神の棘(1) の商品レビュー

須賀しのぶ【著】

2010/10/15

１９３５年、ドイツ。
若く優秀な保安情報部員アルベルトは、党規に従い神を棄てた。
そして上官のハイドリヒから、ヒトラー政権に反発する国内カトリック教会の摘発を命じられる。
一方、アルベルトの幼馴染マティアスは、大恐慌で家族を失くし、修道士として静かに生活していた。
道を分かたれたはずの二人が再び出会ったとき、友情と裏切りに満ちた相克のドラマが幕を開ける。

『芙蓉千里』が面白かったので名前を覚えていて、書店で見かけ気になったので借りてみました。
が、これって全２巻完結だったのですね。
どうりで長いプロローグという印象でした。

ナチがユダヤ人を迫害していたのは知っていましたが、共産主義者、キリスト教とも対立していたとは知りませんでした。
敵対視するものへの容赦ないやり口。人ってこんなに残酷になれるんだ。

正直アルベルトがもっと芯から冷酷で厭なやつだったらよかったのに。
友人や妻へ対しては普通の人なんだよねぇ。。。
けれど「仕事」は巧くやっちゃうという二面性が、逆に恐ろしかったです。
あと気になったのは奥さん。性格ブレすぎ。

それにしてもここで「続く」というのは殺生です。
歴史的にはこの先どうなっちゃうのか、というのは知っているだけに余計に気になってしまいます。
早く２巻が届かないかな。

2010/10/15

ナチス政権下のドイツを舞台にした歴史ロマン。カトリック弾圧を題材にエリート将校と修道士、幼なじみふたりの友情と裏切りが、重厚かつ繊細な文体でサスペンスフルに描かれる。かいまみえる神、信仰といった深刻なテーマも興味深い。
さらなる激動を予感させつつ1巻終了。いざ2巻へ。

2010/09/13

ナチスというとユダヤ人虐殺くらいしか知らず
その実態や内情を、内外の人間を登場人物として
知ることができた。フィクションではあるが、あの時代の
不穏な雰囲気を感じる。

2013/02/11

須賀しのぶさんらしい題材と読みごたえでした。私自身に、近代ドイツ史に関しておおまかな知識しかないのが悔やまれました。

2010/09/07

須賀しのぶは大好きな作家のうちの一人ですが、須賀さんの一般向け小説を読むのは初です。
でも周知のとおり出身のコバルト文庫でも「……少女向け？」っていう小説ばかりの方なので、あいかわらずおもしろく読みました。

ナチス政権下におけるキリスト教のありかたが非常に興味深かったです。
バチカンてこの時代はまだけっこう権力強かったんだな…現代もなにげにヨーロッパでは権力あるのかな？

レーベルにあわせてミステリ仕立てにした、とどこかで読んだのですが、なるほど、全体的に海外ミステリっぽい。
「このミス」海外ミステリ編に間違ってランクインしたらおもしろいのに。（するわけない）

次巻も期待！

2010/08/03

こんなところで終わりおった……！とじたばたしたくなる様な感じ。
とりあえず最終巻が楽しみなような怖いような。

2011/07/20

神を捨てた男と、神を選んだ男。道を分かたれた幼馴染の二人が、再び出会ったとき物語は動き出す。1935年から1940年、ナチ台頭のドイツを舞台に保安情報部（ＳＤ）員アルベルトと修道士マティアス、立場の違う二人の友情と裏切りを、激動の歴史とともに描きだす、全2巻の1巻目。まだ2巻目があるので、どうなるのかわかりませんが、大変楽しめました。続きがすごく気になります。ただ、須賀さんの本はいつもそうなんだけど、誤植が大量にあって、そこがちょっと残念でした。