マルカの長い旅 の商品レビュー
(2010.09.06読了)(2010.09.01借入) 第二次世界大戦下のドイツ軍に占領されたポーランドに住んでいたユダヤ人一家の物語です。強制収容所に送られそうになったのを察知した一家が着の身着のままで、国境の山を越えて、ハンガリーに逃れようとするのですが、母親(ハンナ)と二...
(2010.09.06読了)(2010.09.01借入) 第二次世界大戦下のドイツ軍に占領されたポーランドに住んでいたユダヤ人一家の物語です。強制収容所に送られそうになったのを察知した一家が着の身着のままで、国境の山を越えて、ハンガリーに逃れようとするのですが、母親(ハンナ)と二人の子供(ミンナ・16歳、マルカ・7歳)での徒歩移動なので、7歳の子供を途中で人に預けざるを得なかった。子供は目立たないので、後で列車を利用して、ブダペストに送り届けてくれるということだったのです。 母親と、上の娘は、さんざん苦労の末、ブダペストにたどり着くのですが、下の娘は、待てど暮らせど、ブダペストにはやってこないのです。 噂によれば、預かった家が、ユダヤ人を預かっているという疑いをもたれ、やむなく子供を町中に放置したのです。子供は、町を彷徨い親切な人に助けてもらったりしますが、ポーランドに送り返されてしまいます。母親の知り合いがかくまってくれたりしますが、結局ユダヤ人の隔離地区・ゲットーの一家に預けられます。 ゲットーの住民には、移送が行われ、みんなどこかに連れて行かれ、しばらくすると、又別のユダヤ人たちがゲットーにやってくるということが繰り返されます。 マルカは、ユダヤ人の移送が始まるとゲットーを抜け出し、教会に入り込んだり、親切な人に助けられたり、列車で時間を過ごしたりで、やり過ごします。 食事は、移送されたユダヤ人たちが置いていったものや、物乞いで恵んでもらえたもので、空腹を満たします。毎日井戸で水は、のみます。 チフスにかかって倒れたところを拾われて病院に入れられます。マルカの母親は、医者だったので、マルカの母を知っている医者の配慮で、しばらく病院で過ごしているうちに、母親のところに情報が入り、母親の依頼で、代理人が迎えに行き、やっとマルカは母親のもとに届けられます。 とはいえ、簡単に話が進まず、紆余曲折を経ることになります。この辺は作家の腕の見せ所といったところです。最後も、マルカは、母親にあっても母親の懐には行かないのです。 マルカ・マイは実在の人物で、作者がイスラエルで、本人から聞いた話に作者の想像を加えて作り上げた物語ということです。 「戦場のピアニスト」「運命ではなく」と同様、第二次大戦下で、ユダヤ人が経験した悲惨な体験が、ここにもあります。 ☆関連図書(既読) 「シンドラーズ・リスト」キニーリー著、新潮文庫、1989.01.25 「戦場のピアニスト[新装版]」 ウワディスワフ・シュピルマン著、春秋社、2000.02.10 「戦場のピアニスト」ロナルド・ハーウッド著、新潮文庫、2003.02.01 「運命ではなく」ケルテース・イムレ著、国書刊行会、2003.07.29 (2010年9月8日・記)
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10代から、20代はじめの頃、 第二次世界大戦下のユダヤ人の子どもが描かれた YAを、いくつも読んだ。 最近では、あまり、そういうテーマをYAで読まなくなってた・・・ アニカ・トールの、ステフィとネッリは、 すごくすごくのめりこんで、読んだけれど。 ポーランドからハンガリ...
10代から、20代はじめの頃、 第二次世界大戦下のユダヤ人の子どもが描かれた YAを、いくつも読んだ。 最近では、あまり、そういうテーマをYAで読まなくなってた・・・ アニカ・トールの、ステフィとネッリは、 すごくすごくのめりこんで、読んだけれど。 ポーランドからハンガリーへ逃げる途中、 離ればなれになってしまった、母子。 実在の人物の体験に基づき、描かれた、フィクション。 ハンナのことが、どうしても、受け入れられず、 舞台の戦争よりも、そっちにもやもやした。
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第二次大戦下のポーランド。ユダヤ人狩りの噂を聞いた女医ハンナは、娘二人をつれて、ハンガリー国境を目指していた。だが、7歳のマルカが熱を出し、必ず迎えに来ると言って地元の人に預けていくことになった。 しかし、マルカを預かった人物は、身の危険を感じてマルカを近くの町に置き去りにしてし...
第二次大戦下のポーランド。ユダヤ人狩りの噂を聞いた女医ハンナは、娘二人をつれて、ハンガリー国境を目指していた。だが、7歳のマルカが熱を出し、必ず迎えに来ると言って地元の人に預けていくことになった。 しかし、マルカを預かった人物は、身の危険を感じてマルカを近くの町に置き去りにしてしまう…。
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