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ドゥルシネーアの休日 の商品レビュー

3.4

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

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2023/03/02

タンポポを遺体に添える連続殺人が発生した。それはある事件の模倣、正確にはタンポポではなく菊だったが一人の探偵によって終結した物語。それに気づいた一人の刑事は執拗に探偵の過去を付け狙う。  少女は祈りを捧げていた。自身の行った罪に向き合い、どのような罰が自分に相応しいかを考えていた...

タンポポを遺体に添える連続殺人が発生した。それはある事件の模倣、正確にはタンポポではなく菊だったが一人の探偵によって終結した物語。それに気づいた一人の刑事は執拗に探偵の過去を付け狙う。  少女は祈りを捧げていた。自身の行った罪に向き合い、どのような罰が自分に相応しいかを考えていた。小学生にて連続爆破事件を引き起こした彼女を警察に促したのはあの探偵だった。  探偵の右腕は不死身だった。その生命力を生かして幾つもの難事件を力を持って解決してきた。彼に生きる意味を与えたのは紛れもなく彼女だった。  この作品に探偵はいない。だが誰もが彼女のことを思っていた。佐藤誠に引導を渡した“月島凪”という名探偵を。  舞台を遠海市にする一連のシリーズだ。連続殺人犯・佐藤誠を警察に突きつけた名探偵・月島凪に触れる。だが探偵自身が出てくることは無い。ドン・キホーテのドゥルシネーアのように思われるだけの存在なのだ。  推理あり、サスペンスあり、バトルありの超絶エンターテイメントだ。舞台を同じくする作品群なのにどうしてこうも多種多様な面白みを出せるのか。最期の展開にはどきりとする。次は絶海の孤島で会いましょう。

Posted byブクログ

2014/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タンポポは主張している。 自分が四人を斬殺したことを。 そして、凶器を変えて犯行を続けることを。 正直なところいままでの詠坂作品で群を抜いてつまらなかった。 第一部もギリギリ読めたといっていい。 第二部の罪人がどうとか罪がどうとかも、ここではしつこすぎる上にリアリティがないように感じた。 第三部に至っては耐えられないアクションもので、セリフだけ追った。 一番おもしろかったのが、金正日を追って北朝鮮へ行くと言った失踪中の月島凪の存在感。 これを正統本格で読んでみたいとも思うが、背景が背景だけに難しいか。 ミステリ  :☆☆ ストーリー :☆☆ 人物    :☆☆ 文章    :☆☆☆

Posted byブクログ

2014/02/12

第一部は警察小説、第二部は学園ミステリー、第三部はハードボイルドとコロコロとジャンルが変わる構成が面白いです。 事件自体は地味で物足りないですし、動機もあまり納得出来ないなど首を傾げたくなるところはありましたが、犯人を告発しようとしたらあっさりと自白されるところや、最後まで名探偵...

第一部は警察小説、第二部は学園ミステリー、第三部はハードボイルドとコロコロとジャンルが変わる構成が面白いです。 事件自体は地味で物足りないですし、動機もあまり納得出来ないなど首を傾げたくなるところはありましたが、犯人を告発しようとしたらあっさりと自白されるところや、最後まで名探偵が登場しないところなど、アンチミステリーを匂わせる人を喰ったような展開は楽しめました。

Posted byブクログ

2015/02/16

模倣犯の動機、ねぇ。ミステリの未開拓の領域にスポットを当てる観点がすごい。しかも物語としても面白いし。そろそろこの人のファンを名乗ろうかな。

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2012/03/27

この作者の作品は感想が書きにくいな。 犯人も予想外だったし、月島さんの仲間のとった行動も面白いんだけど、いまひとつ読んでて地に足がつかない。 登場人物の行動とか心理がぶっとびすぎてるのかな。 後味悪い最後は相変わらず。

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2012/02/01

詠坂雄二は初読みですが、他の作品とリンクしているよう。 登場しない名探偵月島凪の存在やメインの事件は少々予定調和的ですが、仄めかされていた事は果たしてこの事件だったのか、あるいはこれから続く物語なのか。 暴力を好みながら、自分のためには動機を持たない藍川慎二など、キャラクターは中...

詠坂雄二は初読みですが、他の作品とリンクしているよう。 登場しない名探偵月島凪の存在やメインの事件は少々予定調和的ですが、仄めかされていた事は果たしてこの事件だったのか、あるいはこれから続く物語なのか。 暴力を好みながら、自分のためには動機を持たない藍川慎二など、キャラクターは中々魅力的でした。

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2012/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読後、これって何かのシリーズだったの? と思わされた作品でした。 そうではないんですよ、ね……? 何となく超人の名探偵(これが終始登場せず)のほかのお話でもあるのかな、とか。 不死身の男だったりとか、そんな設定も。 当初よりこいつ明らかに怪しい、って言う感じは漂っていたのですが、間違いはなかったですね。 ただ、最後のオチというか、そういうのが釈然としないというか。 ジャパニーズホラー的なイメージをしているのかな、と思いました。うーん。

Posted byブクログ

2010/11/02

「遠海事件」「電氣人間の虞」ともほんのり繋がる本作。月島凪のエピソードも序盤から登場し、ワクワクもさらに加速(タイトルのドゥルシネーアは月島の事)。エピローグ(4部)を除く、1部、2部、3部それぞれが警察小説、青春ホラー&ファンタジー、ハードボイルド&アクションと...

「遠海事件」「電氣人間の虞」ともほんのり繋がる本作。月島凪のエピソードも序盤から登場し、ワクワクもさらに加速(タイトルのドゥルシネーアは月島の事)。エピローグ(4部)を除く、1部、2部、3部それぞれが警察小説、青春ホラー&ファンタジー、ハードボイルド&アクションとまったく違う肌触りで構成されているのもミソ。特にハードボイルドな3部…「人にしてくれたことより、獣を残してくれたことを俺は感謝している…」とかって、藍川カッコ良すぎだろ(笑)。 そんな感じで、出てくるキャラクター(メイン、サブ問わず)がたまらなく魅力的なのは相変わらず。それぞれで単独の作品書いて呉れよ!とお願いしたいくらい。底意地の悪いラストも詠坂らしくてくすぐったくなる。

Posted byブクログ

2010/10/15

東京都内で連続殺傷事件が発生。 犯行の手口、そしてなにより傷口にタンポポの綿毛を残していることから同一犯によるものと考えられ、犯人は「タンポポ」と呼ばれていた。 この事件を追う捜査一課刑事・雪見喜代志と相棒の野間彦康は10年前に同様の事件が起きていたことを突き止め、犯人はこの事件...

東京都内で連続殺傷事件が発生。 犯行の手口、そしてなにより傷口にタンポポの綿毛を残していることから同一犯によるものと考えられ、犯人は「タンポポ」と呼ばれていた。 この事件を追う捜査一課刑事・雪見喜代志と相棒の野間彦康は10年前に同様の事件が起きていたことを突き止め、犯人はこの事件を模倣したと考える。 しかし10年前の事件の資料には不審な点が多い。。。 そこから「月島前線企画」という探偵社に突き当たった雪見たちだが、その探偵社は廃業していた。 そのうち「タンポポ」は凶器を変え犯行を続ける。その事件も「月島前企」が関わったものの模倣だった。 「タンポポ」は誰なのか、そしてその目的は? という詠坂さんの新刊。ひそかにとても心待ちにしている作家さんです。 そして期待通り、一筋縄ではいかない作品でした。 章ごとに語り手が変わっていて、第1章は刑事の雪見、第2章は犯罪歴のある少女・山村朝里、第3章は元「月島前企」社員で不死身の男・藍川慎司。 というわけで帯にある警察小説・学園小説・活劇小説の融合、となるわけですけど。 これらの語りで浮かび上がるのは、不在の名探偵の存在。 この物語では「月島前企」を立ち上げた月島凪です。 ここでやっぱり殊能さん、麻耶さんを思い出すのですよね。 「探偵」に対する愛の溢れた冷ややかな目線。このスタンスがとても似てると思います。 これまでの作品と比べると小技が少なく、「まっとう」で物足りない気もしますが、犯人登場のインパクトはさすが。 「え?」と思ってその数行を戻って読み返してしまいました。 これまでの作品に出てきた名前も随所に見られ、ラストのお遊びと締め方にも思わずニヤリ。 あ~、やっぱ好きだなぁ。 思いも寄らない玉を投げてくる詠坂さん。 今後も期待しています。

Posted byブクログ

2010/10/20

さすが詠坂という作品。 月島凪という名探偵を登場させず、周囲をいないのにあざわらう感じがいいですし、犯人もその渦に巻き込まれてる。何かその皮肉さが、詠坂さんらしい作品。

Posted byブクログ