獣の奏者 外伝 刹那 の商品レビュー
外伝3話。「刹那」二人とも、お互いに出会えてよかったよね。やっぱり平穏な日々ではなかったけれど、本当に二人の人生にこの10年があって良かったと思う。刹那を大切に生きる、その繰り返しで出来た人生は濃密だ。「秘め事」普段エリンを諫めてるエサルも、似たようなぶっ飛んだ人だったのね。だか...
外伝3話。「刹那」二人とも、お互いに出会えてよかったよね。やっぱり平穏な日々ではなかったけれど、本当に二人の人生にこの10年があって良かったと思う。刹那を大切に生きる、その繰り返しで出来た人生は濃密だ。「秘め事」普段エリンを諫めてるエサルも、似たようなぶっ飛んだ人だったのね。だからこその理解者なんだな。若い頃の秘め事、沁みます。「初めての…」わかるわかる。
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獣の奏者に出てくるエリンとイアル、エサルの恋のお話。作者の上橋菜穂子さん曰く、人生の半ばを過ぎた人に読んで欲しいと。回想の形で紡がれる若き日々は本編とは違った読み応えがあり、面白い。
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全編を読み終わったので、外伝は、その後のお楽しみといったところなのかしら。 「刹那」 エリンとイアル、過酷な運命に 迷いながらも 共に暮らし、子供をつくる。 相変わらず、はらはらするような展開と、胃にキューとくるエピソード。 「秘め事」 カザルム王獣保護場の最高責任者 エサル...
全編を読み終わったので、外伝は、その後のお楽しみといったところなのかしら。 「刹那」 エリンとイアル、過酷な運命に 迷いながらも 共に暮らし、子供をつくる。 相変わらず、はらはらするような展開と、胃にキューとくるエピソード。 「秘め事」 カザルム王獣保護場の最高責任者 エサル。 はじめてエリンにあったときから ずっと見守ってくれた師。 そのエサルの青春が回想される。・・・その生き様、考え方、行動、熱い思い。 読んでいくうちに エサルがエリンに重なっていく。 「初めての・・・」 元気すぎる一人息子ジェシ、エリンとイアルは精一杯の愛情を注ぐ。 その後の、話の展開は本編で知っているけれど、 外伝ならではの文章から、細やかな心の動きが伝わって味わい深い。 2012/3/14 予約 3/20 借りる。3/29 読み始め、2晩で一気に読み終わる。 内容と著者は 内容 : エリンの同棲時代、エサルの若き日の恋…。 本編では明かされなかった空白の11年間には、こんな時が流れていた−。 エリンたちが人として生きてきた日々を描いた外伝。 著者 : 立教大学博士課程単位取得退学(文学博士)。専攻は文化人類学。 オーストラリアの先住民アボリジニを研究。川村学園女子大学教授。 「精霊の守り人」で野間児童文芸新人賞などを受賞。
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エリンとイアルの馴れ初め、エサル師の若き日の恋、それぞれの選択は対照的に見えるけれど、どちらも痛いほどまっすぐで、結果を引き受ける強さと覚悟に満ちていて、胸が詰まった。児童文学の枠は軽く越えてる。恋愛のままならなさを知る大人向け。
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97:後書きで上橋さんが書いておられたように、まさしく「外伝」。本編は人と獣との物語だったけれど、外伝は人と人との物語です。エリンとイアルの馴れ初めと、ふたりが「親」となる瞬間を描いた「刹那」、エサルの過去を丁寧な心情描写で追う「秘め事」。登場人物たちがこういった背景を持っている...
97:後書きで上橋さんが書いておられたように、まさしく「外伝」。本編は人と獣との物語だったけれど、外伝は人と人との物語です。エリンとイアルの馴れ初めと、ふたりが「親」となる瞬間を描いた「刹那」、エサルの過去を丁寧な心情描写で追う「秘め事」。登場人物たちがこういった背景を持っているからこそ、本編にも厚みが出たのだと思います。同時に、これらのエピソードは本編で語られるべきことではなかったし、その的確な判断をなした上橋さんに拍手。そして、「刹那」というタイトルの的確さにも震えが走ります。
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前半はイアルとエリンの付き合い初めから同棲、結婚に至るまでをエリンの出産を待つイアルの回想という形で描かれている。 二人共自分たちが一緒になった後の困難は十分理解していたので出来るだけそうなってはならないと自覚していたのに、想いの強さには抗えなかったんだよねぇ。 そして二人共楽...
前半はイアルとエリンの付き合い初めから同棲、結婚に至るまでをエリンの出産を待つイアルの回想という形で描かれている。 二人共自分たちが一緒になった後の困難は十分理解していたので出来るだけそうなってはならないと自覚していたのに、想いの強さには抗えなかったんだよねぇ。 そして二人共楽をするのは良しとしないので自ら進んで厳しい道のりを選択してしまう。 似た者同士だから通じ合うことも多かったのだろう。 後半はエサルの若かりし頃の回顧録。 エサルにもこんな時期があったのかと。 そしてこの人も相手を困らせるのをよしとしないので、自ら厳しいイバラの道を進んでしまう。 はじめてホクリ師の元をユアンと共に訪れた時に悟った、 「すべての断片的なことは、一見ばらばらに見えるけれど、じつはなにかでつながっていて……それを見られる視点を見つけることさえできたら、この世のすべてがつながっているさまを見ることができるんじゃないかって……」 って考え方はとても共感できる。 現代の恐竜の研究なんかもまさにこれだもんな。 様々な分野の知識が結集して、発掘された化石から筋肉付き方から体の使い方、食べ方や狩りの仕方、どのような食べ物を食べていたかだけでなく、どうしてこのように進化したのか、何が原因で滅びたのかまで新しいことが沢山発見され続けているし。 話がそれた。 とにかくあれだ、エサルも結構刺激的な人生を送って今に至るってのが読めばわかる。 そんな本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エリンとイアルの出会い、エサルの過去、エリンの息子ジェシについての三つの短編です。 これが本編ではなく外伝とされていることに、 上橋先生のバランス感覚の良さを感じます。 物語の中で寄り添うことになる、もしくはそうなりそうな二人が出てくると、 二人のその後が知りたい、出会いが知りたい、というファンも多いのはこの作品に限ったことではないと思います。 自分はどちらかというと知りたくない方なので、もしこれが本編に書かれていたらがっかりしてしまっていたと思います。 本編を読んでいるときとてもイアルに惹かれていて、孤独に生きていたイアルが エリンと出会い当たり前の人間のような生活の片鱗を手に入れようとする姿に心動かされました。 今までの人生とがらっと変わってしまって呆然とするというのは、チャグムやバルサにも降り掛かった運命です。 もし自分が刺客に倒されたらエリンは身内に空洞を抱えたまま一人で子どもを育てねばならない。 独りの日々は、虚ろではあったが、平坦だった。いつ死んでもかまわぬ命の軽さは虚しいものだが、ある意味では、わが身ひとつのことだけ思えばよい気楽さでもあったのだ。 孤独から愛する人を得て逃れたイアルが、孤独の意味を捉え直し共に生きることの恐ろしさ、幸せさを噛み締めていく様子が とても良かったです。
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上橋菜穂子先生のあとがき。 「物語にもっとも美しい臨界点」 あぁ、本当に納得! 上橋菜穂子先生の作品に共通するな、と。 読者が 「この後どうなるんだろう…」 と想いをはせる余白というか。 素晴らしいの一言につきる。 まだまだ上橋菜穂子先生の作品に 出会いたい!
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もはや児童書ではない。 と、あとがきでもかかれていたが、その通り。 エサル先生の物語はすごく胸に染みた。 たぶん、今だから共感できることもあると思うし、今度再読したときにしかわからないこともあるのだろうと思った。いつかまた再読したい。
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中編。イアルとエリンの馴れ初め。エサルの人生。 本編で、エリンの一生に大きな感動を受けた身としては、「刹那」は切なすぎるな…。 この物語は、本編で描かず、外伝にして正解でしょう。 本編を最後まで楽しんだ人だけが読むべき。
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