死刑台のエレベーター の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高利貸のポールグリを自殺と見せかけて殺害したジュリアン・クルトワ。証拠になると思われる書類を焼却しようと乗り込んだエレベーターの中に閉じ込められてしまう。彼の妻ジュヌヴィエーヌが目撃したジュリアンの車に乗り込む男女。夫の浮気と勘違いし取り乱すジュヌヴィエーヌ。ジュリアンの車を盗んだフレッドとテレザ。テレザの妊娠からぎくしゃくする二人の関係。妻を病気療養に連れだしたブラジル人ペドロ。ペドロの金を目的に札がしてしまうフレッド。フレッドとテレザの自殺。エレベーターから脱出したジュリアンの逮捕。容疑はペドロ夫妻殺害。アリバイを立証するために自分の犯罪を告白するが・・・・。
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有名すぎるほど有名な映画の原作。 残念ながら映画は未見。 なので比較できないのだけど、これはこれでよく出来たサスペンスだと思う。 完全犯罪を犯したために前にも後ろにも進めなくなってしまった男の悲喜劇。 男がエレベーターに閉じ込められている間の周りの人々の描写が、やがてパズルのピ...
有名すぎるほど有名な映画の原作。 残念ながら映画は未見。 なので比較できないのだけど、これはこれでよく出来たサスペンスだと思う。 完全犯罪を犯したために前にも後ろにも進めなくなってしまった男の悲喜劇。 男がエレベーターに閉じ込められている間の周りの人々の描写が、やがてパズルのピースがあるべきところに戻るかのように嵌っていくかのようで怖い。 ラストのセリフも効いている。 もうこれだけで映画はいいや。
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観たことはなくてもマイルス・デイヴィスが即興でBGMを付けたという逸話は知っていました。アリバイ工作も完璧に自殺に見せかけて完全犯罪をやってのけたのに守衛が電源を切ってしまい週末の間エレベーターに閉じ込められてしまい、ようやく出られたら身に覚えのない別の事件の犯人として逮捕されて...
観たことはなくてもマイルス・デイヴィスが即興でBGMを付けたという逸話は知っていました。アリバイ工作も完璧に自殺に見せかけて完全犯罪をやってのけたのに守衛が電源を切ってしまい週末の間エレベーターに閉じ込められてしまい、ようやく出られたら身に覚えのない別の事件の犯人として逮捕されてしまった男のジレンマを描いたサスペンス。意外だったのは早々に閉じ込められた男がなかなかエレベーターから出られないこと。解説を読んでなるほどと思いましたが、タイトルがあまりにも印象深いもののエレベーターもひとつの因子に過ぎず、ものごとは結局いろんなことが折り重なって、絶妙のバランスである状況が作られるのであってちょっとした微調整では結末は回避できないことを淡々と描いた作品でした。『予告された殺人の記録』を思い出しました。それにしても、閉じ込められ男の妻ジュヌヴィエーヴにはイライラ(映画版には出てこないようです)させられました。
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アクシデントでエレベーターに閉じ込められたことにより完全犯罪が崩れてしまった男と、それとは違うところで起こった若い男女の退廃的な旅が、奇妙に交差していく運命のいたずらを描いています。 閉鎖的な空間でひとり焦る男が、どんどん暗い思考の海に沈んでいく様がサスペンスフルです。 そしてこ...
アクシデントでエレベーターに閉じ込められたことにより完全犯罪が崩れてしまった男と、それとは違うところで起こった若い男女の退廃的な旅が、奇妙に交差していく運命のいたずらを描いています。 閉鎖的な空間でひとり焦る男が、どんどん暗い思考の海に沈んでいく様がサスペンスフルです。 そしてこれとは別に進む男女の関係が不穏な気配を帯びていく様も緊張感があり、この2つのストーリーが最後に思わぬ結末に結びつくのがうまいです。 実に皮肉ったラストで、自業自得とはいえなんとも後味が悪い思いがしました。 読む前にあらすじをみて、エレベーターに閉じ込められたところからもっと多くの展開があるのかと思っていましたが、あらすじ以上のことが起こらなかったのにはちょっと拍子抜けでした。
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あらすじ読んでから本編に愕然とするのは初めてだ。 古畑任三郎をブラックにした話。えぐすぎる。犯人に同情してしまうわ。
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資金繰りに窮したとある中年の経営者が金貸しを殺害、証拠を消して立ち去ろうとしたときに、置き忘れた証拠となる書類に気がついた。 慌ててもう一度ビルの中に戻りエレベータに乗ってその証拠を取りに行くが、途中でエレベータの中に閉じ込められる。 36時間閉じ込められている間にビルの前に止め...
資金繰りに窮したとある中年の経営者が金貸しを殺害、証拠を消して立ち去ろうとしたときに、置き忘れた証拠となる書類に気がついた。 慌ててもう一度ビルの中に戻りエレベータに乗ってその証拠を取りに行くが、途中でエレベータの中に閉じ込められる。 36時間閉じ込められている間にビルの前に止めていた車を盗まれて・・・ と50年も前の作品なのに、まるで米国ドラマ「24」を見ているように次々とエレベータの中、妻、車を盗んだカップルと登場人物が切り替わって状況が変化していく映像を観ているような感覚。そして、それぞれに不条理な結末が。 こういうなんというか、やりきれなさというか、因果というか、そういうモノをテーマにした作品は結構好きかも。 小説と映画は設定が違うらしいので、当時の映画と日本で公開する作品も見比べてみたい。 ただ、フランス文学やロシア文学の会話文は難解。細かなニュアンスを読み取るのは難しい。
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ちょっとした運命のいたずらから 3組の男と女の不信と愛、そして罪を背負わされる 不幸な男の物語 買い逃していたので待望の再版
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