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映画篇 の商品レビュー

4.3

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    58

  2. 4つ

    30

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    5

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2021/04/16

最愛のおじいちゃんを亡くして以来、深くへこんでしまったおばあちゃん。 孫たちにとっての無敵のパワー、おばあちゃんの大丈夫オーラが消えかかってる。 おばあちゃんの元気を何とか取り戻すために、孫たちは、 おばあちゃんとおじいちゃんが初デートで見に行った思い出の映画を 上映しようと企て...

最愛のおじいちゃんを亡くして以来、深くへこんでしまったおばあちゃん。 孫たちにとっての無敵のパワー、おばあちゃんの大丈夫オーラが消えかかってる。 おばあちゃんの元気を何とか取り戻すために、孫たちは、 おばあちゃんとおじいちゃんが初デートで見に行った思い出の映画を 上映しようと企てる。(『愛の泉』) おばあちゃんが、おじいちゃんとの出会いを主人公に語る場面。 ミスター・ミヤジこと浜石教授と『ショーシャンクの空に』について話し合う場面 自分がとくに気に入ってるシーン。 「別に気づかなくても、あのシーンの価値が損なわれるものじゃないから、全然問題ないんだけどね。ただ、知ってると、もっと深く楽しめるだろ?」

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2019/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画のタイトルをそのまま短編のタイトルにつけた連作集 「ローマの休日」が最後の短編で集約される それぞれの作風も違っていて読んでいて飽きなかった 良作

Posted byブクログ

2019/01/05

『ローマの休日』不器用で孤独な人々が映画をきっかけに繋がり、力強い再生へと踏み出して行く姿を瑞々しく描く。 『対話篇』は穏やかで柔らかな一冊でしたが、本作も人と人との繋がりを描く穏やかな一冊でした。

Posted byブクログ

2018/03/25

Twitterのリツイートで興味を持ったので購入。久々の大当たり本に興奮が抑えられない。 小学生や中学、高校生から大学生が話の中心となるオムニバス。これを登場人物と同じ時期に読むのもまた、心が動かされただろう。 でも、その枠組みから外れた時だからこそ、この話にとても意味があるよう...

Twitterのリツイートで興味を持ったので購入。久々の大当たり本に興奮が抑えられない。 小学生や中学、高校生から大学生が話の中心となるオムニバス。これを登場人物と同じ時期に読むのもまた、心が動かされただろう。 でも、その枠組みから外れた時だからこそ、この話にとても意味があるように感じた。 映画が好きな人、映画見るのカッケーとかそんなでもいいから読んでほしいし、人が作ったなにかに救われた人はもっと読んでほしい。 名誉とか建前で作られたものよりも、俺が楽しいものを作りたいから、俺がやってて好きなことだから。という丸裸で子供のような感情で作られたものの方が、人の心を動かすんだなぁとしみじみ思う。

Posted byブクログ

2017/08/24

フィクションに救われた経験があるだろうか。 私はある。 人生で一番辛く苦しいとき、私を救ってくれたのは物語だった。 暗闇で生まれた虚構には力が宿る。 私はそれを知っている。 フィクションを愛するすべてのひとはそれを知っている。 本書には年齢も性別もばらばらだが、フィクションに救...

フィクションに救われた経験があるだろうか。 私はある。 人生で一番辛く苦しいとき、私を救ってくれたのは物語だった。 暗闇で生まれた虚構には力が宿る。 私はそれを知っている。 フィクションを愛するすべてのひとはそれを知っている。 本書には年齢も性別もばらばらだが、フィクションに救われた事で繋がる人々がでてくる。 彼らの人生には否応なく、運命的に映画が絡んでくる。 ひとは必ずしも現実において主役になれるとは限らない。 脇役として終わってしまう平凡な一生もある。 だけど映画を見ている間だけは、あの無敵の暗闇の中でだけは、ひとはだれしも平等に主人公になれる。 だからこそ本作にでてくる人々の映画に対する姿勢には愛があふれている。 始まりのブザーが鳴り響き、スクリーンを見上げる客たちの顔が闇に沈んでいく特別な時間の中では境界線が消える。    作者はフィクションは救済装置と成り得るかとの問いに虚構は救い足り得ると肯定する。 館内の暗転と同時に日常は非日常に、現実は虚構に反転する。 価値観の逆転が起こる非日常の闇の中でなら絶望も希望に生まれ変わる。 本作はそれぞれ主人公の違う短編連作の形式をとりながら、登場人物や場所など各話が微妙にリンクしている。 全ての話に共通するのは、とある町の区民会館で上映された「ローマの休日」のエピソード。   最終話でこの「ローマの休日」が何故上映されるに至ったかの経緯が明かされる。 祖父に先立たれがっくり気落ちした祖母を力づけようと立ち上がったおばあちゃん大好きな五人の孫。 これが凄くいい。 それまでの話も全部いいんだけど最後の話は傑作。 五人の孫が、いや、家族全員がおばあちゃんを好きという気持ちがこれでもかと伝わってきて、優しくて不器用でちょっとヌケた登場人物全員がたまらなく愛しくなる。「僕」とかおるのやりとりは仲良すぎて困る。お互い馬の合わない相手なんだけど、メールでの口喧嘩が可愛くてにやにやしっぱなし。 孫達は協力して計画を進めるのだがフィルムの入手や上映場所の確保など課題は山積み、プロデューサーを任された「僕」は大いに頭を悩ませる。 が、「僕」はけっして諦めない。 むかし大好きな人と一緒に観た映画がおばあちゃんに再び元気を取り戻させると信じ。 誰かを救いたいと祈りを込めて送り出されたフィクションには絶対にひとを救う力がやどると信じ。 頭ではない、手先ではない、心が生み出した虚構には魂がやどると信じて。  救いに昇華された祈りが、それを必要とする人のもとへ正しく届く話である。 徐徐に暗くなっていく区民会館の座席を埋める客たち、スクリーンを見上げる目はどれも期待と興奮に輝いている。    あなたはフィクションを愛しているだろうか。 私は愛している。 映画に限らず小説でも漫画でも、すべてのフィクションに救われた体験のある人はこの小説を読んで欲しい。 きっと共感できるはずだから。 上から下へ緩慢に流れるエンドロールが終わり、館内が次第に白んでいくのを待つような、満ち足りた思いで本を閉じることができるはずだから。 

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2016/11/05

10年ぶりに再読。40代も後半のくたびれた中年には少し甘ったるすぎ&感傷的すぎかな。いいお話ばかりですけどね。

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2016/05/31

不朽の名作映画をモチーフにした五つの物語。金城一紀の最高傑作。 いつも隣には映画があった。うれしい時も悲しい時も、友情の証にも恋人の契りにも。映画は人生のスパイスになる。 区民会館大ホールで無料上映される『ローマの休日』。主催者側も観客側も人生の次の一歩を踏み出す何かになる。その...

不朽の名作映画をモチーフにした五つの物語。金城一紀の最高傑作。 いつも隣には映画があった。うれしい時も悲しい時も、友情の証にも恋人の契りにも。映画は人生のスパイスになる。 区民会館大ホールで無料上映される『ローマの休日』。主催者側も観客側も人生の次の一歩を踏み出す何かになる。そのきっかけが『ローマの休日』ってのがとても洒落てる。アン王女自身がひとつのきっかけで気持ちが変わったのだから。

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2016/01/31

「GO」とか「フライ、ダディ、フライ」で有名だから 知ってはいたけど、初めてこの人の作品読みました 評判いいだけのことはある! 最初パンチの効いたお話から始まり、 最後の心温まるお話でまとまってるのが最高 現実と作り話がわからなくなるような話から 途中でつい笑っちゃう文章まで...

「GO」とか「フライ、ダディ、フライ」で有名だから 知ってはいたけど、初めてこの人の作品読みました 評判いいだけのことはある! 最初パンチの効いたお話から始まり、 最後の心温まるお話でまとまってるのが最高 現実と作り話がわからなくなるような話から 途中でつい笑っちゃう文章まで この人はずいぶん幅広く書けるんだなあと思いました 連作形式で、ビデオ屋の兄ちゃんがいい味出してる ああいう接客できるのいいよね 映画の1本も観たくなる作品!

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2015/09/21

本屋大賞、2008年5位。映画を軸にゆるやかに関連づけられ、並行して進行する5つの物語からなる連作短編集。少しハードボイルドっぽい暴力的な描写のリアルさから桜庭一樹のような女流純文学っぽい表現、有川浩的のラブコメ風展開と多彩な技術が駆使されており、ふところの深さを感じる。全体的に...

本屋大賞、2008年5位。映画を軸にゆるやかに関連づけられ、並行して進行する5つの物語からなる連作短編集。少しハードボイルドっぽい暴力的な描写のリアルさから桜庭一樹のような女流純文学っぽい表現、有川浩的のラブコメ風展開と多彩な技術が駆使されており、ふところの深さを感じる。全体的に進行がゆるやかであり、ゆったりと世界に浸りたい人には良いかも知れないけど、自分にはちょっと退屈。最後の短編がメインテーマであり物語としても一番面白く、少し泣けた。伊坂さん的なうまいこという系会話とか、ちょっと、人気作家のいいとこどり感もあって全体のインパクトが小さいかも。どうなんでしょ? そういえば、巻末についてる、ローマの休日の解説文書の中で、主人公の2人は実は一夜をともにしていることが数個所で暗示的に表現されてるって文書が一番ビックリしたし、うんちく的に役にたちそう。

Posted byブクログ

2015/07/12

「愛の泉」に向かって、加速度的に面白さが増していく。 区民会館の「ローマの休日」が全てを結ぶ要。 そして、最終話できれいにまとまり、明るい未来へ向かっていく。 個人的には「ペイルライダー」が好き。おばちゃん、かっこよすぎ!背負っているものは…だけど。爽快!!私もハーレーに乗り...

「愛の泉」に向かって、加速度的に面白さが増していく。 区民会館の「ローマの休日」が全てを結ぶ要。 そして、最終話できれいにまとまり、明るい未来へ向かっていく。 個人的には「ペイルライダー」が好き。おばちゃん、かっこよすぎ!背負っているものは…だけど。爽快!!私もハーレーに乗りたくなった。

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