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写楽 閉じた国の幻 の商品レビュー

3.7

120件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    4

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2019/01/06

写楽を巡るミステリーについては恥ずかしながらほとんど何も知らなかったんですが、知れば知るほど挑み甲斐のある謎であることを深く思い知らされます。 著者によれば構想20年ということですが、このように小説の登場人物を通じて結論に到達する過程を展開させられると、何だかこれ以外に真相はあり...

写楽を巡るミステリーについては恥ずかしながらほとんど何も知らなかったんですが、知れば知るほど挑み甲斐のある謎であることを深く思い知らされます。 著者によれば構想20年ということですが、このように小説の登場人物を通じて結論に到達する過程を展開させられると、何だかこれ以外に真相はありえないんじゃないかと思わされてしまう。 それくらい、結論に到達していく終盤は高揚感があります。 さらに、間に挟まれる江戸時代パートが佳い。 蔦屋重三郎とか喜多川歌麿とか山東京伝とか、日本史の教科書で名前をみたような人物が生命を吹き込まれて甦ります。 浮世絵が書かれた当時、18世紀の終わり寛政年間頃の江戸の世相についても生き生きとイメージが湧く。 しかし一方で、小説としては不格好な点も多々あります。 まず680ページにも及ぶ大著でありながら、同じことを何度も繰り返して説明している部分が多く冗長。 しかも現代パートでの登場人物の間の会話が如何にも説明的。 主人公の子供が犠牲になる回転扉事故や、主人公が写楽にのめり込むきっかけとなった肉筆画や、謎めいた美人東大教授の素生など、冒頭のほうで投げかけられた要素が、伏線なのかなと思っていると最後まで全く回収されることなく放ったらかしのまま、中盤以降写楽の謎解きに終始してしまいます。 このへんの事情は著者自身によるあとがきにも心残りとして触れられていますが、もともと週刊新潮で連載されていたものなので、連載を進める中で収拾つかなくなっちゃったというのが本当のところのようです。 せっかく単行本化するなら、その際に整理してすっきりさせればよいのに、と思うのですが。

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2016/12/23

小説仕立てで逃げたかという感じ。 ノンフィクションで書いて欲しかった。でも、そうなると穴だらけなんだろうな。 小説としても半端。知ってることを並べ立て、登場人物もB級アニメみたい。主人公もサブイボもの。写楽でなければ途中で止めていた。

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2016/01/11

写楽の正体を追及していく内容でした。「このミステリーがすごい」の2位だったので読んでみましたが、写楽についても名前を聞いたことがある程度の知識だったので、全く内容についていけませんでした。これミステリーなんですかねー?最終的に写楽の正体も聞いたこともない外国人という結論ですし(平...

写楽の正体を追及していく内容でした。「このミステリーがすごい」の2位だったので読んでみましたが、写楽についても名前を聞いたことがある程度の知識だったので、全く内容についていけませんでした。これミステリーなんですかねー?最終的に写楽の正体も聞いたこともない外国人という結論ですし(平賀源内っていうのだったらまだしも)、全く爽快感がないというか。世界的に評価されている正体不明の日本人画家が実は外国人だったなんて、これほど冷める展開はないです。この結論ならNHKのドキュメントでした方が良かったのではないでしょう。

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2015/07/22

伊坂幸太郎さんがエッセイでかなり押していた作家が島田さんであって、私は一冊も読んだことがなかったためさっそく友人から借りて読んだのだけれども、会話がすんげぇ長いのと、彩としてのハーフ美人大学教授がなぜかキーとなる原書のある国の生まれという都合のよさ、死んだ息子に関する裁判の話は放...

伊坂幸太郎さんがエッセイでかなり押していた作家が島田さんであって、私は一冊も読んだことがなかったためさっそく友人から借りて読んだのだけれども、会話がすんげぇ長いのと、彩としてのハーフ美人大学教授がなぜかキーとなる原書のある国の生まれという都合のよさ、死んだ息子に関する裁判の話は放ったらかしなどが相俟って自分には合いませなんだよ、伊坂さん、と思ったもののエッセイで伊坂さんが薦めていた島田さんの作品のなかには本作はなかったのだから伊坂さんを責めるのはよくないことなのだな。

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2015/01/19

これまでは明石散人の『東洲斎写楽はもういない』の説がパラダイムシフトを起こすくらい衝撃的だったから信じてきたけど、この本で書かれているような写楽の正体が、現実的なところかもしれないな。細部のこじつけ感もありつつ、そんなもんだよなぁとも思う。

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2015/01/04

写楽の正体に迫っていく話 いろいろな人の名前や書物が出てきて、読むのに苦労したけど ラスト周辺は爽やかでよかった ただよく分からない固有名詞が多くてほんと時間かかったし疲れた

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2014/10/13

写楽の研究を柱に伏線が引かれて話が進んでいくが、後書きにもあるように書き残された部分があり、消化されてない感じ。 ただ、写楽がこんなに謎に包まれた人物だとは知らなかったので興味が沸いた。

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2014/05/31
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※このレビューにはネタバレを含みます

「このミス」に選ばれた大作なのだけど…。 資料をかなり漁ってる労作であることは理解できるけれど…。 主人公の美術研究者がグズすぎて、うっとおしい。 息子の事故死やら、嫁舅との諍いやら、東大出を鼻にかける無能ぶりとか、美人の女教授に鼻の下伸ばすとか。この現代編のエピソードいるか? いるか? 要らないでしょ。 歴史小説上での絵画ミステリーを期待したが、冴えない家庭運のない中年男が、日本絵画史上最大の謎というネタを引っさげてリベンジ図る、という内容だった。 あとがきに、執筆に至るご苦労をくどくど書かれているけど、だったら参考文献リストぐらい掲げましょうや。 仮説としてはおもしろいから、いっそ、研究書として売り出せば良かったのにな。時期尚早、功を焦った感がある。 ーーーーーーーーーー ネタバレすると、写楽は蔦屋重三郎が見つけてきた無名のオランダ人商館員。歌舞伎役者に恨みのある蔦重が、役者の人相をおかしく描くオランダ人を気に入り、観劇させたうえ、その下絵を喜多川歌麿の写生させて、「写楽」として売り出した。

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2014/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014/03/17-2014/03/19 星4.8 歴史小説の節が強いミステリ。「さすが島田さん」と思うような技術のこもった作品な気がする。 歴史小説と言われると江戸調の少し読みにくい文章が多いと思われるかもしれないが、江戸調になるのは全体の半分だけだし、その部分も適度な江戸調にしてあるだけなのでそこまで読みにくくはなかった。 長かったが、いくつかのストーリーが重なる面白い展開だった。重要な部分は何度か繰り返して語られるので忘れることはなかった。

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2014/02/13

日本史苦手だったの忘れてました。。。 歴史ミステリが好きな人にはいいかもね。 なので、採点なし。

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