小説としては存分に堪能することができた。
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「満州某重大事件(張作霖爆殺事件)」をテーマとした作品です。 治安維持法の改正に対して、「天皇制を悪用した暴論だ」と反論した陸軍少尉の志津。 彼は軍紀を紊乱したとして陸軍刑務所にて禁固刑を言い渡されますが、その言説が響き、天皇より呼び出されます。そして、天皇の意図とは大きく乖離...
「満州某重大事件(張作霖爆殺事件)」をテーマとした作品です。 治安維持法の改正に対して、「天皇制を悪用した暴論だ」と反論した陸軍少尉の志津。 彼は軍紀を紊乱したとして陸軍刑務所にて禁固刑を言い渡されますが、その言説が響き、天皇より呼び出されます。そして、天皇の意図とは大きく乖離した結果となっている満州のあり方について、その原因となった張作霖爆殺事件の真相を探るように密命を受け、単身中国へ渡ります。 冒頭部分の天皇陛下と志津の会談はとても理論的で納得できる論理展開で(実際にこのようなこと(一階の軍人が陛下とお言葉を交換すること)があり得たかどうか、は別として)、こういった軍人が多ければ、歴史も少しは違った形になっただろうと思いました。 満州での志津の調査報告書(マンチュリアン・リポート)も、張作霖が乗車していた汽車の視点からの語り(「鋼鉄の独白)」も、小説の作り方として非常にユニークで、また読みやすくもあり面白いと感じました。 ただ、エンディングに向けてのストーリー展開が、宦官・将軍・その他の人々が「龍玉」なるものをめぐって争っているような筋書きになってしまったことで、わかりにくい作品になっているように感じました。
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