社会保障の「不都合な真実」 の商品レビュー
保育・介護事業の既得権益、ハコモノ行政に関するトピックを読みたく。 認可保育所だと0歳児保育するのに一人あたり月30万円~40万円かかる。主に人件費。 知ってはいたけど、改めて数字を見ると驚く。
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世界に例のない少子高齢化時代に直面する課題と矛盾を指摘し、論点を開設する。社会保障の不都合な事実や、子ども手当は本当に子どものためなのか、経済破綻を避けられるのかなど、「福祉破綻」の悪夢を考えさせる。
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少し前の民主党政権時代に、「社会保障は破綻しない。だからそのために◯◯していく。」と謳われた様々の仮説に基づく政策について、その誤謬を理論と現実から指摘した本。著者の記す通りにわかりやすく、とっつきやすく書かれている。が、たった4年しか経ってないのにかなり状況が変わってしまってい...
少し前の民主党政権時代に、「社会保障は破綻しない。だからそのために◯◯していく。」と謳われた様々の仮説に基づく政策について、その誤謬を理論と現実から指摘した本。著者の記す通りにわかりやすく、とっつきやすく書かれている。が、たった4年しか経ってないのにかなり状況が変わってしまっているようで、リアルタイムに読む価値があるかどうかは?。でもそれが却って著者の指摘が空論ではなかったことの証明にもなっているようにも思える。
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社会保障制度の論点を経済学の視点でわかりやすく論説されています。民主党政権発足時点の内容ですが、基本的な問題点は変わってないので、大変参考になりました。
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「誰にとって」不都合な真実が社会保障の分野にあるのかというと、既得権益層。容易に想像される政治家や官僚(特に厚生労働省)、払った以上の水準の年金を受け取っている現時点での高齢者といったところは当然ながら、規制緩和されると既に手にしている甘い汁を吸えなくなる業界団体(医師会や介護、...
「誰にとって」不都合な真実が社会保障の分野にあるのかというと、既得権益層。容易に想像される政治家や官僚(特に厚生労働省)、払った以上の水準の年金を受け取っている現時点での高齢者といったところは当然ながら、規制緩和されると既に手にしている甘い汁を吸えなくなる業界団体(医師会や介護、保育などの分野の法人や認可施設など)、さらにはそうした施設を利用できる権利を手に入れた「勝ち組」の利用者などまでが「既得権益層」であり、そうした集団の妨害工作や提言、反発などが社会保障を蝕んでいると指摘しています。 この中には、権利を手に入れた途端に不都合や不便を忘れる、もっと悪ければ数日前まで自分がいた不便なグループに対して批判的な目を向ける人々も含まれるんでしょう。例えば、子供を預けられずに不満を言っていた母親が、保育園に自分の子供を預けられるようになった途端に「保育園が足りないなんてことはない」という考えに変わる、とか。そう考えると、誰が悪いという犯人探しをするのはすこぶる不毛。 上梓されたのが2010年、民主党が政権をとって間もないころなので、さすがに本に紹介されている政策については古い感が拭えません。でも、今こうして読んでみると民主党の政策がいかにトンデモだったかが分かるし、それを政権運営がされていた時点で既に看破していた著者の眼力は素晴らしいと思います。 とはいえ、経済学から社会保障を考えることの意義から始まり、子供の福祉、年金、介護、医療、最後には財政破綻を回避するための提言まで、一通りが盛り込まれているため、まだ本としての寿命はあると思います。 著者が提言するのは、年金や医療、介護などに関する費用を「自分が使う為の積み立て方式」にして、年金で見られるような現役が老人を支える「賦課方式」から徐々に脱却すべきだ、というもの。自己責任論が聞かれるようになってから久しい今、自分で自分の資産をどの分野に分配するかを判断できる積み立て方式は面白いとおもいます。そのためには、つまり「既得権益層」をどれだけ説得し、譲歩を引き出せるかによるんでしょうが。選挙の票田になる老人と業界団体が強いままでは、それもままならないのは容易に想像できるものの、そこに微かな期待も寄せたいと思います。
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「現在の社会保障は人口や経済が高度成長していたときに設計されたもので、人口減少や少子高齢化の現代ではうまく機能しない」 現在の社会保障(保育・貧困・介護・医療etc)について、それぞれどんな問題があり、どうしたら良いのかを論じている。 <保育について> 待機児童を減らすために保育分野に財源を向けてもうまくいかないのは保育分野の既得権益の闇(高コスト体質と低い保育料)のため。 公立保育園の人件費は高く、正規保育士の平均年収は800万円を越えている。(但し時間外保育などで働いている非正規保育士は一般企業の派遣社員並み) ゼロ歳児一人あたり50万円程度の費用がかかるのに対して、実際に親が支払う保育料は2万円程度、残りは税金でまかなわれている。 待機児童を減らすために保育所をつくるほど多大な税金投入が必要となるため、自治体はやりたくてもできない。また、保育料を採算とれるところまで値上げしようとすると親たちからの反対にあう。 また、保育園に入りたい子どもはいくらでもいることや、保育料はいくらであろうと不足分は税金が投入させることが決まっている認可保育園は経営努力が行われにくい。逆に問題が起きないように十分な人手をかけたりすることで高コストに向かう傾向が強い。 <貧困(生活保護)について> 生活保護世帯は1990年以降増え続け、リーマンショック(2008年)以降、激増している。高齢者でも母子家庭でも障害者でもなく、これまでに稼働層と見られてきた「その他世帯」が増えたのだ。その直接的な原因は2008年末の年越し派遣村で今までは生活保護を受けられなかったホームレスに生活保護が認可されたこと。これを皮切りにホームレスたち(その他世帯)の生活保護者が激増した。 いまでも生活保護予備軍は大量にいてダムの上流で待っているが、審査の厳格化や早期打ちきりによってダムの崩壊(財政破綻)を逃れている。 しかし、一旦受給が決まると長期間・十分な保護費を得ることができるため、ダムの下流にたまり続けてしまい、上流から新しい生活保護者を迎え入れる余裕が無いオールorナッシングの施策なのが問題。上流の予備軍を下流に流すための方策として支給額の減額がある。支給額を減らせば、受給者数を増やすことはできる。また、生活保護で十分な生活ができないと分かれば、働こうというインセンティブが生まれる。 介護・医療なども書かれているが興味を引くところは少なかった。
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特に面白かったのは、待機児童がなぜ無くならないかという理由。保育士の既得権益保護によって、成り立っているというのがよくわかりました。詳細は、私の引用をみていただければと思います。ネタバレになりますが。。。 その他、年金問題の本質、生活保護問題の本質が一般人にも分かりやすく、科学...
特に面白かったのは、待機児童がなぜ無くならないかという理由。保育士の既得権益保護によって、成り立っているというのがよくわかりました。詳細は、私の引用をみていただければと思います。ネタバレになりますが。。。 その他、年金問題の本質、生活保護問題の本質が一般人にも分かりやすく、科学的データに基づき、解説してあるので、既得権益者の方々には耳の痛い内容ではありますが、非常に説得力のある内容になっていると思います。
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年金・生活保護・介護・保育などの社会保障政策の現状の問題点とあり方についての考察。 結局、私が中学生の頃から考えていたとおり、賦課方式に問題があり、全て積み立て方式にすべきであるという主張が根幹にある。その一点に絞っても共感を得られるとともに、その思いを学問的に補強してくれるも...
年金・生活保護・介護・保育などの社会保障政策の現状の問題点とあり方についての考察。 結局、私が中学生の頃から考えていたとおり、賦課方式に問題があり、全て積み立て方式にすべきであるという主張が根幹にある。その一点に絞っても共感を得られるとともに、その思いを学問的に補強してくれるもので、今後の自らの考察の構築に有用であった。 そのほかにも、Voodoo Economicsに関する記述もなるほどと思わされるところがあった。また、最後の資産蒸発の話も現実味があるだけに真剣に議論・決定していくことが喫緊の課題であることが分かる。 まれに理論構築が破綻している箇所が見受けられるが、それを自ら補強することもそれほど難解ではなく、この点を踏まえても、社会保障政策を議論するためには読んでおいた方が良い本。
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年金、医療、介護といった社会保障の現状と問題点 それに対しての解決策を提示している。 もう既に日本の社会保障財政は破綻寸前であり 年金に至っては後の世代になればなるほど受給額が少なくなる 世代間格差が相当深刻な状況だ。 これを打開するためには基礎年金部分を全額税方式にしたうえ...
年金、医療、介護といった社会保障の現状と問題点 それに対しての解決策を提示している。 もう既に日本の社会保障財政は破綻寸前であり 年金に至っては後の世代になればなるほど受給額が少なくなる 世代間格差が相当深刻な状況だ。 これを打開するためには基礎年金部分を全額税方式にしたうえで 所得比例部分を積立方式にするなどの対策を著者は提唱している。 ただ、現在の財政状況を考えると 受給額の減額も必要になる可能性がある。 著者は本書の中でおそらく対策は進まず、破綻への道を 突き進むだろうと2010年の時点で予測しているが 現時点ではそれはほぼ予想通りといっていいだろう。 民主党政権は年金額を減らすどころか逆に増やす方向で 改革を進めている。 近い将来破綻はほとんど確実だろう。
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読み進めながら、苛立たずにはいられなかった。 既得権益に守られた現状に合わない制度を持続し、 必要な改革を行えない政治が悪くて、 結局私達にできることとは、一体何か? 厳しい将来を覚悟すること? 他力本願だと言われるかもしれないが、現場を実際に大きく変えるのは、個々人の心がけ以上に国が決める方針の変化。 正しい政治を選択することができればよいが、 現実味のあるまともな戦略を持ったリーダーの出現が待たれる。
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