ヒップ の商品レビュー
「カッコいい」という感覚は、「クール」であると表現したりするけれど、「ヒップ」という言い方もあるということを、本書を通じて知ることが出来ました。 なにがヒップでなにがヒップでないのかは、読むことでしっかり把握出来ましたし、なによりも収穫だったのは本書にはそのヒップなかっこ...
「カッコいい」という感覚は、「クール」であると表現したりするけれど、「ヒップ」という言い方もあるということを、本書を通じて知ることが出来ました。 なにがヒップでなにがヒップでないのかは、読むことでしっかり把握出来ましたし、なによりも収穫だったのは本書にはそのヒップなかっこいい人達がたくさん(ざっと100名以上のアメリカ人!!)が登場します。 ジャズメン、文筆家、プロボクサー、興行師、アニメーター、脚本家などなどです。 アメリカの歴史における錚々たるメンツが登場して、ヒップの輪郭を描いていきます。 ヒップの黄金時代は、ジャズのビバップ時代とビート・ジェネレーションの頃だそうですが、本書では90年代のヒップホップミュージックのアメリカや、その後のインターネットとヒップというテーマまで、原著が2004年なので、20年前までのカルチャーシーンを縦横に語っています。大変面白く読ませてもらいました。 私は、ヒップのコピーが流れ流れて、日本にもガッツリと影響を与えていると思っています。同じ資本主義社会ですしそう思うわけですが、ヒップホップやラップだけでなく、他の音楽シーンや映画、文学にヒップ感覚はあると思っていて、アンテナを張って日本のカルチャーシーンを見てみると、どうも「サブカル」というところにたどり着きそうなそんな勘が働いています。 忌野清志郎の音楽は?THE BLUE HEARTSのパフォーマンスは?江口寿史のマンガは?町田康の小説は?こんな感じで検討する遊びはなかなかに楽しいです。 そういったアンテナの精度を高めることにも成功したように思います。ただ知るためだけの読書ではなかったようです。 しかし、アメリカ文化を一気通貫できる概念が「ヒップ」で、その語だけでホントに語ってしまえるなんて凄いなと脱帽しました。 なかなか入手しづらい本書ではありますが、ぜひ機会があれば、ご一読頂きたいとオススメできる一冊でした。
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著者本人も認めている、ヒップについての本なんて書く奴はまあ、それだけでも恥ずかしいのに。おまけに極東の国で官僚育成機関の元教授によって翻訳され、自分達の国にもこんな本つまり政治家からポップスターまで登場する本が出版されれば面白いのになんて訳者あとがきで書かれている方には、「死ぬま...
著者本人も認めている、ヒップについての本なんて書く奴はまあ、それだけでも恥ずかしいのに。おまけに極東の国で官僚育成機関の元教授によって翻訳され、自分達の国にもこんな本つまり政治家からポップスターまで登場する本が出版されれば面白いのになんて訳者あとがきで書かれている方には、「死ぬまで生き恥晒してください。」としか言いようがない。
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現象のカタログも(かっこよくて)いいんですが、こうやってその根っこを解き明かしてくれる本は、貴重な気がします。ちゃんと世の中を知るために。たくさんの共感をもって読み終えました。
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長い時間を掛けて読みました。が、これから読むべき本が沢山でてきてしまいました。長い付き合いになりそうな一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
HIPをめぐるヒューマンレース回想録。 HIPとは?誰もが知っていて、誰も知らないもの。ルーツなきコスモポリタンの内側では、エスニシティはデステニーではない。危険だが離れているなにか。 「What is hip?」「Where it's at」「Imagine」. ある者はブラックに。またある者はドラックに。だが決してHIPを捕まえることはできない。 そしてしたり顔でこう言うんだ。 真実と伝説なら、”伝説”を選べ。ってね
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アメリカの文化を網羅しつつ、ブランディング、デザイン、資本主義までカバー。ロバートジョンソンとスヌープ、マークトゥエイン、エルビスとエミネムが同じラインで語られる。 何故、ラッパーは偽名を名乗る?ナイキはなんであんなCM?と細かいところまで、色々な刺激に満ちている。
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