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リア家の人々 の商品レビュー

3.7

14件のお客様レビュー

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2017/01/23

何だかずっと昔から読んでいて、読み続けているような、ずっと知っていたような、懐かしい作品。とても、面白かったです。

Posted byブクログ

2013/01/27

橋本治はずっとorthodox(正統)的な書き方で、小説を書き続けてきた。しかも、常に周りにいそうなごく「普通」な人にスポットライトを当たっている。そのところは、「普通の僕」を描く村上春樹とはいい対照になる。(村上の場合は自己基準の「普通」だが)しかも、橋本のほうは小説に歴史の重...

橋本治はずっとorthodox(正統)的な書き方で、小説を書き続けてきた。しかも、常に周りにいそうなごく「普通」な人にスポットライトを当たっている。そのところは、「普通の僕」を描く村上春樹とはいい対照になる。(村上の場合は自己基準の「普通」だが)しかも、橋本のほうは小説に歴史の重しを置く。どっちがいいというわけではないが、小説というジャンルの広がりをみせてくれたとでもいうか。 特に「リア家の人々」は戦後から東京オリンピックまでの日本を描いたことは、1970年代を出発点とする村上とは時間軸的にはつながられる。ところどころに真実を含んだセンテンスに触れると、思わずどっきとする。まさに「妙語連珠」。

Posted byブクログ

2012/11/09

annex ~小説のススメ~ 爆笑問題 太田光:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2010/12/post115115.html

Posted byブクログ

2011/09/14

前に読んだ「巡礼」がなかなかよかったので読んでみた。切り取られた時代設定がとても興味深い(終戦から東京オリンピックのあとくらいまで)。なんとなく知っていることや聞いたことがある程度の史実を織り交ぜて描いたひとつの家族の物語。でも温かくもないし感動もなく、わかりあわない、わからない...

前に読んだ「巡礼」がなかなかよかったので読んでみた。切り取られた時代設定がとても興味深い(終戦から東京オリンピックのあとくらいまで)。なんとなく知っていることや聞いたことがある程度の史実を織り交ぜて描いたひとつの家族の物語。でも温かくもないし感動もなく、わかりあわない、わからないまま終る物語。この人の描く不器用で古い男性の思考が、そういうことか、こういう人はこういう頭になっているのか、とわかるところが面白い。いつか再読したらまた違う味わいがあるかもしれない。

Posted byブクログ

2011/06/24

戦後の昭和を舞台にした父と娘3人の家族の物語。 分別と技術を持つ大人の作家が書いたと感じられる、無意味さや思わせぶりのないきちんとした小説で、最後までスイスイと読めた。 私自身は末娘の子どもにあたる世代なので、各娘たちには全く共感できず。昔の女の人は大変だね、という感じ。これ...

戦後の昭和を舞台にした父と娘3人の家族の物語。 分別と技術を持つ大人の作家が書いたと感じられる、無意味さや思わせぶりのないきちんとした小説で、最後までスイスイと読めた。 私自身は末娘の子どもにあたる世代なので、各娘たちには全く共感できず。昔の女の人は大変だね、という感じ。これは戦後の昭和を舞台にしたほとんどの小説に感じること。父の在り方には非常に感じるものがあった。 学生運動や体制・反体制といった時代の空気は正直、いまひとつわからないし、その時代を生きた人が思っているほど重要なことだろうかと感じてしまう。ひとつ納得できるのは、末娘の彼氏の石原のバカさ加減。しかし、そのバカさに見切りをつけた末娘のその後の行動は理解できす、何しろ昔の女性は生きにくかったのだなと思うばかりだ。

Posted byブクログ

2011/04/23

『リア王』を下敷きに、戦後の日本の歴史を検証しながら、父権を中心としたひとつの家族が変貌していくさまを、登場人物の感情を克明に解釈しながら描く物語。 橋本氏の小説は初めて読んだが、本当に「お勉強しました」という感想…。読むのにすごく時間もかかったし、やや疲れた。 だからというわけ...

『リア王』を下敷きに、戦後の日本の歴史を検証しながら、父権を中心としたひとつの家族が変貌していくさまを、登場人物の感情を克明に解釈しながら描く物語。 橋本氏の小説は初めて読んだが、本当に「お勉強しました」という感想…。読むのにすごく時間もかかったし、やや疲れた。 だからというわけではないが、「上手」とは思うけれども「好き」にはなれないな。個人的な好みの範疇で言えば。 それはたぶんこの小説に「省略」がないことが原因だと思う。 優れた小説には「省略」があり、そこから何を読み取るかで、読み手の能力を試される。あるいは「行間」と言うべきか。 それがないのだ。たぶん橋本氏は意識的にそう書いているのだろうと思われるが、とにかくすべてを提示してくる。 そういう小説にはあまり魅力を感じなかった。それだけである。

Posted byブクログ

2011/03/09

【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」 「文学というものは、自分で選んで作っていくものですね。自分で自分にふさわしい文学を作って、そのことをもとにして自分の人生っていうものを作っていかなくちゃいけない。本というのは、そういうもんなんですね。/それを読...

【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」 「文学というものは、自分で選んで作っていくものですね。自分で自分にふさわしい文学を作って、そのことをもとにして自分の人生っていうものを作っていかなくちゃいけない。本というのは、そういうもんなんですね。/それを読んで、「これはすごい!」と思えたら、もうその作品は自分にとっての「すごい文学」になりつつある。なりつつあって、でもそう簡単になれたりはしないというのは、やっぱり文学が評論家なんていうメンドクサイものが存在するややこしい世界だからですね。/自分は「これがいい」と思う。だからって、それがそのまんますぐれてるかどうかは分からない。人は「つまんない」と言うかもしれない。だから、そういうことが知りたくなって、友達に「こういうのがおもしろかった」と言いたくなるし、「読んでみなよ」と言いたくもなるんです。“批評”というのは、そういうところから生まれる。/本というのは、結局センスなんです。だから本の選び方というのが重要になる。まずその話をしましょう。/本というのは、自分で読まなくちゃいけない。一生懸命読みとおすというメンドクサイことをしなくちゃいけない。だもんだから、本を手に取る時にはみんな悩む。「読むなんてメンドクサイことをして、でもそれが結局はつまんなかったなんてことになったらどうしよう、時間のむだだしな」とか。それで本を選ぶ前にはアレコレと悩むわけですが、これはしょうがないですね。一度は失敗をしてみなきゃいけない。/自分の読んだ本がつまんなかったら、「自分が本を選ぶ直感はこの程度のものでしかないんだ」ということが分かるんだから、そういうレッスンを積まなければならない。CD買ったり服買ったりする時には直感を働かして、そのセレクションが失敗したら自分のせいにする。似合わない服を選んだのは自分のせいで、それをデザイナーのせいにはしないでしょうが。/センスというのは、服買う時にだけいるもんじゃない。本を選ぶのはセンスで、これはもう本を何冊も読んで磨いていくしかない。だから「失敗しなさい」と言うんですね。何度も失敗していけば、その結果、「一体自分はどういう本を読みたいんだろう?」という疑問だって浮かんでくる。「自分の読みたい本」という必然性は、そこからしか浮かびあがってこないもんです。」(橋本治)【U.K.】

Posted byブクログ

2011/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

リア王のあらすじを見ましたが、三人娘ということ以外特にかかわりはないのですかね。続編が出るのですかね。 それで終わりかよ!という終わり方でびっくりしました。

Posted byブクログ

2011/02/18

リア王をきちんと読んでないので比較のしようがないが、タイトルで宣言しているのだから、下敷きにしているのだろう。戦前、戦後の動乱期、公職追放と復権、学園闘争までの昭和史に父親、娘3人のそれぞれの思いが書き込まれていて、キャラクターに納得できるし面白い。 最後は、終わってなさそうなの...

リア王をきちんと読んでないので比較のしようがないが、タイトルで宣言しているのだから、下敷きにしているのだろう。戦前、戦後の動乱期、公職追放と復権、学園闘争までの昭和史に父親、娘3人のそれぞれの思いが書き込まれていて、キャラクターに納得できるし面白い。 最後は、終わってなさそうなので、続くのかな。

Posted byブクログ

2011/01/04

昭和初期のたわいも無い家庭を描かれた小説である。先だたれた妻と三人姉妹との女性ばかりの家庭環境が、みょうに身近に感じた。昔ながらの男子は、家事もやらず、動かず、語らず、硬い生き方がしみじみと感じ取れた。しかし、いつの時代でもどんな小説でも、女性は強く感じる(笑)また、男は、いつの...

昭和初期のたわいも無い家庭を描かれた小説である。先だたれた妻と三人姉妹との女性ばかりの家庭環境が、みょうに身近に感じた。昔ながらの男子は、家事もやらず、動かず、語らず、硬い生き方がしみじみと感じ取れた。しかし、いつの時代でもどんな小説でも、女性は強く感じる(笑)また、男は、いつの時代でも同じ生き物だ(^-^)

Posted byブクログ