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ええもんひとつ の商品レビュー

3.5

19件のお客様レビュー

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2021/07/28

駆け落ち夫婦が古道具屋<とびきり屋>を営む中で様々な事件や道具に出会いながら道具屋として夫婦として成長していくシリーズ第二作。 前作の終盤で、ゆずの両親に何とか夫婦として認めてもらえたからか今回はゆずの実家<からふね屋>との絡みはなし。 しかし前作同様、幕末の京都らしい不穏な空...

駆け落ち夫婦が古道具屋<とびきり屋>を営む中で様々な事件や道具に出会いながら道具屋として夫婦として成長していくシリーズ第二作。 前作の終盤で、ゆずの両親に何とか夫婦として認めてもらえたからか今回はゆずの実家<からふね屋>との絡みはなし。 しかし前作同様、幕末の京都らしい不穏な空気は更に濃密になってきている。 坂本龍馬の動きは激しくなっているし、桂小五郎も登場。 表紙絵同様にほのぼのした雰囲気を期待しているのだが、真之介・ゆず夫婦の恩人<桝屋>喜右衛門もまた勤王派であることが分かり、<とびきり屋>は否応なく勤王の志士たちの拠点として、また彼らの武器調達に巻き込まれていく。 京の町は不穏でも商売はやっていかないと暮らしていけない。そのために今回も様々な道具の買付や新たな目玉商品発見に忙しい。 そんな中で妻・ゆずの目利きや買付けさせてもらうためのアイデアが光っている。奉公人たちから真之介よりもゆずに目利きの極意を請うシーンがある。 しかしゆずの答えはなんと『ええ道具というのんは(中略)お金のにおいがする』とのこと。 老舗の有名道具屋のお嬢様として育ったゆずからそんな生々しい言葉が出てくるとはと驚く一同だが、それこそが道具屋商売ならではの言葉だろう。 値段などあってないようなもの。いくら高価な材料と高い技術で作られた価値の高い道具であっても、それを買ってくれる人がいなければ商売にはならない。逆に対した価値のない道具であってもそれを必要とする人、価値を見出す人がいれば高値で売れる。 道具屋は様々な道具で人と人を繋ぐ商売といえるかも知れない。 だが買う人売る人が正直で純粋な人ばかりではないだけにしたたかな駆け引きが重要となることもあるのだが。 またもや出てきた壬生狼の芹沢のせいで価値のない壺を大金で買うことになってしまったり、ゆずを諦めきれない茶の湯の若旦那から仕入れたばかりの茶壺を強奪されそうになったりと悪縁もまだ続きそうだ。 それでもゆずの機転や目利きで何とか切り抜けていく。 …と書くと、真之介の良いところはないようだが『道具屋は、一に度胸、二に金、三に目利きや』と言うだけあっていざというときの行動力と腹のくくり方は頼もしい。 逆にゆずも道具屋商売を甘く見ていたことを知らされるシーンもある。二人ともまだまだ成長途上ということだろう。 最終話はシリーズ前段の二人が夫婦になるまでの話。ここでも真之介はゆずと夫婦になるため、道具を手に入れるための駆け引きを繰り広げている。 何となく黒川博行さんの作品に出てきそうな騙しもあるのだが、それもまた道具屋商売をやる上での成長と言えるだろうか。 第三作もあるようだが、<とびきり屋>と夫婦がどう時代の荒波を乗り越えていくのか注目していきたい。 シリーズ第一作「千両花嫁」レビュー https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4163270507

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2017/06/27

ゆずと真之介、いい夫婦だなぁ。大文字の送り火を見ながら「ええ女房や」とつぶやく真之介が可愛い。2人はこんなにほのぼのしているのに、攘夷志士たちがとびきり屋を利用していて怖い。血生臭いものに巻き込まれそう。やめてー。

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2017/01/13

このシリーズよい。 山本兼一大好き。 ええもんひとつ が、いーかな。 坂本龍馬が出てくるし、香りの話。 しかし、ゆずちゃん⁉︎ 「そうえ。神様にお願いがあるときは、いつも先にお礼を言うことにしてるんよ」 そして⁉︎ええ道具=「お金のにおい」って。 ふむふむ

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2016/07/22

真之介さんとゆずさんの気持ちがぎくしゃくしそうになり、ハラハラしましたが、お似合いの夫婦。お互いを補いながらお店も繁盛してます。でも、幕末の不穏な空気が。 新選組のキャラはどうしても、香取さん、佐藤さんを当てはめてしまう。

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2016/04/14

前作よりも読みやすく感じた。 茶壺の結びなど茶道に関する話が 多くありまたさらに興味惹かれた。 今回も桂や新選組などの偉人の面々も 現れ、またまた面白い展開に… 次作も読むぞー!

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2014/11/19

やわらかなほのぼのとした夫婦愛が心ひかれる。  歴史上の人物を絡めながら物語を進めていく作者は流石。 「神様にお願いするときはかなえてくれてありがとう」 まさに、これはよかった。

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2012/06/16

京都の道具屋の夫婦のものがたり 道具の見立ての話をきちんと書いている コトは好評かできるし、なにより夫婦の ありようが最高です 最後のとびきり屋なれそめ物語は いいですねぇ この本はシリーズ第2作のようなので 最初の話を借りてこなきゃ!

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2012/04/16

「とびきり屋見立て帖」シリーズ2冊目。幕末の京都で道具屋を営む若夫婦。ほのぼのととしていて、道具への薀蓄もあり楽しめるんだが、各話のエピソードは短編の為もあり、やや弱い。芹沢や竜馬も時代の説明に過ぎず、存在感は薄い。まぁ、しっとりした夫婦愛がメインで嫌味のなさが持ち味、わりと好き...

「とびきり屋見立て帖」シリーズ2冊目。幕末の京都で道具屋を営む若夫婦。ほのぼのととしていて、道具への薀蓄もあり楽しめるんだが、各話のエピソードは短編の為もあり、やや弱い。芹沢や竜馬も時代の説明に過ぎず、存在感は薄い。まぁ、しっとりした夫婦愛がメインで嫌味のなさが持ち味、わりと好きなシリーズです。

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2012/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この作者さんのプロフも知らず、みかけたタイトルで手にとった。幕末の京都で道具屋を営む新婚夫婦の連作(実はシリーズ2冊目らしい)。幕末の有名人がぽちぽち登場するが、あえて名前を出さずに「○○藩のお侍」程度にしてもらったらもっとリアルに感じられたかも。 「一番ええもんひとつだけ買う」「道具を十点買ったら、いちばんよい道具をひとつだけ取り分けて残しておき、ほかの九つを売って利益を上げるようにする」というあたりは何やら他の趣味にもあてはまるような。勉強になります。 もうちょっとのんびりした時代の話だと安心して読めるんだけど、シリーズが続くと歴史の転換点に近づいていくので色々心配。

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2011/07/20

初めての山本兼一作品。あえて評判の高かった受賞作を避けて・・・京都で道具屋を営む若夫婦が、道具によって人間を、腕を磨いていくなかで、幕末という設定柄歴史上の人物をうまく登場させて、確かにこういう話はあったかもしれない。とうまい演出で、気楽に楽しめる娯楽小説。他の方の感想にあるよう...

初めての山本兼一作品。あえて評判の高かった受賞作を避けて・・・京都で道具屋を営む若夫婦が、道具によって人間を、腕を磨いていくなかで、幕末という設定柄歴史上の人物をうまく登場させて、確かにこういう話はあったかもしれない。とうまい演出で、気楽に楽しめる娯楽小説。他の方の感想にあるように、偶然ながらこの作品を先に手に取ったのは正解だったみたい。次は受賞作を読んでみよう。

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