逆説の日本史(13) の商品レビュー
江戸時代というのは、戦国時代が終わって、徳川家康が徳川家が長く続くような体制を整えたため、平和が続いたけれども退屈な時代であると思っていました。しかし江戸時代があったからこそ現代の日本の基本型が形作られたともいえるのだと言われています。 私がわからなかったことの一つに「茶の湯...
江戸時代というのは、戦国時代が終わって、徳川家康が徳川家が長く続くような体制を整えたため、平和が続いたけれども退屈な時代であると思っていました。しかし江戸時代があったからこそ現代の日本の基本型が形作られたともいえるのだと言われています。 私がわからなかったことの一つに「茶の湯」があります。有名な話に武田攻めで功績のあった滝川一益は、その褒章として茶器がを所望したのだが、与えられたのは上野国一国で、がっかりしたという。信長にしてみれば、褒章として茶器を与えれば、領土の代わりになるのであれば都合がいいだろうけれど、普通に考えれば茶器にそれほど価値はない。 千利休は、魚屋の子孫らしいのだが、織田信長に見出されて、その後豊臣秀吉に重宝されたが、秀吉の茶道とそりが合わず切腹をめいぜられるのだが、それまでに経済的にも政治的にも重要な影響力を持つようになるのだ。わからないのは、狭い茶室で、お茶を回し飲みすることのどこに夢中になるようなことがあるのだろうということだ。それに使う茶器が一国を凌駕するような価値あるものとして扱われるのもわからない。 利休は絶対平等主義を目指したからこそ誰もが低くて狭い入り口から這い上がるように入室し、狭い場所で膝を交えながら茶を飲むのだと言われても、大名たちがそれに夢中となりなんてことはない茶碗に大枚を投じるのだ。利休の死により、利休の茶道には幕が降りるわけであるが、江戸時代になってその子孫が利休好みの茶の湯の茶頭になることが許され、それは現在の三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)になるのだそうだ。 もう一つわからないのが「能」である。歌舞伎ならまだ見ていて少しは楽しいのだが、「能」となると退屈なので見たいと思わないのだが、日本全国「能舞台」は各地にあり、庶民も能を楽しんだとしか思えない。それは、能は自分で舞うことができるが、歌舞伎は自分で踊れないと言うところにその理由があったのだ。すなわち能は今のカラオケのように庶民の間で普及したのだという。 そんなことまで詳しく丁寧に教えてくれる井沢元彦氏の本はとても面白いのだ。1巻目から再読を始めて現在13巻が読み終わったところだ。最近29巻の単行本が発刊されたのだが、まだまだ再読の旅は続くのだ。
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最近は出張なんてしていないので、本当に久しぶりの出張のお供のシリーズである「逆説の日本史」を読んだ。 井沢氏の説に賛同するか、首を捻るかは別にして、毎回興味深く楽しい本。 今回は江戸初期。武断政治から文治政治に向かう過渡期であるが、恐妻家の秀忠、人斬りを楽しむ男色家の家光、病弱な...
最近は出張なんてしていないので、本当に久しぶりの出張のお供のシリーズである「逆説の日本史」を読んだ。 井沢氏の説に賛同するか、首を捻るかは別にして、毎回興味深く楽しい本。 今回は江戸初期。武断政治から文治政治に向かう過渡期であるが、恐妻家の秀忠、人斬りを楽しむ男色家の家光、病弱な家綱。家康の子孫がなんかパッとしない。 しかし変革者には著者は評価を高くする。信長しかり、綱吉しかり。
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鎖国を、三代家光の時代に、なしくずし的に成立されたことを幕末には「祖法」として敬ってしまった。成立に至る過程や、初代家康の外交政策などは忘れられ、観念としての祖法を守り続ける思考停止。 これは、平和憲法を祖法として敬う我々に酷似している。 世界情勢を理解せず、偶然を勝手に日本の力...
鎖国を、三代家光の時代に、なしくずし的に成立されたことを幕末には「祖法」として敬ってしまった。成立に至る過程や、初代家康の外交政策などは忘れられ、観念としての祖法を守り続ける思考停止。 これは、平和憲法を祖法として敬う我々に酷似している。 世界情勢を理解せず、偶然を勝手に日本の力と勘違いし、祖法を神聖なものとしてしまう思考停止。変わるのは黒船や原爆などの外圧があるときだけ。納得! というスケールの大きい日本人論。 また、二章では、大阪攻めからずっと浪人対策という観点から述べる。国政爺、天草一揆、由井正雪の乱と。急な戦後で仕事のなくなる食い詰め浪人をどうするかという政治問題
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本巻では、元禄時代にさしかかるまでの江戸幕府の鎖国政策、武断政治から文治政治への変遷、さらに茶道、歌舞伎、儒教などの文化史があつかわれています。 本巻があつかう江戸時代初期において朱子学が支配体制を正当化するイデオロギーの役割を果たしたという見方は、丸山眞男の『日本政治思想史研...
本巻では、元禄時代にさしかかるまでの江戸幕府の鎖国政策、武断政治から文治政治への変遷、さらに茶道、歌舞伎、儒教などの文化史があつかわれています。 本巻があつかう江戸時代初期において朱子学が支配体制を正当化するイデオロギーの役割を果たしたという見方は、丸山眞男の『日本政治思想史研究』(東京大学出版会、1952年)でも採用されていますが、こうした見方については尾藤正英が『日本封建思想史研究』(青木書店、1961年)においてつとに批判しており、朱子学がじっさいの政治にどのような影響をあたえていたのかということは、もうすこし慎重に判断するべきではないかと思います。 また著者は、「儒教は、こうした慰霊の問題に触れているにもかかわらず、自らは宗教(儒教)ではなく政治学(儒学)であると、言いたがる」と述べています。孔子を中心とする儒教が宗教であるということについては、たとえば加地伸行の著書などでも主張されていますが、儒教と宋学を区別せずにあつかっているのはやはり引っかかってしまいます。もっとも本書では、山本七平の主張する「日本教」の枠組みにそって「日本は儒教国ではない」というおおざっぱな議論をおこなっているにすぎないので、そのかぎりではこうした区別にあまりこだわる必要はないのかもしれません。 めっぽうおもしろい歴史の見方が語られている本シリーズですが、著者自身の「思想」が濃厚に示されているということに、いまさらながら思いいたったしだいです。
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武断政治から文治政治への変換の観点での綱吉名君論は考えたことがなかったので大いに刺激を受けた。「鎖国」が外国からの評価の翻訳だとは知らなかった(無知)
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鎖国という言葉が初めて使われたのは1800年に入ってから、それも外国人が使った言葉を訳したものが後に定着したというのがおどろき。家康さんはキリスト教を追い出したかっただけで、けっして鎖国したかったわけではなかったらしい。 現象に名前をつけたい、名前をつけて分かりやすく括りたい欲求...
鎖国という言葉が初めて使われたのは1800年に入ってから、それも外国人が使った言葉を訳したものが後に定着したというのがおどろき。家康さんはキリスト教を追い出したかっただけで、けっして鎖国したかったわけではなかったらしい。 現象に名前をつけたい、名前をつけて分かりやすく括りたい欲求が人間にはある。ぴったりくる名前をつけられると気持ちがよいし、わかりやすくて楽。でもあまりにも定着してイメージが固まりすぎると、括られる前にあった多様性や、併せ持っていた意外な一面が失われてしまう。人間楽なほうに流れてしまうから、日本史も楽なほうに流れていくよな~と思いました。 井沢さんはすごく流れに逆らっててすごい。
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流し読み。戦国時代から江戸時代初期までの変容を、主に文化的側面から解明している。筆者の知見の広さにはいつもながら驚かされるが、戦国時代編と比べると若干退屈な内容か。 第1章 徳川幕府の展開1 第2章 徳川幕府の展開2 第3章 戦国文化の江戸的変遷1 第4章 戦国文化の江戸的変遷...
流し読み。戦国時代から江戸時代初期までの変容を、主に文化的側面から解明している。筆者の知見の広さにはいつもながら驚かされるが、戦国時代編と比べると若干退屈な内容か。 第1章 徳川幕府の展開1 第2章 徳川幕府の展開2 第3章 戦国文化の江戸的変遷1 第4章 戦国文化の江戸的変遷2 第5章 戦国文化の江戸的変遷3 第6章 武断政治から文治政治への展開
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何となく、文化を中心においた巻は、少し弱いきがする。 非武装中立論の危うさを聞かされるのも、もうお腹いっぱいという感じ。
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若き日の徳川家康を苦しめた浄土真宗信徒らによる「一向一揆」。家康は勢力を増していくキリシタンに「一向一揆化」の悪夢を見た。折しも江戸城大奥では、女中のおたあジュリアを中心にしてキリシタンが増加していた―。徳川幕府による「伴天連追放令」と鎖国の裏面史を抉り、「戦国日本」をリストラし...
若き日の徳川家康を苦しめた浄土真宗信徒らによる「一向一揆」。家康は勢力を増していくキリシタンに「一向一揆化」の悪夢を見た。折しも江戸城大奥では、女中のおたあジュリアを中心にしてキリシタンが増加していた―。徳川幕府による「伴天連追放令」と鎖国の裏面史を抉り、「戦国日本」をリストラし、「徳川三〇〇年」の礎がいかにして築かれたかを解明する。
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ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目...
ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。 13巻は散漫な印象。
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