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経度への挑戦 の商品レビュー

3.7

8件のお客様レビュー

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2025/02/02

航海において、緯度経度が重要であること、また緯度は比較的簡易的に計測が可能であったが、経度に関しては計測の難易度が高かった。 経度を平易に計測できるようになるには高精度かつ環境の変化に強い時計の開発を待つ必要があったが、ニュートンをもってしてもそんな時計がうまれることはないだろう...

航海において、緯度経度が重要であること、また緯度は比較的簡易的に計測が可能であったが、経度に関しては計測の難易度が高かった。 経度を平易に計測できるようになるには高精度かつ環境の変化に強い時計の開発を待つ必要があったが、ニュートンをもってしてもそんな時計がうまれることはないだろうと考えていたそう。 そんな中、在野の時計職人が独自の発明をふんだんにとりこんだ時計を開発していく、、という話。 全く知らなかったので非常におもしろくよめた。 ただ、時計や航海についての予備知識がないとちょっと理解しづらいことも多かった。

Posted byブクログ

2022/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大航海時代、経度の測定は長年の課題であった。緯度はわかるが経度がわからないために、多くの人命や積荷が失われた。経度を測定するには月や星の観測を用いる天文法と時計を用いる工学的手法があった。天文法は正確かもしれないが揺れる船の上で、見えたり見えなかったりする星の角度を正確に求めないといけないとう製薬があったし、見えたとしても計算が複雑であった。一方時計はたとえば太陽の南中時の時刻が基準となる地点の南中時と何時間何分ずれているかしればよいので単純である。  この船の上でも、温度や湿度が変わっても一定の時を刻む時計を開発する事業に一生を捧げた男がジョン・ハリソンである。ジョン・ハリソンは賞金がかけられた時計の肺発に成功するものの、よりよい時計の開発を求めて賞金を満額もらわす、さらな開発に勤しむ。そして本人も納得する時計がついに開発したとき、彼を待ち受けていたのは天文学者達の猛反発であった。  その後の時計の量産化やハリソンの時計の修復までをしらべた痛快無火のノンフィクション。 おすすめです。

Posted byブクログ

2018/10/20

緯度と経度ってどっちが難しい? この本を読んでいなければ、こんな質問も何を小学生みたいなことかと切って捨ててしまっていたかもしれない。 縦と横は人の視点の違いだが、右と左、上と下、東と西、そして緯度と経度には、世界の視点の違いが含まれている。 東京の緯度経度も知らない自分でさえ...

緯度と経度ってどっちが難しい? この本を読んでいなければ、こんな質問も何を小学生みたいなことかと切って捨ててしまっていたかもしれない。 縦と横は人の視点の違いだが、右と左、上と下、東と西、そして緯度と経度には、世界の視点の違いが含まれている。 東京の緯度経度も知らない自分でさえ、地球が球であることと赤道の概念さえ分かっていれば、自分なりの経度線を定義することはできる。 一日かけて適当な木の棒の影の長さの推移を測り続け、1年かけて南へ歩き続け、1年後の同じ日に同じように計測した影の長さと比較する。 赤道まで到達できなくとも、同じようにデータを集め続ければ、道に迷ったときも南北どのあたりにいるかの示しとすることはできるだろう。 では経度はどうだろう。この時も基準となるのが太陽となることは変わらない。 日の出の時間と日にちの比較を記録し続ければ、基準地点からどれぐらい東にいるかを検討付けることはできる。 そう、時計さえあれば。 現代ではどこの条文にも書いていないだろうと思われるほど誰もが当たり前に享受している、『現在時刻を知る権利』 ほんの300年ほど前には誰も持っていなかった地点からの今日の進歩に、『経度の探索』が影響していたと知っている人はどれぐらいいるだろう。 いわんや、そのために生き、そのために死んだ人々の人生なんて。 もし今後、急に大航海時代に異世界転生してしまうことになった際は、なんとか本書と腕時計を掴んでいこう。 たとえ時計の詳しい仕組みがわからなかったとしても、それを扱う人生というものの一端を、味わえるかもしれない。

Posted byブクログ

2016/11/19

学がなくても、周りの助けがなくとも、熱意と試行錯誤があればやりようはいくらでもあるんだなと思えました。

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2016/03/12

緯度を計測するには北極星の高さを測る。経度を測るには時差を測る。そのためには正確な時計が必要。本書は航海用クロノメータを1700年台に最初に作ったジョン・ハリソンの伝記。独自の様々な工夫で飛躍的に時計の精度を向上させた。 クロノメータ以外の方法として、太陽以外の天体のを時刻基準と...

緯度を計測するには北極星の高さを測る。経度を測るには時差を測る。そのためには正確な時計が必要。本書は航海用クロノメータを1700年台に最初に作ったジョン・ハリソンの伝記。独自の様々な工夫で飛躍的に時計の精度を向上させた。 クロノメータ以外の方法として、太陽以外の天体のを時刻基準とする方法もある。最初に使われたのが木星の衛星の食、それ以外に月と天体の位置関係。木星の衛星の食の周期性は光速を求めるのにも使われたのが興味深い。

Posted byブクログ

2015/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

緯度とちがって経度の測定には精確な時計が必要で、海上で経度をしることはスゥイフトなどの作品でも「あり得ない発明」として論じていたほどである。実際、18世紀でも大英帝国の付近で経度がわからないためにひどい海難事故が起こっていた。これに挑んだのが、プレーストリやハレーらの天文学者と時計職人たちである。本書は天文学者と時計職人の確執を活写していて、たいへん興味深い。結局、この問題にかけられた賞金(経度法による)を勝ち得たのは、ジョン・ハリソン、独学で時計づくりを学んだひとだった。

Posted byブクログ

2012/01/22

現地時間とGMTとの差に15を掛ければ経度は得られる。18世紀の難問に決定打を提示したのは英国の天才的な時計職人だった。彼の時計をめぐって展開された数十年に渡るどろどろの人間ドラマを描いた科学読みものの快作。どろどろさがおもしれー

Posted byブクログ

2010/09/21

前半はいいが、後半は薄い。ハリソンの人物像の掘り下げが中途半端だからだろう。一部学者の頑迷ぶりと船乗りのイイ奴ぶりの好対照はよかった。

Posted byブクログ