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アングロサクソン資本主義の正体 の商品レビュー

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2011/11/06

ビル・トッテン氏の本を初めて読んだのは10年以上前になりますが、日本でソフトウェア会社を立ち上げて大変忙しくされている様子で、最近の著作はあまり多くなく残念に思っていました。しかし昨年ころから立て続けに何冊も本を出し始めた様子で、大変嬉しく思っていた今日のこの頃です。 今回の...

ビル・トッテン氏の本を初めて読んだのは10年以上前になりますが、日本でソフトウェア会社を立ち上げて大変忙しくされている様子で、最近の著作はあまり多くなく残念に思っていました。しかし昨年ころから立て続けに何冊も本を出し始めた様子で、大変嬉しく思っていた今日のこの頃です。 今回の本では資本主義の原点でもある「金利」というものが、先進国・新興国を苦しめていて、それを解決する方法として「100%マネー=レバレッジをかけない金融制度」を提唱しています。 今回の世界金融危機で明らかになったように、実際に使われるお金の何百倍ものお金がデリバティブ商品として世の中に出回っていて、挙句の果てに国の存在自体までもあやふやにしてしまう制度が優れているとは思えません。今後、ビル氏が提唱されている「100%マネー」を支持する人が出てきて、その効果を語って欲しいと思いました。 特に、ビル氏が政府がお金を創造してきた場合の試算(1968年からの累計で、547兆円の公的負債のかわりに619兆円の黒字:p128)は驚きました。 以下は気になったポイントです。 ・金持ち達は金細工師に金貨を預けて、金細工師は「預り証」を発行した、金貨を引き出すよりも預り証が流通するようになる、これが西洋における紙幣の始まり(p4) ・国が借金する理由は、政府が自ら紙幣を発行する権利を放棄して、民間銀行に委託しているから(p6) ・イギリスでは5世紀頃からアングル族、サクソン族が進出して土着化、11世紀にノルマン族の侵略を受けて征服される、3族が融合してアングロサクソンが形成(p22) ・イギリスでは各地の有力者が荒れくれ者を雇って住んでいた人を追い出した、クロムウェルがその権利を合法化してそれらは完全に彼らのものになった(p23) ・世界貿易(海外旅行含む)に必要な金額は、外国為替取引自体(2007年で1日:405兆円)の1%、残りは単なる為替取引、外国通貨の取引額は世界GDPの27倍、世界貿易の86倍、日本の1年間の貿易額:157兆円(p30) ・1998年におきた急激な円高(145→115円)は、貿易によるものでない、日本でもアメリカでも輸出入価格はそれほど変化していない(p35) ・1998年4月から外国為替を規制緩和して2008年までに日本の銀行預金残高:84兆円増加、企業への貸付残高:136兆円減少、この差額分:220兆円ば日本経済から流出していて、これがゼロ成長となった最大の原因(p41) ・アメリカの大恐慌前の通帳マネー(銀行預金残高)が80億ドル無くなった理由は、財布マネー(触れることのできるマネー)が10億ドル増えたことによる、当時は8ドルのお金を貸し出すために、1ドルの準備金が必要、1ドル引き出されたら8ドルの貸出を取り戻す必要があるという意味(p54) ・金細工師はついに、金貨等の鋳造をやめて、持っている預り証(紙幣)を印刷して貸し出して利子を取る(信用創造)というトリックのような商売を見つけた、ここに銀行が誕生する(p64) ・アメリカの南部はイギリスを中心とした自由貿易圏に属していたが、北部は工業化によりイギリス等と競争力を優位にするために保護貿易が求められていた(p83) ・リンカーンは南北戦争の戦費を調達(4.5億ドル)するために銀行家に資金提供を申し出て27~36%の利子を求められたので、政府紙幣を発行して戦費をまかなう決断をした、この時の政府紙幣は区別のために裏側がグリーンで印刷された(p84) ・この時国債を発行していたら、5%と考えても1964年までに23億ドルを払うか、元本の5倍を借り入れる必要があったと計算される(p84) ・ドルの通貨発行益によってアメリカにわたった補助金(世界がドルを手にするために支払う費用)は年間で4000億ドル、これはアメリカの国際収支の赤字額と等しい(p118) ・日本政府の国会債務の78%は、借金を返済するためのもので、国民のために使われるのは22%のみ、1968年から国民が支払ってきた税金の29%は、政府の借金のために使用、日本政府は民間銀行がつくるお金の89%を毎年借りて、75%を借金返済として支払っている(p128) ・政府が1968年からお金を創造していれば、547兆円の公的債務のかわりに、619兆円の黒字になっていた(p128) ・日本でつくられたお金の過去40年間の平均は、政府が徴収した税金の61%、GDPの約6%(p131) ・ニューディール政策が失敗と言われているのは、アメリカ経済は回復したと思ったルーズベルトが1937年5月に公的支出を削減したから(p140)

Posted byブクログ

2011/09/28

さすがトッテン氏、とってんも、いや、とってもいい本。日本に失われた仁とか愛とか義とかを取り戻してくれそうな本。 ダジャレ寒くてごめんなさい。

Posted byブクログ

2011/06/29

アングロサクソンが作った金融システムは、そのものが信用創造という名のまやかしであって、実態経済にすれば良いという本。 アングロサクソンの考え方は、非常に凝り固まっているとは思う。

Posted byブクログ

2011/07/05

2011/7/5:  二回目。入門書としておすすめ 2010/9/22: 信用創造を​銀行家(=大金持ち)が、好き勝​手にさせないようにする、という​システムは必要なんだとは思う。​まぁ、禁止しても禁止しても、何​十年単位で骨抜きにするんだろう​けど...”

Posted byブクログ