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小説 琉球処分(上) の商品レビュー

3.5

19件のお客様レビュー

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2022/10/19

廃藩置県で琉球王国が廃された時点からストーリーがはじまる歴史小説。清との外交禁止、琉球における鎮台の設置、尚泰の上京という3つの難題を、琉球側がいかに解決するかというところまで物語が進んだ。 本書がどこまで史実に沿っているのかは不明だが、いかんせん、琉球の役人が保身にはしりすぎて...

廃藩置県で琉球王国が廃された時点からストーリーがはじまる歴史小説。清との外交禁止、琉球における鎮台の設置、尚泰の上京という3つの難題を、琉球側がいかに解決するかというところまで物語が進んだ。 本書がどこまで史実に沿っているのかは不明だが、いかんせん、琉球の役人が保身にはしりすぎている印象を受けた。表面的なことばかり気を取られて、周りの変化に全く対応できていないのがもどかしい。 しかし、琉球役人の教養の高さにも驚いた。副島が無風流である下りは笑ってしまった。今の政治家とそう変わらない。 本書を読みながら、沖縄がよく日本に同化できたなと、その教育の素晴らしさに驚嘆せずにいれない。同時に、現在の沖縄の人々が、内地よりも愛国心が強い人が多いことにも、本書を踏まえると驚いてしまう。 また中国が、沖縄を自国領土と主張する所以も、分からなくないように思う。沖縄で分断が進んでいるのも、もとを正せば、琉球役人の蒙昧な態度に端を発しているのではないかと感じざるを得ない(薩摩侵略だけが要因でないように思う)。

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2022/05/27

2022年5月15日沖縄本土復帰50周年の節目ということもあり、本書を読み始める。明治時代の黎明期 明治5年から物語が始まる。 琉球は、当時清国と薩摩藩に両属していた。日本が明治となったことがきっかけに、清国から切り離し、日本に組み入れることを前提に政治的な駆け引きが行われた。 ...

2022年5月15日沖縄本土復帰50周年の節目ということもあり、本書を読み始める。明治時代の黎明期 明治5年から物語が始まる。 琉球は、当時清国と薩摩藩に両属していた。日本が明治となったことがきっかけに、清国から切り離し、日本に組み入れることを前提に政治的な駆け引きが行われた。 日本政府と琉球との交渉がつぶさに展開され、興味を掻き立てられる。名前を覚えるのが大変だが、それぞれの理論展開が登場人物の立場から語られる本書のスタイルに魅了された。続きは下巻へ

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2022/03/12

面白い。あまり期待していなかったという事もあるが。一応小説なので本当にこうだったか検証のしようがないが、こういう空気だったのだろうなと想像出来る。しかし琉球のお偉方の人たちにはイライラする。それは日本側の視点で読んでしまうからなんだろう。軍隊を持たず、清と日本の両方に両属してきた...

面白い。あまり期待していなかったという事もあるが。一応小説なので本当にこうだったか検証のしようがないが、こういう空気だったのだろうなと想像出来る。しかし琉球のお偉方の人たちにはイライラする。それは日本側の視点で読んでしまうからなんだろう。軍隊を持たず、清と日本の両方に両属してきたとする人たちには皇民になれというのは難しい。日本も外国の干渉を避けるためにも事を荒げず進めたい。駆け引きが面白い。沖縄を理解する上ではとても大事な物語だと思う。ついつい当たり前に日本でしょ、って思ってしまうから。今の沖縄の人たちはどう思うんだろうか。

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2021/06/20

歴史において「たられば」が禁句なのは承知していても、もしこの時に琉球が清国の下に置かれていたらどうだったのかと思わずにいられない。もちろんその後の日清関係を知る身としては、琉球人の行く末はさほど変わらなかった、あるいは却って悪くなったかもしれないとも思う。日本にとって沖縄とは何な...

歴史において「たられば」が禁句なのは承知していても、もしこの時に琉球が清国の下に置かれていたらどうだったのかと思わずにいられない。もちろんその後の日清関係を知る身としては、琉球人の行く末はさほど変わらなかった、あるいは却って悪くなったかもしれないとも思う。日本にとって沖縄とは何なのか、本書を読んで改めて考える。「沖縄県は国防のためにある」自嘲か自棄か、良朝の言葉に唸ってしまう。

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2021/01/02

2021年1冊目はKindleで、#大城立裕 さんの #琉球処分 。 沖縄の歴史を学びたいと思って手に取った本。那覇近辺の地名がたくさん出てきて、あのあたりは農村だったのかあ…などと想像しながら読んだ。 ときは明治初頭、廃藩置県にあたり、それまで薩摩藩の支配下...

2021年1冊目はKindleで、#大城立裕 さんの #琉球処分 。 沖縄の歴史を学びたいと思って手に取った本。那覇近辺の地名がたくさん出てきて、あのあたりは農村だったのかあ…などと想像しながら読んだ。 ときは明治初頭、廃藩置県にあたり、それまで薩摩藩の支配下にあった琉球がいかにして明治政府下に置かれるようになったのか。 長く中国との交易関係を続けてきた琉球と、なんとしても中国との冊封体制をやめさせたい新日本政府。 それとなくかわそうとする琉球人に、日本人官僚が辟易する様子がずっと続いた上巻でした。今の政治情勢を彷彿とさせる場面もあったり…下巻を読んで、またレビューします。 #読書記録 #沖縄本 #歴史小説

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2020/12/27

知らなかった沖縄の歴史。面白かった。 ヤマト(薩摩)と中国(明・清)の両国に属した琉球王国に対し廃藩置県に伴い国王を廃し深刻と縁を切ることを迫る新政府。採算の先延ばしをするもついに首里城を明け渡すことになる琉球。何も持たない無力な琉球。東京の政府と現地で直面する担当官との温度差。...

知らなかった沖縄の歴史。面白かった。 ヤマト(薩摩)と中国(明・清)の両国に属した琉球王国に対し廃藩置県に伴い国王を廃し深刻と縁を切ることを迫る新政府。採算の先延ばしをするもついに首里城を明け渡すことになる琉球。何も持たない無力な琉球。東京の政府と現地で直面する担当官との温度差。現代に尾を引く沖縄の根深い話。

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2020/04/28

固有名詞が難しいうえに登場人物が多くて誰が誰だったかわからなくなるし、ストーリーとしては地味なので、おもしろい!とは思えなかったけど、日本人としては知っておかなければならない内容だった。習近平が沖縄は中国領と言っているらしいけど、あながち根拠がなくもない。薩摩藩に搾取され、日本政...

固有名詞が難しいうえに登場人物が多くて誰が誰だったかわからなくなるし、ストーリーとしては地味なので、おもしろい!とは思えなかったけど、日本人としては知っておかなければならない内容だった。習近平が沖縄は中国領と言っているらしいけど、あながち根拠がなくもない。薩摩藩に搾取され、日本政府からも格別の恩恵は受けてない。昔から懸命に平和を保ってきた小さな琉球王国の最後が哀れ。新生日本としてはどうすべきだったのか?それからいまふと思いついたけど(全然調べてないけど)ひょっとするとハワイがアメリカになったのもこんなふうだったんだろうか。 佐藤優の解説がいい。今の状況と本当にそのまま重なる。

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2019/11/11

琉球っていうのは、本当に危うく微妙なバランスの上に成立している。明治になり、急速に近代化を進める日本と清の間で、ひたすら翻弄される琉球。 小説なので、全部が事実ではないだろうけど、いろいろと現代の沖縄に通じてる気はする。

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2018/11/12

明治維新直後の沖縄(琉球)の様子を小説として描いたもの。琉球の状況もさることながら、明治維新政府のやりようも窺い知ることができて興味深い。

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2018/03/09

近代国家建設を進める明治政府に翻弄される琉球。琉球にとって日本とはどのような存在だったのか?興味深い

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