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人間にとって科学とは何か の商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

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2022/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p.118-119 "Act of God"であったようなものがリスクに変わる、つまり科学技術が進歩すればするほどリスクは増大します。(略)社会学者ニコラス・ルーマンの「リスク社会論」はまさしくそのことを明示しています。

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2020/06/27

なぜ読んだ?: 高校の現代文の教科書に載っていた文章の中で最も興味があったものの底本を読むことにした。 科学論・科学技術論・科学哲学といったテーマの本を読みたかったのでちょうど良いかなとも思った。 内容をざっくり: 科学の成立、西洋と日本 社会の変化をもたらすネオタイプの科学...

なぜ読んだ?: 高校の現代文の教科書に載っていた文章の中で最も興味があったものの底本を読むことにした。 科学論・科学技術論・科学哲学といったテーマの本を読みたかったのでちょうど良いかなとも思った。 内容をざっくり: 科学の成立、西洋と日本 社会の変化をもたらすネオタイプの科学 医療、生命倫理、安全・リスク 科学の合理性と社会の合理性の違い、社会における意思決定と科学の関係 私たちにとって科学とは何か。結局、科学者も社会も、相手を尊重することが大事。そのためにも、科学リテラシーの向上が重要。 知識のための知識も大事にしよう。人間にとって科学は必要だ。 感想総論: 科学史や、科学哲学の話はほんの少しだけ。 科学と社会の関わりについて、近年の事例をあげつつ説明されていた。 科学は価値観に立ち入らない話や、専門家の意見とと社会の「常識」の兼ね合いによる意志決定の話は近年の新型コロナのニュースに通ずるものがある。 「常識」概念は、『教養としてのテクノロジー』での「センシティビティ(肌感覚)」概念や『バカの壁』での「常識」概念に近そう。 科学コミュニケーションモチベが上がった。 今後の展望: 科学と社会について1つ読めたので、科学哲学・科学史の本を読んで、科学とは?ということについて考えたい。 科学という枠組み、科学研究の構造について興味がある。クーンのパラダイム論など。 『科学哲学への招待』『科学革命の構造』あたり。

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2018/05/27

ところどころ微妙な引っかかりはあるものの、全体としては科学と社会の関わりについて平易に述べられており読みやすい。

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2017/07/18

語りかけるような形式で、科学とはなにか、社会とどう関わってきたか、そしてこれからの社会との関わり方はどのようにあるべきかといったことをわかりやすく説いている。いまの科学あり方を考えるときにはやっぱり成立から現在に至るまでの歴史を追うのは大事なんだなぁと再認識した。技術との違いとか...

語りかけるような形式で、科学とはなにか、社会とどう関わってきたか、そしてこれからの社会との関わり方はどのようにあるべきかといったことをわかりやすく説いている。いまの科学あり方を考えるときにはやっぱり成立から現在に至るまでの歴史を追うのは大事なんだなぁと再認識した。技術との違いとかね。たいへん読みやすいので科学論、科学技術社会論的な領域への入り口としてはよいと思う。もうちょいヘビーなのを読んでいい段階かなと思えた。

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2017/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2017.05.19読了  科学は自然界の真理を発見するためにあるのか、それとも、人間の役に立つためにあるのか。  科学哲学の根本的なテーマである。専門的で高度な内容であったが、よく理解できた。  生命倫理との関係では、「遺伝子操作ができるようになって、同性カップルが自分たちの遺伝子を組み合わせた【子供】をほしがるようになった話」が印象に残った。なるほど、科学が発達することで、「ありえない」欲望や欲求も出てきてしまう。「発展させればいい」という性質のものでもなさそうだ。 リスクと科学の話では、「制御できないものはリスクと呼ばない」話。小惑星が地球に衝突する(これは天災)のは、場所を予測して疎開するくらいしか方法がなかったが、科学が発達してその小惑星の軌道を変えることができるようになるととたんにリスクと認識されるようになる。 「パブリックとは何か」とか、「科学者として法廷に立つ」とか、社会科学に関係のあることも書かれていた。法廷は傭兵をやとって勝ち負けを競う場であり、真理発見の場ではない。真理を探究する科学者が辟易するのはその通りだ。  様々な方向性から「科学」の本質を明らかにする本書は、科学の世界においてこそ、倫理的・哲学的な考え方が大事であることを再確認させてくれる。  プロの科学者が読むと、たぶん「それは違う」と思うことも多々あるのだろうけれど。

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2016/02/10

無意識にたくさん読んでいた村上陽一郎先生の本。 この本は2010年発行、すなわち震災以前の本ですが、今の科学が抱える問題を満遍なく書いた本だと思います。

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2015/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ひとが何を「安全」と思い、「安心」と感じるのかということは、必ずしも合理的な基準があるわけではなく、相対的なものです。(p.114) 「衆愚」にならないたえに、意思決定に参加する人に、そしてそうでない生活者の方々にも、科学技術に対するリテラシーをもっと理解してほしいと思います。理解とは専門知識ではありません。物理学の難しい方程式などは知らなくてもいいけれど、自然探求の面白さを知り、それを土台に科学・技術を理解し、考え、責任を分担できるように「成熟」していくことなのです。(p.156) 科学の側から科学者のすべきこと、科学者がこうあるべきだ、と考えるのはある意味、単純なのですが、それが「私」対「公共」となると、何をすべきか、何ができるのか。私はほんとうに、日本にパブリックを確立できたら、と考えているのです。(p.160-161)

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2014/11/03

リテラシーの大切さと、文化上意識しなければならない科学の在り方についての初心者本。 リスクについての、解説が分かりやすい。 良書ではあるが、好みは分かれると思う。

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2013/08/28

つい先日、小飼弾氏が「科学的とはどういう意味か」という本の書評をしていた。 小飼弾氏による科学の定義とはたったの一行。 「科学とは、知をもって信をおきかえること」 つまりは、純粋な真理の探究としての科学研究について語っている。 しかし本書は、"人間にとって&...

つい先日、小飼弾氏が「科学的とはどういう意味か」という本の書評をしていた。 小飼弾氏による科学の定義とはたったの一行。 「科学とは、知をもって信をおきかえること」 つまりは、純粋な真理の探究としての科学研究について語っている。 しかし本書は、"人間にとって"科学とは何かというタイトルであり 社会の中における科学のあり方をテーマとしている。 今日の体系だった科学というものの歴史は、意外にもそれほど古いものではなく 始まってからまだ200年程度しか経っていない。 だが、科学から生まれた力は 良くも悪くも社会を大幅に変革するようになってしまった。 地球温暖化、クローン羊、ES細胞、核爆弾 etc もはや科学は、純粋な真理の探究だけでは済まされない。 人間社会の基本的な価値観についての、多角的な議論が必要であろうと。 テーマは壮大で、いろいろ面白い話はあるのだが いかんせん哲学的な問いなので、特に明確な結論があるわけではない。 一つ明確な主張があるとすれば 「多角的な議論のために、人類の皆がもっと科学リテラシーを身につけることが必要」ということだろうか。 余談だが、読んでいて全体的にまとまりのない文章だなと感じていたのだが あとがきで理由が判明した。 著者は原稿を自分の手で1文字も書いておらず、語り下ろしを編集者が纏めてくれたとのこと。 どんなに頑張っても、他人の口述や考えを文章にまとめるのは限界がある。 自分の考えは自分の手で書かないと、文章をまとめるのは難しい。

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2012/06/08

「生命経済学」のテキスト。社会の中の科学の位置づけについて述べている。後半は要点がつかみづらかった。

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