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スワロウテイル人工少女販売処 の商品レビュー

4.1

61件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2025/06/26

大好きな作品です。アンドロイドと人間というよくある題材ですが、アンドロイド側がそれっぽくないというか人間そのものという感じがありながら、自分自身は人間ではないんだよな、と一歩引いている感じが新しかったように感じる。内容も精神とは、人間とは、という問いをはじめ哲学や心理学を交えつつ...

大好きな作品です。アンドロイドと人間というよくある題材ですが、アンドロイド側がそれっぽくないというか人間そのものという感じがありながら、自分自身は人間ではないんだよな、と一歩引いている感じが新しかったように感じる。内容も精神とは、人間とは、という問いをはじめ哲学や心理学を交えつつ運命論やSFっていうような設定も出てきてとても楽しめました。

Posted byブクログ

2025/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間のパートナーとして人工妖精というヒューマノイドがあてがわれている世界で、殺されても再出現する「傘持ち」という人を殺せる人工妖精を追うお話。 男女別に隔離された人工島が舞台。蝶型微細機械群体というお掃除ロボット+構造物の保全者的なマイクロマシンが各所で働いているのが印象的。 人間と人工妖精の在りようの差がキーになっているお話で、それだけに人工妖精の特性を生かした「傘持ち」の仕掛けはおおと思った。また、人工妖精の性格の方向性を定めるために地水火風の気質が与えられていたのも個人的には面白かった。

Posted byブクログ

2023/12/24

自らの依って立つ由縁、あるいは人間の人間たらしめるところの何か。そんな重たいテーマの絡まる揚羽に F.S.S. のファティマがダブる。

Posted byブクログ

2023/06/13

ラノベのようなスタイルをとりながら、重厚なテーマと複数の読み方を持つ、何度でも再読したい一冊です。 「限りなく人間に近い機械」というありがちな設定に、男女隔離を余儀なくされた世界に第三の性として作られたという存在理由を加えたことで、テーマに大きな深みが生まれた気がします。 特に印...

ラノベのようなスタイルをとりながら、重厚なテーマと複数の読み方を持つ、何度でも再読したい一冊です。 「限りなく人間に近い機械」というありがちな設定に、男女隔離を余儀なくされた世界に第三の性として作られたという存在理由を加えたことで、テーマに大きな深みが生まれた気がします。 特に印象的なのは洋一と置名草の美しくも残酷な物語です。精緻なSF的要素に見える置名草の体質や背景は、単なる無味乾燥なSFガジェットではない、人間の思いが届くものとして描かれています。このあたりに全編を通じて暗示される人工妖精と人間双方の悲哀が詰まっている気がします。 何より、結びは冒頭の一節だけでなく主人公への解答として機能しており、物語が終わったのではなく彼女が旅立ったに過ぎないことを雄弁に語っています。

Posted byブクログ

2023/03/24

男性向けファンタジーと弁えて読めば設定は面白いし哲学もいい。 ただどうしても片側世界、特に女ではなく男性の為に存在する少女だけなので感情が哀しく薄っぺらい。 中身と無関係に、男の料理に対する作者の言葉があまりに的確で大笑いしたが、実際は傍迷惑な男の料理かなw 女だって料理下手はい...

男性向けファンタジーと弁えて読めば設定は面白いし哲学もいい。 ただどうしても片側世界、特に女ではなく男性の為に存在する少女だけなので感情が哀しく薄っぺらい。 中身と無関係に、男の料理に対する作者の言葉があまりに的確で大笑いしたが、実際は傍迷惑な男の料理かなw 女だって料理下手はいくらでもいるがそこに料理皆伝レベルの蘊蓄はついてこない。この差がでかい。

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2021/07/15

人工生命、男女の分断、病人を隔離した豊かな自治区……と、要素盛り盛りなところがとても良いですね。全部乗せで贅沢だけど世界観にのめり込んでどんどん先を読みたくなっちゃう。 ヒロインの揚羽がいちいち感情重い子で可愛い。 水先案内人の置名草や「クラスメイトの女の子」として作られた人工妖...

人工生命、男女の分断、病人を隔離した豊かな自治区……と、要素盛り盛りなところがとても良いですね。全部乗せで贅沢だけど世界観にのめり込んでどんどん先を読みたくなっちゃう。 ヒロインの揚羽がいちいち感情重い子で可愛い。 水先案内人の置名草や「クラスメイトの女の子」として作られた人工妖精の在り方も切なくて……でもきっと、彼女たちは不幸せではないんだろうな。複雑。

Posted byブクログ

2019/09/23

人間を維持するために作られた人工妖精たちの、自意識からの苦悩と、絶望と、 そこからの解放。 技術が発展しようと、SFな設定が横たわろうとも、 そこで息づくのが人間(あるいはそれに似せた何か)である以上、感情と、それに基づくドラマは生まれる。

Posted byブクログ

2019/07/21

表紙とタイトルからラノベの香りを感じていたが、思っていたよりずっと早川書房=SF寄りの話で面白かった。むしろ、中途半端にあるラノベの香り(たとえばヒロインが変な声で鳴く)は必要だったのか?? この先の展開でその話も出てくるもしれないが、是非女性鎖国サイドの描写も読んでみたい。

Posted byブクログ

2018/10/15

藤真千歳「スワロウテイル人工少女販売処」読み始めた。持って回ったような語り口がどうにも鼻について読みづらく、世界(観)の説明が今ひとつすんなり入ってこない。 マルドゥックもこんな感じだったっけか? そして牧野修「MOUSE マウス」が読みたくなった。 スワロウテイル人工少女?...

藤真千歳「スワロウテイル人工少女販売処」読み始めた。持って回ったような語り口がどうにも鼻について読みづらく、世界(観)の説明が今ひとつすんなり入ってこない。 マルドゥックもこんな感じだったっけか? そして牧野修「MOUSE マウス」が読みたくなった。 スワロウテイル人工少女?、少し慣れてきたか。 スワロウテイル人工少女〜170ページ、ようやくストーリーが動き出した気がする。セリフ、地の文ともに、やはりマルドゥックよりもラノベっぽい。 藤真千歳「スワロウテイル人工少女販売処」友人に勧められて読み始めた。最初はどうにも取っ付きづらく閉口したが、170ページを越えた辺りからようやくストーリーが動き出したようだ。こういうSFは「マルドゥック・スクランブル」以来だが果たしてどこへ連れてってくれるのか。 スワロウテイル人工少女についてツイートしたら、作者からフォローされた。おもしろいなあ。 「スワロウテイル?」やっぱりラノベだな。 「スワロウテイル人口少女?」ようやく半分くらい。読むの疲れてきた……。 「スワロウテイル人工少女〜」ひさしぶりに続き読んだ。いよいよクライマックスに向けて盛り上がって行くのか!? とはいえ個人的には今ひとつ盛り上がらないままなんだよなあ……。

Posted byブクログ

2018/10/08

74:「種のアポトーシス」に感染した者が男女隔離され、人工妖精と呼ばれる人造人間と共に暮らす人工島で、人工妖精による殺人事件が発生する。人工妖精の五原則により、人工妖精は人間に危害を加えることはできないはずだが――。語られる世界や人は病んでいて、人工妖精の「造られた美しさ」が際立...

74:「種のアポトーシス」に感染した者が男女隔離され、人工妖精と呼ばれる人造人間と共に暮らす人工島で、人工妖精による殺人事件が発生する。人工妖精の五原則により、人工妖精は人間に危害を加えることはできないはずだが――。語られる世界や人は病んでいて、人工妖精の「造られた美しさ」が際立っています。人工妖精の造作に見られるゴシックぽさと、人工島や五原則という近未来SFの世界観が見事に調和して、自我の境界や生命、知性という割と硬めのSF部分を妖しく彩っています。女の子にもお勧めできそう。表紙のもえ絵からはちょっと想像もできないような(失礼)、本格的なサイエンス・ファンタジー。お勧めです!

Posted byブクログ