ワイオミング生まれの宇宙飛行士 の商品レビュー
表題作(浅倉訳)だけめちゃくちゃ面白い、他(アンソロジー編んだ人の訳の作品)は普通 or 微妙で笑ってしまった。時間SF傑作選の方は最高だっただけに残念
Posted by
《目次》 ・「主任設計者」アンディ・ダンカン ・「サターン時代」ウィリアム・バートン ・「電送[ワイア]連続体」アーサー・C・クラーク & スティーヴン・バクスター ・「月をぼくのポケットに」ジェイムズ・ラヴブローヴ ・「月その六」スティーヴン・バクスター ・「献身」エリ...
《目次》 ・「主任設計者」アンディ・ダンカン ・「サターン時代」ウィリアム・バートン ・「電送[ワイア]連続体」アーサー・C・クラーク & スティーヴン・バクスター ・「月をぼくのポケットに」ジェイムズ・ラヴブローヴ ・「月その六」スティーヴン・バクスター ・「献身」エリック・チョイ ・「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」アダム=トロイ・カストロ & ジェリイ・オルション ・ 編者あとがき――宇宙開発の光と影
Posted by
この書籍では、発売された年まで発表されたSF小説集です。その分野の中で「宇宙開発」をテーマにした小説が収録夷されています。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中村融が編んだアンソロジーで、7作中6作が中村融本人の翻訳作品ということで、アンソロジストとして、信頼できるのだろうかと不安になりながら読み始め、冒頭の4作品が個人的には全然面白くないというガッカリ展開。 しかし後半は悪くない。「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」はかなり面白かった。 アンソロジーで収録作が7作品のみというのもちょっと物足りないし、「宇宙開発モノ」に限定した結果、必然的に似たような設定が多くて、飽きてしまったのはなんとももったいない。
Posted by
ずーっと積ん読状態だった宇宙開発アンソロジー。「天の光はすべて星」クラスの胸焼けがするようなべたべたな宇宙愛の話がつまっていたらどうしようと、腰が引けていたのです。でも、納められた作品群は現実の宇宙開発の歴史と虚実取り混ぜたビターな感じ。表題作はも差別問題をも絡めたすごい皮肉な作...
ずーっと積ん読状態だった宇宙開発アンソロジー。「天の光はすべて星」クラスの胸焼けがするようなべたべたな宇宙愛の話がつまっていたらどうしようと、腰が引けていたのです。でも、納められた作品群は現実の宇宙開発の歴史と虚実取り混ぜたビターな感じ。表題作はも差別問題をも絡めたすごい皮肉な作品だし、「月を僕のポケットに」なども華々しい宇宙計画に参加したくてもできない人々の執念というか妄執を描いていてすばらしい。編者のセンスが光る作品集ではないでしょうか。
Posted by
「宇宙開発」という狭い主題で一人の選者によるものだからか 似た味わいの作品が続いてややもたれる 選集なりではあっても出色な作品がなく残念 「宇宙開発がなぜ進まないのか→利益がないから それを打ち破るのは漢の浪漫なんだ」 で終わりでその先がない ハインラインや古典ならそれで良いが...
「宇宙開発」という狭い主題で一人の選者によるものだからか 似た味わいの作品が続いてややもたれる 選集なりではあっても出色な作品がなく残念 「宇宙開発がなぜ進まないのか→利益がないから それを打ち破るのは漢の浪漫なんだ」 で終わりでその先がない ハインラインや古典ならそれで良いが21世紀現在まだそこか 『主任設計者』The Chief Designer Andy Duncan ★*4 ソ連のやや仮想宇宙開発もの ろしあんな風味は良いけれど「主任」の推し方がややくどい もっとあっさりからりでよかった 『サターン時代』In Saturn Time William Barton ― この選集の性格をもっとも現した一作 宇宙開発史の細部にこそ興味がなければよくわからない たとえていうならテレビゲームハード興亡史に興味がないひとがゲーハー板でセガに対する愛をつづったものを読んでもわからないのと同じようなものか 違うか 『電送連続体』The Wire Continuum Arthur C. Clarke & Stephen Baxter ★*4 いかにも共著クラークな作品 英文字文化に浴していないとよくつかりがたい文体 量子テレポーテーション自体はエンタメとしてのSFにも良く合うはずなのに なぜかあまりみないのは不思議 『月をぼくのポケットに』Carry the Moon inn My Pocket James Lovegrove ★*3 編者がこの作品を愛するのはわかるが 肝心の宇宙開発愛が作品として浮いているし ジュブナイルな話としては落ちももうひとつ ゆえにこの本だからこそ収録された一編とは確かに言える 『月その6』Moon Six Stephen Baxter ★*4 作者が同じだから当然ながら『電送連続体』と同じく いかにも翻訳SFな感じの作品 水準以上ではあるだろうけどそれ以上ではない 『献身』Dedication Eric Choi ★*4 共に並ぶ作品らと同じく宇宙開発は漢の浪漫で情熱で感傷で 「科学そのものだけでは興味をそそらない。視聴率を稼ぐのは人間ドラマだ。(『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』より)」 というマスコミのやりくちそのままがこの本にも当てはまる。 SFがそういうものを含むことを否定したり歓迎しない意味ではもちろんなく 『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』The Astronaut from Wyoming Adam-Troy Castro & Jerry Oltion ★*4 山本弘作品みたいなお話だ
Posted by
宇宙『開発』SFアンソロジー。どれも素晴らしかったのだが、個人的にはサターン時代、表題作、月を僕のポケットに・・・すいません、ぶっちゃけ全部良かったので優劣つけられません。読んでて、やっぱり「宇宙開発が好きなんだ」と再認識出来た。
Posted by
宇宙飛行士は勿論、研究者としてでも宇宙探査の一端にでも携わりたいなんて思ったことのあるものなら 虚実の入り混じった作品の中に共感や郷愁を覚えてしまうものがあると思う。 今世紀、宇宙開発もっと進んでいると信じていた…
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どの作品も面白かった。中でも実際に存在した計画を下敷きにしているらしいめくるめく並行宇宙ものの「月その六」や『火星の人』とついつい比較したくなる火星有人探査ものの「献身」が好きである。でも一番は表題作で語り口も凝っていて最高に良かった!! 表題作は、宇宙開発とマスコミ、大衆、政治との関係をユーモアを交えて風刺した作品とも思えるし、純粋に宇宙に憧れ宇宙飛行士を目指す少年とその少年を導こうとする天才宇宙工学技術者の紆余曲折ありの物語でもある。そして二人はとても魅力的に感じた。語り口は凝っているし、二度読みすると初めは気づかなかった点も発見できて更に面白かった。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 【以下はネタバレ、そして未来の自分が身悶えするために備忘録である】 主人公のアレックスも語り手のコリンも魅力的である。二人の友情が利己的な各々の目的の上に築かれている点がまず良い。目的実現のために目標を次々とクリアする姿も憧れる。また、科学技術的思考の持ち主でありながら客観的論理的には対処出来ない問題(マスコミ・世論やそれらを恐れる上層部)には倫理的には少々問題があっても現実的効果的に対応する姿は逞しいと思った。ただ、それが出来るのは、目的を実現できるだけの準備が整っていることを客観的(訓練採点表、テスト得点、シミュレーター記録)に示せているからだと思う。 あとP463にてアレックスが言う「われわれには頭脳があり、知覚がある。なぜそれを・・・」はしびれるし、P439~P440前半に掛けてのコリンが語る箇所、要は「あとは・・・信じるしかない」という思いは技術者の端くれとして共感した。 アレックスのユーモアが結末を感傷的なものだけで終わらせていないのも良い。
Posted by
SFマガジン50周年記念アンソロジー。「ここはウィネトカなら~」を読んだ際に全部で3冊ある事を知り勢いで読むことにしました。最初が改変歴史物で元の史実をよく知らないから「?」と言う感じでしたが、「月その六」は目まぐるしいパラレルワールド、「宇宙兄弟」で月面活動中に空気が無くなる巻...
SFマガジン50周年記念アンソロジー。「ここはウィネトカなら~」を読んだ際に全部で3冊ある事を知り勢いで読むことにしました。最初が改変歴史物で元の史実をよく知らないから「?」と言う感じでしたが、「月その六」は目まぐるしいパラレルワールド、「宇宙兄弟」で月面活動中に空気が無くなる巻を思い出す「献身」は短いながらもスリリング、スケール感が飛び抜けている「電送連続体」、「月を僕のポケットに」はアポロに夢中になった少年の夢を描き最後だけちょっぴりSFでちょっと感動、そして「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」は流石に表題作だけの事はある、話の区切り毎に入るゴシック体のタブロイド見出しが笑ってしまう程面白く、見た目が宇宙人そっくりに生まれてしまった主人公が宇宙を目指すと言う下手すればベンジャミンバトンの二番煎じになってしまう話を感動巨編にしてしまうストーリーの巧さ。宇宙開発というくくりだけで色んな形のSFを詰め込んだごった煮的な面白さでした。最初が馴染めなかったので★4つ!
Posted by