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若き日の友情 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2021/01/25

辻邦生 北杜夫 二人が、作家として成功する前(20代初〜30代初)の180通ほどの手紙。実際の手紙もいくつか掲載。北杜夫氏のトーマスマンのシュールな似顔絵があったり、まだ書き足りないと言わんばかりに 字で埋め尽くされた手紙だったり、とても良かった 特に用件なく、近況報告程度の...

辻邦生 北杜夫 二人が、作家として成功する前(20代初〜30代初)の180通ほどの手紙。実際の手紙もいくつか掲載。北杜夫氏のトーマスマンのシュールな似顔絵があったり、まだ書き足りないと言わんばかりに 字で埋め尽くされた手紙だったり、とても良かった 特に用件なく、近況報告程度の手紙のやりとりとしては、かなり頻繁。付き合い初めの恋人並み。 辻邦生の人生観みたいなものが垣間見える お互いにこの世の滑稽さも〜虚名の甘味も大金の至便さも心得ているのだから〜遊星から流れてきた男のように、人間たちとたわむれることだ〜人間たちとしかできない遊びを、高貴に、憂鬱に、爽快に、ときに 深刻にたのしもう 世界という現実が我々の前にあり〜我々は日本語によって この唯一の世界という現実を表現するにすぎない ともかく病気の間は病気の中にもぐりこんで、のんきに構えて下さい。のんきだと〜いいチエも浮かびます

Posted byブクログ

2013/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2人の作家が20歳、22歳のときから始まった往復書簡の数々。あまりにも頻繁なやりとりに驚きです。1948年から61年までの160通を超える往復に親密さを感じ、驚きです。そして途中からは辻の奥さん、佐保子が加わったりして。文学論が出てきたり。私の好きな北の作品が「幽霊」ですが、辻夫妻がこの本を大変高く評価していて、度々言及されるのは嬉しい限りでした。辻によれば「幽霊」は「抒情的気分と一種の形而上学的な瞑想的な調子のところは流石にマンの息子らしく気品があり、何度も読み返しました。」【54年5月7日】とのこと。小説でも「詩」性があるものが、本当の文学との主張には全くその通りだと思います。

Posted byブクログ

2013/05/23

辻邦生と北杜夫の往復書簡集。出だしが「僕のリーベ」で始まる書簡集。 互いに相手の才能を本人以上に信じ、敬愛しあった様子がみてとれる。 一足早く作家として成功した北の試行錯誤や煩悶に、辻はこまめで真摯な批評をし、遠い異国の地で何者にもなれないと焦燥する辻に、北は根気良く熱心に文筆活...

辻邦生と北杜夫の往復書簡集。出だしが「僕のリーベ」で始まる書簡集。 互いに相手の才能を本人以上に信じ、敬愛しあった様子がみてとれる。 一足早く作家として成功した北の試行錯誤や煩悶に、辻はこまめで真摯な批評をし、遠い異国の地で何者にもなれないと焦燥する辻に、北は根気良く熱心に文筆活動をするようかき口説く。 1948年から辻がパリ留学を終えて帰国する1961年までの書簡だが、黎明期互いに相手の信頼に応えるように切磋琢磨した二人の信頼関係は帰国後も変わらず、その稀有な友情は晩年まで続いた。再読。

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2010/09/17

辻邦生と北杜夫の魂の結びつきは稀有なものだと思う。手紙の文面からも互いに存在の支えになり、お互いを高め合っているのがよく分かる。

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2011/07/16

共に著名な文学者として名を馳せた二人が、若き日に同じ高校の同級生として親交を深めていた事実に驚く。入学年次も専攻も違ったものの、二人は旧制松本高校の同級生であった。この本には、1948年3月10日から61年5月15日までの、ふたりの間で交わされた161通が収録されてる。日本アルプ...

共に著名な文学者として名を馳せた二人が、若き日に同じ高校の同級生として親交を深めていた事実に驚く。入学年次も専攻も違ったものの、二人は旧制松本高校の同級生であった。この本には、1948年3月10日から61年5月15日までの、ふたりの間で交わされた161通が収録されてる。日本アルプスのふもと、風光明媚な松本の町で、愛好するドイツ文学をきっかけに、類まれな友情をはぐくんだ二人は、大学進学後も交流を続ける。家業の助けのために医学の道へ進んだ北杜夫は仙台の東北大学へ。一方、卒業年次でも後れを取った辻邦生は、松本にとどまり一年後に東大仏文科へと進む。最初の手紙は、辻さんが22歳、北さんが20歳の時のものだ。共に文学を志しながら、お互いの作品を批評し合う二人は、遠隔地での交流を手紙と葉書に託す。やがて数年後、いよいよ北が小説誌に作品を発表し、辻は妻と共にパリへ留学を果たす。二人の交流は、北が「どくとるマンボウ」としてパリに遊んだ頃をピークに、長い手紙によるやり取りを盛んに行うものとなる。電子メールもそれこそ電話も使えない、手紙の時代らしい人間同士のスローな付き合い方が何とも奥ゆかしく懐かしい。

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2010/08/22

作家の書簡集とかにはほとんど興味はないのですが、北杜夫さんと辻邦生さんは、お二方ともぼくにとってはちょっと特別な存在ですので。

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2010/08/04

辻邦生が亡くなって久しい。若き日の辻と北杜夫、それに辻佐保子さんの書簡を読むことができ、また丁寧に読み返したくなった。

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