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密偵 の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2015/11/01

(陰の)主役は斉藤一。維新後、揺れ動く社会(「蟹工船」もこのころが時代設定なんだろうか)や価値観の中で、生き続けた彼の矜持について、思いをはせる。「生き抜く」ということに重きを置いていた、彼に。この人の作品を読むと、矜持、ということをしみじみと考えさせられる頻度が高い。

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2015/08/30

明治=文明開化っていう華々しいイメージがあったけど、厳しい立場にいた人々がいっぱいいたし、日本国民みんながそれぞれ進む道を模索してたんだなと。スパイたちの必死の頭脳戦と欺きあいが臨場感たっぷりに書かれていて本当に面白かった。同著者の幕末を書いた小説、「藤堂平助」とか「土方歳三」の...

明治=文明開化っていう華々しいイメージがあったけど、厳しい立場にいた人々がいっぱいいたし、日本国民みんながそれぞれ進む道を模索してたんだなと。スパイたちの必死の頭脳戦と欺きあいが臨場感たっぷりに書かれていて本当に面白かった。同著者の幕末を書いた小説、「藤堂平助」とか「土方歳三」の後に読むと繋がる人間関係があってリンクが楽しめた。

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2015/05/15

面白かったです。読みやすい。 この小説は、維新後警察に入った、元新撰組斉藤一改め、藤田五郎の、密偵が主人公。だから「密偵」。 本当に、新撰組隊士たち、特に人気どころの幹部たちは、作家さんによって、全く違う描かれ方してますね。 この作家さんは、一貫して、斉藤一を、ぎらぎらした...

面白かったです。読みやすい。 この小説は、維新後警察に入った、元新撰組斉藤一改め、藤田五郎の、密偵が主人公。だから「密偵」。 本当に、新撰組隊士たち、特に人気どころの幹部たちは、作家さんによって、全く違う描かれ方してますね。 この作家さんは、一貫して、斉藤一を、ぎらぎらした感じのしない、飄々とした人として描くので、そのファンの方が多いみたいですね。 私はぎらぎらした斉藤の方が好きだけど、飄々としてるのに、実は熱い、みたいなこの斉藤さんも好きです。 本筋に関係ないことですが、秋月作品で、斉藤一は、会津の密偵として新撰組に入ったことになっている。試衛館の同志じゃないの?うーん。 永倉新八もすごく好きなので、登場シーンはうれしかったです。 武器として、主人公は外国製のナイフを使うし、ピストルや毒手裏剣も登場し、日本刀を使うのは、藤田と永倉改め杉村だけ。そのせいだけではないんですが、藤田と杉村が、中年に関わらず、若い主人公たちを食うほどのかっこよさです。ほれぼれ。 といっても、若さゆえに悩み多き主人公も、聡明さ、土壇場の強さを持ち、とても魅力的です。 この作家さんは、ほんとに男性を、(特に女性から見て)魅力的に描くのが上手ですね。

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2013/06/05

うーん。おもしろい。いや、おもしろくないか。何か足りないか。いや、満ち過ぎか。あと数作この作家の作品を読んでから決めよう。

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2012/11/11

これは、面白かった! 話に意外性があって面白いし、人物設定も描写も巧みです。 主人公も好感もてたけど、斎藤一がかっこいい! ミステリーとしてもワクワクが止まらず、各々の信念にも絆され、ほんと一気に読んじゃいました。 幕末や新選組好きならオススメです。

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2012/04/04
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面白かった! 新撰組三部作より、好き。 気持ちよくさくさく読め、読後感も良かったです。 残酷なシーンも多くはあるけれど。 新撰組三部作で感じたようなBL色はなかったけれど、藤田(斎藤)と、桐生(主人公)の関係が良かった。 信頼関係があるようなないような・・・桐生は藤田に遊ばれつつ、翻弄されつつ、でも、やっぱり最後は信頼があったのかな。 藤田はかっこよかった。飄々としてこなれた感じ? こういう上司・部下像ってどこかで読んだような気もするけど、はて?どこだったかな? 藤田(斎藤)と、杉村(永倉)がやり合うところは圧巻でした。 このシーンのためだけに読んでも惜しくはない感じ。 なかなか、新撰組ファンなら必読の一冊でした。

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2012/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやいや、久しぶりに眉根を寄せて息をつめて入り込んで読んだ一冊。桐生と藤田に惚れますよ(*´Д`)・・・舞台は徳川の世から明治へと時代が変わり二十年たったころ。元桑名藩士の桐生は命を受け密偵として北の果ての監獄にもぐりこみ、孝明天皇崩御に隠された噂の真相を探りながらも、政府に揺さぶりをかけようとする計画の阻止を命がけで行う。しかして、その真相は。証拠の品は。裏切り者はだれ?ただ徳川幕府がたおれ、明治天皇が擁立されたんじゃなかった。その間の年表の事柄のひとつひとつに多くの血が流れた。鹿鳴館の舞踏会の裏で、民は更に搾取され飢えで死んでいく。そんな混沌の上で近代国家になったことを改めて知る。また、「かごめかごめ」の歌が事件のキーを握る。意味を初めて知った。籠の中の鳥とは。鶴と亀とは。後ろの正面とは。そしてこの歌に続きがあった。秋山香乃さん読んだの初めて。他も読んでみたい。ぜひ。

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2011/07/24
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時代が一気に討幕へと傾いた要因ー孝明天皇の突然の崩御に関わる謎を巡っての政府の密偵の活躍を描く。 ぐいぐい引き込まれる。 元新選組の斎藤一改め藤田五郎警部、永倉新八改め杉村義衛、島田魁達も登場。 秋山作品の斎藤の持ち味はこの本でも健在。 他の作家の斎藤像とは一線を画すが、この何とも言えない斎藤像にはまってしまっている。 永倉と斎藤の対決も双方のキャラクターを際立たせいた。

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2011/06/10
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藤田警部と杉村の対決シーンに大興奮しちゃいました! 桐生もいいキャラクターですよね。 この上司と部下コンビでシリーズ化希望!!

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2011/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明治が舞台。19年ごろ。 斉藤一の部下である男が明治政府転覆計画に関わる重大な証拠を反政府の人間に奪われないように暗躍する話…。と書くとやや見も蓋もないが、まあ、政府の密偵の話ですね。 時期としては『獅子の棲む国』のさらに10年ほどあとの話になるみたい。『獅子~』のときはまだ密偵にスカウトされたばっかりだった斉藤はここでは密偵を束ねる警部補になってます。北海道の空知刑務所や京都、日光東照宮などでひそかに、派手に暴れまわっています。 ミステリーとも言えるような話で、この話の主軸ともいえる「転覆の証拠」の場所をめぐって密偵と反政府が謎を解きあう。その証拠と、幕末の京都で行われた「伊東甲子太郎暗殺」の事件が絡まっているのが面白い。新撰組内だけのつぶしあいではない、とする解釈(というかここでの設定か)は意外に納得できるし、上手くできている。意外と早い段階で出てくるので書くが、その証拠は孝明天皇の崩御に関わるもので、それが何なのか、斉藤一がどう関わっていたのか伊東甲子太郎の事件とどうつながっているのか。 ただ連続でこの作家の作品を読んだせいか、すこし疲れた…

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