トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか の商品レビュー
ちょっとした条件の違いで人間の生死って簡単に分かれるものなんだな…と怖い気持ちになった。 ・ツアー登山でも事前の調査をしっかり ・体力に合わせた登山ルートを選ぶ ・運動量に見合った食事の携行 ・防水を怠らない …などなど、教訓になることがいろいろ見つけられた(特に登山の予定はない...
ちょっとした条件の違いで人間の生死って簡単に分かれるものなんだな…と怖い気持ちになった。 ・ツアー登山でも事前の調査をしっかり ・体力に合わせた登山ルートを選ぶ ・運動量に見合った食事の携行 ・防水を怠らない …などなど、教訓になることがいろいろ見つけられた(特に登山の予定はないが) また、冒頭にある遭難の経緯をまとめたパートで「この行動は無責任では…」と思う人物がいたのだが、その後の医学的な分析パートで低体温症の影響だったのかな?と考え直すことができた。人の思考・行動は体の状態に大きく影響されるということを知っておきたい。
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登山の経験はなく今後も想定していないが、とても興味深かった。 低体温症は知識としてはあったが、その急激な進行に驚いた。特に、本書で取り上げられた事例では最もわかりやすい初期症状の震えがなく(急激な体力消耗のためと考察されている)、そうなると低体温症により判断力が低下していても本人...
登山の経験はなく今後も想定していないが、とても興味深かった。 低体温症は知識としてはあったが、その急激な進行に驚いた。特に、本書で取り上げられた事例では最もわかりやすい初期症状の震えがなく(急激な体力消耗のためと考察されている)、そうなると低体温症により判断力が低下していても本人が自覚することは難しい。そして様子がおかしいことが傍目にもわかる頃には、深刻な状態になっている。 医師が筆を執っているため、症状や要因の解明もわかりやすく説得力があった。事故の責任のありかついても、様々な不確定要素があるなかでの判断の難しさを繰り返し述べており、真摯に感じた。検証は重要だが、世の中の大抵のことは微妙なバランスと運で成り立っているものであり、後から粗を探すことは容易いことにも自覚的でありたい。 登山に限らず起こり得ることなので、学べてよかった。遭難し帰ることができなかった方々の冥福を祈ります。
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2009.7.13から4泊5日で登山ツアー会社が「大雪山系縦断コース」を企画し、15人の客と3人のガイドによる山行で8人が死亡した遭難事故を気象学、医学的観点と生存者の証言やツアー会社の在り方を検証する著書。死亡者の殆んどは低体温症によるもので、その原因は台風並の風雨が体温を奪っ...
2009.7.13から4泊5日で登山ツアー会社が「大雪山系縦断コース」を企画し、15人の客と3人のガイドによる山行で8人が死亡した遭難事故を気象学、医学的観点と生存者の証言やツアー会社の在り方を検証する著書。死亡者の殆んどは低体温症によるもので、その原因は台風並の風雨が体温を奪ったことにより、運動生理学的に内臓機能や血流の低下によるとされる。夏山でありながら低体温症に陥る、標高2000m北海道の山であるがためにその恐ろしさを感じる。更にはツアー登山の実態とその問題点も指摘される。ツアー会社とガイドの責任が取り沙汰されたそうだが、山を知らないガイド任せの自立しないツアー客の自己責任もあるように思う。実力にあったツアーの選択とその山行コースの下調べや準備の欠如もひとつの原因かと。しかし、自然相手で特に山は気象の変化が読みづらく変わりやすい。この遭難事件はそうした不運があったことも否めない。いろいろ感じることがあるが、自分も雨の中、雪の中を登った経験をしたが、頂上を極めたときの爽快感は素晴らしく、登山そのものも楽しいものだが、命を掛けてまでとは思ったことはない。近くの山でも出掛けたい。
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この事件をしって色々気になってしまい遭難系の本を読み漁ってしまったその中の一つ。 定期的に読みたくなりそう。
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全く知らなかった事件。私も旅行は基本的にツアーだ。ツアー登山とツアー旅行は違うかもしれないが、リスクマネジメントの甘さを大いに指摘された気がする。それにしても会社もガイドもツアー客も誰もが低体温症について知らなかったことや、全く知らない山をガイドさせたこと、ガイド同士の連携が無か...
全く知らなかった事件。私も旅行は基本的にツアーだ。ツアー登山とツアー旅行は違うかもしれないが、リスクマネジメントの甘さを大いに指摘された気がする。それにしても会社もガイドもツアー客も誰もが低体温症について知らなかったことや、全く知らない山をガイドさせたこと、ガイド同士の連携が無かったこと、ターニングポイントにおける判断の甘さ…など読めば読むほど起こるべくして起こった遭難事件のような気がする。生存者の中には事件後も同じ会社のツアー登山に参加してる人もいて、何というかすごいメンタルだと思った。私が例えば同じ状況で生還したとしたら再び同じ会社でツアーに行くだろうか?山は安易な気持ちで行ってはいけないんだなあ…
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非常に臨場感があり一気に読んでしまった。 山は恐ろしい。低体温症も恐ろしい。また兎にも角にも知識(夏でも低体温症になるなど)がやはり必要で、かつその知識を有効に活かせるかが大事なところ。この著者の他の本も読んでみようと思う。
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夏の山で低体温症になるほどの気温が低くなることを知らなかった さまざまな悪いことが重なって起こった事故だということがわかる ただ体力があるだけではなく、気象のこと、体温計温存の知識や、条件が悪ければ戻るなりのタイミング、行動食の摂り方、睡眠や脚力、などさまざまな知識と判断が必要...
夏の山で低体温症になるほどの気温が低くなることを知らなかった さまざまな悪いことが重なって起こった事故だということがわかる ただ体力があるだけではなく、気象のこと、体温計温存の知識や、条件が悪ければ戻るなりのタイミング、行動食の摂り方、睡眠や脚力、などさまざまな知識と判断が必要となる トップの指示が適切なのが本当は良いが、自分で自分の身は守らないといけない
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トムラウシ、素敵な山。自分が登った時は天気もよく、本当に綺麗な山だった。自然と言うのは天気が少しでも崩れれば別世界となる。そんな世界では人間の力なんて無力となってしまい、準備や計画その場の判断がとても大切だと改めて考えさせられる。
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2009年7月、北海道 大雪山系トムラウシ山でツアー登山のグループが遭難し、18名中8名が亡くなった。 遭難の経緯、低体温症について、安全な登山のために、ツアー登山の問題点等についての考察の一冊。 低気温、雨に濡れること、風、疲労、摂取カロリーの不足で日本の夏でも低体温症で人が...
2009年7月、北海道 大雪山系トムラウシ山でツアー登山のグループが遭難し、18名中8名が亡くなった。 遭難の経緯、低体温症について、安全な登山のために、ツアー登山の問題点等についての考察の一冊。 低気温、雨に濡れること、風、疲労、摂取カロリーの不足で日本の夏でも低体温症で人が亡くなる。 複数の判断ミスや、悪い状況が重なってこの大きな遭難事故が起きたようで、引き返すポイントもいくつかあったけれど、生き物としての人間は厳しい気候や環境に対して、なんと弱いものかと言う感想を持ちました。
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遭難グループの当事者で生き延びた方々の貴重な記録が記載されている。低体温症について、なんとなくは分かっていても、どういう状況でどのような症状が現れるか、生死を分ける行動の違いとは何かを知ることができる。 登山ツアーといえど、結局は自己責任。山に臨むための知識と準備が必要であること...
遭難グループの当事者で生き延びた方々の貴重な記録が記載されている。低体温症について、なんとなくは分かっていても、どういう状況でどのような症状が現れるか、生死を分ける行動の違いとは何かを知ることができる。 登山ツアーといえど、結局は自己責任。山に臨むための知識と準備が必要であることを再確認することができる。
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