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きみのためのバラ の商品レビュー

3.7

66件のお客様レビュー

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2024/07/12
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いわた書店より 一つ一つ味わうような短編集  言葉の大切さを知る 人生をただ一気に駆け抜けていくばかりでなく立ち止まる何気ない日常も大切 世界各国で短編集  飛行機に乗り遅れて一泊することになった時のレストランで、会った女性とのたわいもない会話 結婚式直前に結婚相手が亡くなった友達を迎える悲しみ 沖縄でのとりつかれたような連夜 レシタションが世界を平和にする 国際結婚の厳しさ 言葉の壁 人生 ゆっくり立ち止まることも必要  ゆっくり食事したい 親との関係 言葉が通じない女性への恋  知らない人への信頼か警戒か  

Posted byブクログ

2024/07/02
  • ネタバレ

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きみのためのバラ 久々の池澤夏樹氏を堪能した。一つ前に読んだ「うさぎパン」がちょっとうまい作文のような作品だったので、構成、文章のうまさが余計に引き立つように感じられたのかな?と思います。 都市生活 手違いで飛行機に乗り損なった主人公が空港の近くのビストロで夕飯を食べる。そこで同席した女性との話のやりとり。それだけの話。でも、少しの幸福感と少しの不満がよく伝わってくる。 レギャンの花嫁 バリの花嫁。死者は逝ってしまったが、生者は生きなければならない。 連夜 やもめの女医さんと大学を出てアルバイトをしている主人公との交わり。後日談は作り話か?それとも本気か? レシタションのはじまり 憎しみ、対立、報復。人が争うことをやめるきっかけがあったら?そんな大人のための寓話。 ヘルシンキ ヘルシンキで交差する結婚に疲れている主人公とロシア人の妻と離婚した男。結婚を維持していくことの難しさ。 人生の広場 パリでの一時期の暮らし。パリの冬と春。人生の休息と、その先に待つ選択。 20マイル四方で唯一のコーヒー豆 カナダ北方の島々の風土、人、暮らし。突然英語しか話せなくなってしまった主人公の少年の癒しと再出発。 きみのためのバラ 持ち主不明の鞄があったことからテロを避けるために満員列車の中を妻に連れられて移動する主人公。その主人公の若かりし時の同じ満員列車の中を移動するメキシコでの体験の回想。同じ行為でもその目的によってなんと気持ちが異なることか。。。 竹蔵は「きみだけのバラ」の主人公の無償の行為がとても好きです。「ヘルシンキ」で描かれている夫婦であることの難しさも少しわかる気がします。「都市生活」の主人公のちょっと感じる幸福感が好ましく思います。 池澤氏の文章とは波長がとても合うと再確認した竹蔵でした。大人の読み物ですので、大人の方は是非どうぞ。 竹蔵

Posted byブクログ

2024/06/18

「寒さが空気の中にぎしぎしとひしめき合っている。棘の先端が表皮の裏で溶ける。百個、百個、百個」 おとぎばなしを、暖炉の脇で聞いているような、耳元で囁かれているようなそんな短編集! ヘルシンキの寒さが想像できる文章に釘付けになった!レシタションがこの世界で蔓延したらいいのにと思った...

「寒さが空気の中にぎしぎしとひしめき合っている。棘の先端が表皮の裏で溶ける。百個、百個、百個」 おとぎばなしを、暖炉の脇で聞いているような、耳元で囁かれているようなそんな短編集! ヘルシンキの寒さが想像できる文章に釘付けになった!レシタションがこの世界で蔓延したらいいのにと思った!暖炉の脇でぬくぬくと。

Posted byブクログ

2024/06/15

予約ミスで足止めされた空港の空白時間、唱えると人間の攻撃欲がたちまち萎える不思議なことば、中米をさすらう若者をとらえた少女のまなざしの温もり。微かな不安と苛立ちがとめどなく広がるこの世界で、未知への憧れと、確かな絆を信じる人人だけに、奇跡の瞬間はひっそり訪れる。沖縄、バリ、ヘルシ...

予約ミスで足止めされた空港の空白時間、唱えると人間の攻撃欲がたちまち萎える不思議なことば、中米をさすらう若者をとらえた少女のまなざしの温もり。微かな不安と苛立ちがとめどなく広がるこの世界で、未知への憧れと、確かな絆を信じる人人だけに、奇跡の瞬間はひっそり訪れる。沖縄、バリ、ヘルシンキ、そして。深々とした読後の余韻に心を解き放ちたくなる8つの場所の物語。 「新潮社」内容紹介より 8つの短編集. もっとも心に響いたのは、タイトルになっている短編ではなく、「人生の広場」 立ち止まって、寄り道してもいいかも、と思える. 結局人の心を動かすのは、人なんだよ.

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2024/04/28

頂き物の高級なクッキー缶みたいな短編集だった。上質でとびきり美味しくて(面白くて)、次から次に食べちゃいたい(読んじゃいたい)けど、もったいない気がしてちょっとずつ食べる(読む)…みたいな。ひとつひとつの満足感が高い。ンクンレみたいな言葉が本当に存在したらいいのにね。

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2024/04/19

人生の断片を切取る8編。旅する気分。 「レシタションのはじまり」寓話。ブラジル。妻を殺した男が逃亡した村。心鎮める奇妙な呪文“ンクンレ”で,争い無き世界が広がる。※都市生活/レギャンの花嫁/連夜

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2024/02/19

福永武彦に興味があったところ、その息子である作者の存在について友人が教えてくれた。短編集で、束の間に起こる出会いや別れについて綴っている。他人の人生を垣間見する感覚で読み進められてとても好みだった。最近は私生活で気持ちが疲れることが多くて、遠いところに思いを馳せるということがあま...

福永武彦に興味があったところ、その息子である作者の存在について友人が教えてくれた。短編集で、束の間に起こる出会いや別れについて綴っている。他人の人生を垣間見する感覚で読み進められてとても好みだった。最近は私生活で気持ちが疲れることが多くて、遠いところに思いを馳せるということがあまりできなくなっていたから、このタイミングでこの本を読めたのは僥倖だったかも。 多分、この先暫くは心をすり減らして生活していくことになるんだろうし、好きなものを生活の中心に据えない選択をしたのは自分だからもう何も言うまいとは思う。人生の大体の方針はかなり前に決めてしまったから、あとは細かな身の振り方しか考えられないけど、この1ヶ月半を「人生の広場」とすべく沢山本を読みたいな。

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2024/02/18

短編集が自分自身には合わないのか、なかなか読み進めるのが大変だった… お気に入りは『都市生活』『レギャンの花嫁』『人生の広場』。それぞれの国の情景が頭に思い浮かび、旅行をしているような気分になれる本だった。池澤夏樹さんの本を読むのはこれが初めてだが、どことなく品のある言葉遣いや文...

短編集が自分自身には合わないのか、なかなか読み進めるのが大変だった… お気に入りは『都市生活』『レギャンの花嫁』『人生の広場』。それぞれの国の情景が頭に思い浮かび、旅行をしているような気分になれる本だった。池澤夏樹さんの本を読むのはこれが初めてだが、どことなく品のある言葉遣いや文章で、作者の人となりが少し見えるような気がした。

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2023/10/03

池澤夏樹さんらしい文体。 文学に自然科学、化学、哲学が混ざったような。 上から目線というか、苦手な人は多いはず。 自分は好き。

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2023/09/17

世界のあちこちでの一瞬の邂逅や言葉を、丁寧に切り取って収めた短編集。『20マイル四方で唯一のコーヒー豆』が良かったなあ。

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