東京大洪水 の商品レビュー
緊迫感は同作者の富士山噴火の方があるように感じたが、それは台風や洪水に対しての見慣れ感や水は何とかなるだろうという根拠なき楽観の裏返しで、私自身が洪水を甘く見ている証左かも。真面目にハザードマップを見返そうと思う。 ストーリーは中盤にやや中だるみあり、結末は主人公一家の心情変化な...
緊迫感は同作者の富士山噴火の方があるように感じたが、それは台風や洪水に対しての見慣れ感や水は何とかなるだろうという根拠なき楽観の裏返しで、私自身が洪水を甘く見ている証左かも。真面目にハザードマップを見返そうと思う。 ストーリーは中盤にやや中だるみあり、結末は主人公一家の心情変化などもう少し書いて欲しかった。
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作者の高嶋哲夫は、岡山県玉野市出身。玉野市にはゆかりがあるので、親近感がわきます。 主人公の玉城は、台風の研究者。玉城の妻は、マンデベに務める建築士。 お話は、想像通り、玉城が予想する通りの災害が発生し、玉城の妻が手掛けるマンションに危機が迫る、というもの。マンションが倒れるか、倒れずにかえって人気が出てたくさん売れるか、どっちかだろうな、という想像も的中しました。 それにしても、この作家さんが題材にするものは、よく取材がされています。「首都大感染」もそうでしたが、とてもリアルです。東京は2019年の台風で大きな被害にあいました。その時、荒川・隅田川下流域は危機的状態でしたが、それを思い出しました。 この小説では、玉城が大活躍して、水害の被害を最小限に食い止めます。ただ、水の前に人間は無力です。こんなにうまく重機や土嚢で堤防を補強したり、地下鉄の出入り口をふさいだりできません。十分な準備なしでこれだけの規模の台風がきたら、信じられないくらいの被害がでていたでしょう。やっぱり事前の準備が一番大切です。
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災害の描写、行政の対応が余りに現実味に欠ける。このクラスの台風が襲来してこの程度の被害で済むとは到底思えないし、被害の描写が別段詳細というわけでもない。ご都合主義で進んでいくので緊迫感もそれほど。かと言って人間模様の機微が細かく描かれているかというとそうでもない 2007年当時...
災害の描写、行政の対応が余りに現実味に欠ける。このクラスの台風が襲来してこの程度の被害で済むとは到底思えないし、被害の描写が別段詳細というわけでもない。ご都合主義で進んでいくので緊迫感もそれほど。かと言って人間模様の機微が細かく描かれているかというとそうでもない 2007年当時では複合災害で荒川が決壊するというシナリオは目新しかったのだろうか。この作品がなぜ高評価されてるのか自分にはわからなかった。
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面白かった、そして怖くなってしまう! 昨年、関東を直撃した令和元年東日本台風(台風19号)を思い出します。 自然災害パニック小説3部作(M8、TSUNAMI、東京大洪水)の3番目に位置付けられている物語だそうですが、時系列でいうと2番目に読むとよいそうで、偶然にもその順番で読んで...
面白かった、そして怖くなってしまう! 昨年、関東を直撃した令和元年東日本台風(台風19号)を思い出します。 自然災害パニック小説3部作(M8、TSUNAMI、東京大洪水)の3番目に位置付けられている物語だそうですが、時系列でいうと2番目に読むとよいそうで、偶然にもその順番で読んでいます(笑) M8の登場人物が再登場しています! ストーリとしては、 大型台風23号と24号が合体して東京へ上陸。 荒川の氾濫による東京水没をどう防ぐかのディザスターパニックエンターテイメント。 まず前半ですが、M8同様に、その災害を予知しながらもどう伝えるかがポイント。 主人公玉城のチームはコンピュータシミュレーションで23号と24号が合体し、首都圏を直撃するとの予知し、気象庁に危険を知らせるものの...という展開 多くの人に影響を与える災害予報情報を出せるのか? そして、実際に国や都、区は対応ができるのか? そして、後半は、台風直撃での防災。 どう水害を防ぐのか? といった緊張、緊迫感のある展開です。 ちょっと、ありえない展開があるのも事実.. その辺は差し引いてでも、水害の恐ろしさ、対応の難しさ、そして実際の対応がひしひしと伝わってきます。 その中、もう一つのストーリが、玉城の家庭の問題。 一級建築士の奥さんが立てている高層マンションは台風に耐えられるのか? 奥さんと子供、年老いた母親、玉城の弟、など、家族はどうなるのか?この災害を通して家族の絆についても語られていきます。 そして、やっぱりいるんですよね。避難しろって言われていながらも、避難しない人たち。 そして、避難先で文句を言う人たち。 そういう人たちもリアルに描かれています。 未曽有の台風の中、都民は、家族は、どうなるのか?というハラハラドキドキの物語でした。 しかし、最後はちょっと尻つぼみ。もうちょっと展開があってもよかったかなっと。 最近集中豪雨が多い中、必読の物語。 自分の身は自分で守ろう お勧め
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緊迫感、緊張感が伝わってくるとてもリアルな作品。 誰もが直面する可能性があるし、みんな読んだほうがいいと思う。 勉強にもなった。 そしてこれを東日本大震災より前に執筆していたことに驚き。
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内容(「BOOK」データベースより) 大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曾有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として...
内容(「BOOK」データベースより) 大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曾有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として建設中の超高層マンションに篭もる妻・恵子。残された子どもたち。ひとつの家族模様を軸に空前の規模で東京水没の危機を描く、災害サスペンス3部作、堂々の完結編。
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この小説は、台風23号が北上しながら日本列島に近づいてくる中、途中で台風24号と合体した上に強力な台風になり、その台風によって起きた津波による災害関連の話です。
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自然災害の怖さを書かせるとピカイチな作者。 今回は日本人には身近な「台風」です。 記録的な台風が東京を襲う物語。 その中での人間ドラマもあるから面白い。 個人的には「M8」の方が面白かったけどこれもお勧めできる作品です。
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自然の力は強大だ。 自然は人間に多くのものを与えてくれるけれど、同時に多くのものを奪っていくものでもある。 自然災害が起き多くの犠牲が出たときに一番よく聞くのは「予想外」という言葉である。 そして多くの命が失われる。 日本は多くの経験から治水対策が比較的しっかりしている国だと思う...
自然の力は強大だ。 自然は人間に多くのものを与えてくれるけれど、同時に多くのものを奪っていくものでもある。 自然災害が起き多くの犠牲が出たときに一番よく聞くのは「予想外」という言葉である。 そして多くの命が失われる。 日本は多くの経験から治水対策が比較的しっかりしている国だと思う。 それでも堤防は決壊し甚大な被害を及ぼす。 自然災害において過去に学ぶことは多い。 1974年9月、台風で増水した多摩川堤防が決壊。 濁流に次々と住宅が流され、のちにドラマ「岸辺のアルバム」で家屋流出の実際の映像が使われたという。 決壊の原因が二ヶ領宿河原堰と断定した狛江市災害対策本部は、濁流の進路を変えるために堰の爆破を決定。 「東京大洪水」にも似たような場面が登場する。 決断を迫られる人々の間にはさまざまな思惑が交錯し、緊迫した場面となっていた。 はたして人間に自然災害の危険を予測することが可能なのか? 防災措置を行う(決定する)人たちには、常に最悪の状況を念頭に置いてほしい。 「予測できなかった」「予想外だった」では済まされないと思う。 専門家にしかわからない分野にたずさわる人たちには、プロの専門家としてのプライドと責任感を持って仕事に向き合ってほしいと思う。 目の前で進んでいくリアルな自然災害の恐ろしさ。 決断を迫られる玉城と恵子。そして伸男。 一瞬の判断ミスが簡単に奪っていく。 「大丈夫、決壊なんてするわけない」 「ここまで被害が及ぶわけがない」 こうした思い込みが一番怖いのかもしれない。 避難したあとで何もなかったら「何もなくて良かったね」と笑いあえる。 それでいいのだと思う。 「あのときに避難していればよかった」と後悔することだけはしたくない。 子どもたちが無事だったことにホッとした。 玉城のような知識と想像力のある専門家。 真摯にプロの意見に耳を傾けることのできる政治家。 いま、この瞬間に何をすべきかを判断できる救助のプロたち。 地震、津波、大洪水と続いた災害3部作。 どれもがけっして他人事ではない。 日本に住んでいる以上、地震はどこに起きてもおかしくはない。 沿岸部に住む人たちにとっては津波は現実的な脅威だ。 その瞬間、どうしたら自分の身を守れるのか。家族を守れるのか。 忘れた頃にやってくる災害に対して、けっして忘れてはいけないこともあるのだとあらためて感じた。
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