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わたくし率イン歯ー、または世界 の商品レビュー

3.5

146件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    4

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2024/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『気がつけば隣に立ってて監視してるような三年子に何度も激しく腕をつねられ、それはつねるというよりはねじり上げるというような仕打ちであって、それを医師にはわからんようにやるんです。そのつねじり方が』 『何もかもが息絶えてよしという合図やとでもいうように、』 メモしていた好きな部分。 後半怖かった。意味わからんことを捲し立てて襲いかかり、弾かれたところで口を開いて奥歯を指差して「わたしはここ!!」というところが特に怖い。 歯医者で働きはじめた女の子が職場ではいびられながらも働いてて、いじめられていた学生時代に普通に話しかけてくれた男の子のことを自分は恋人だと思っていて家まで突撃して玉砕するという端的に言うとそれだけなんだけど、それをこんなに変!ってかたちにできるのがすごい。 職場の三年子が出てくるところはいびられてはいつつもユーモアあるなあと思いながら見てたけど、後半は罵りが多くてちょっとしんどかった。 青木の恋人らしき女の子がストーカーである主人公を正論で殴ってくるので、この作品、正常な人出てくるのか…となってしまった。青木も変なやつだと思ってたし。急に家来たストーカーに強すぎだろ関西ギャル 全体通して文章が面白かった。哲学的な部分は理解できなかったけど、ちょっとした例えが詩的で、おかしくて、とてもよかった。

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2024/05/18

意味は正直、わからんけれども、水の流れにゆらゆら揺られて、右に落ちます左に曲がれば、くるくる渦巻き飲まれます、みたいな感じで文章の流れに身をゆだねる心地良さや、感覚的な気持ち良さを味わえます何言ってるか正直わかんないけど。

Posted byブクログ

2024/08/19

あんたら人間の死亡率。うんぬんにうっわあうっわあびびるまえに人間のわたくし率こそ百パーセントであるこのすごさ!-。 『ヘヴン』以来の川上未映子san。 この文体や意味。。冒頭の歯医者での会話で挫折しそうになりましたが、がんばって読んでよかった。 川上san、凄いです! <...

あんたら人間の死亡率。うんぬんにうっわあうっわあびびるまえに人間のわたくし率こそ百パーセントであるこのすごさ!-。 『ヘヴン』以来の川上未映子san。 この文体や意味。。冒頭の歯医者での会話で挫折しそうになりましたが、がんばって読んでよかった。 川上san、凄いです! <わたし>と<私>と<歯>をめぐる疾風怒濤のなんやかや。形而上下の視点。まだ見ぬ我が子への日記が、月日が前後したり、天気を”晴れた”と表現。”雪国”の主語探しなど。この独創的な狂気さ、私は好きです。最後の青木のリアクションも含めて。 どうか、おだいじに-。 【第1回坪内逍遙大賞奨励賞】

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2024/05/03

読みながらずっと「日本語ってすごく自由だな」と外れた感想を持ちながら読了。そしてこの自由さをなんとなくでも読み取れる日本人すごいな、と。日本語がわかる外国の人が読んでも100%理解出来ないだろうな、と笑。それくらい書き味が独特です。でも後半で「ああ、主人公にとってこの怒涛の日本語...

読みながらずっと「日本語ってすごく自由だな」と外れた感想を持ちながら読了。そしてこの自由さをなんとなくでも読み取れる日本人すごいな、と。日本語がわかる外国の人が読んでも100%理解出来ないだろうな、と笑。それくらい書き味が独特です。でも後半で「ああ、主人公にとってこの怒涛の日本語、頭の中の言葉、もとい歯に詰め込んだ思いは自分を守る砦だったのかな」と個人的にしんみりしました。とても短い話ですが、主人公の気持ちがぎゅっと詰まったお話でした。

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2024/04/18

夏物語の衝撃から川上さんの過去作をもっと読みたいと思っていた。手に取ったデビュー作である本書、ごめんなさい、表題作は最後まで読めませんでした。文体が独特すぎて、私の頭がついていけなかった。「感じる専門家 採用試験」p125後半からはラップ詞を読んでいるような怒涛の展開と夏物語への...

夏物語の衝撃から川上さんの過去作をもっと読みたいと思っていた。手に取ったデビュー作である本書、ごめんなさい、表題作は最後まで読めませんでした。文体が独特すぎて、私の頭がついていけなかった。「感じる専門家 採用試験」p125後半からはラップ詞を読んでいるような怒涛の展開と夏物語への続くような内容に気持ちが持っていかれそうになる。

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2024/04/09

歯で思考してるから脳と違って思考がまとまってない。ただひたすら喋り続けてる感じ。無心で読むと脳じゃなくて歯で考え事してる感触が味わえる。 これは歯垢…じゃなくて、至高の思考ですな。 無茶苦茶に適当こいてるんじゃなくて、ちゃんと理解できる。深い。奥歯くらい深い。タイトル回収もしっ...

歯で思考してるから脳と違って思考がまとまってない。ただひたすら喋り続けてる感じ。無心で読むと脳じゃなくて歯で考え事してる感触が味わえる。 これは歯垢…じゃなくて、至高の思考ですな。 無茶苦茶に適当こいてるんじゃなくて、ちゃんと理解できる。深い。奥歯くらい深い。タイトル回収もしっかりある。なんで「奥歯」なのかも書いてある。 ・わたくし率 イン歯ー、または世界 「私」は奥歯(人による。多くの人にとって脳)であって、その他の部位、いわゆる身体は「私」のあつかう物質でしかないのであって、それがどうしようが直接的に「私」には関係ない。主人公にとって奥歯はわたくし率100%。 ・感じる専門家 採用試験 物質は有る無しではなく、認識の概念では「在る」であるので「生む有無問題」は破綻。

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2023/12/26

これはすごい。ほんとうにめちゃくちゃすごい本だった。 芥川賞を取った作品だけど、コンセプチュアルすぎることもなく、かといって平易な物語でもなく、独特の発想と鋭い着眼点を、小気味よいリズムで読ませる。連綿と紡ぐ能力が高くなければこの味は出せず、これが処女作であること、出身が音楽関係...

これはすごい。ほんとうにめちゃくちゃすごい本だった。 芥川賞を取った作品だけど、コンセプチュアルすぎることもなく、かといって平易な物語でもなく、独特の発想と鋭い着眼点を、小気味よいリズムで読ませる。連綿と紡ぐ能力が高くなければこの味は出せず、これが処女作であること、出身が音楽関係であることなど、驚きばかり。

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2023/11/06

物語にも入り込め、「わたし」って何?と思いを巡らせることも出来る大好きな本。一気に3回読んだ。これかも読む。川上未映子氏にどっぷり浸かるきっかけになった本。

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2023/11/06

突拍子ない脳内語りとか哲学的テーマとか自我とか詩的文体とか、、、よく分からないけれど楽しめた。読み進めるうちに、徐々に不穏さが増していってまさにミステリー。語り手の思い込みや異常性はかなり怖いしはた迷惑だけれど、思うことは自由で避難所で。彼女の孤独や絶望が切なかった。

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2023/07/20

残念ながら、全く理解出来なかった。 何かが繋がるのかなと、最後にあっと驚く解決があるのかなと、頑張って(正直、途中とばしとばしで)最後まで読んだけど、全く理解出来なかった。 私の理解力の問題であれば、残念すぎるけれど。 青木との接触の部分で唯一、読みがいを少し感じたけれど、それ以...

残念ながら、全く理解出来なかった。 何かが繋がるのかなと、最後にあっと驚く解決があるのかなと、頑張って(正直、途中とばしとばしで)最後まで読んだけど、全く理解出来なかった。 私の理解力の問題であれば、残念すぎるけれど。 青木との接触の部分で唯一、読みがいを少し感じたけれど、それ以外は、全く不解で、不快だった。

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