虚空の遺産 の商品レビュー

エドモンド・ハミルトン(著者),安田均(著者)

2012/10/04

　恒星間飛行して異星を探索するSFなんだけど、ヨーロッパ人が南米あたりに行く話にしか見えない……。
　たしかに虚無感・無常感が漂ってるといえば漂ってるんだけど、たいした困難もなく短期間で宇宙探検が進むので、時間や空間の壮大さが感じられないのでした。
　六十年代の作品なので仕方ないのかな。

　解説ではいろいろ言ってるけど、結局スペースオペラのノリが染み付いているような感じです。
　しかしそのおかげで、スペースオペラファンをしんみりした話に引き込むことができるのかもしれない。

　雰囲気は良かったので、スペースオペラ成分を減らしてSF的屁理屈が増えてたら、偏屈な僕ももっと楽しめたと思ったのでした。